SlideShare una empresa de Scribd logo
1 de 31
Descargar para leer sin conexión
1
まとめ
2013.7.16
マニュアルライティング(2013 年度)
2
本日の内容
•	 成績状況
•	 レポート講評
•	 これまでの講義の振り返り
3
連絡事項
•	 次回はグループ実習
•	 次回に最終レポート課題出題
→テーマは RENANDI にて 7/17 中に公開
4
成績状況
成績評価の方法
•	 出席 10%、レポート 50%、実習 40%
•	 レポート:各回最大 10 点(最終回のみ最大 20 点)
•	 実習:各回最大 8 点
•	 微妙な学生は 7/22 までに RENANDI でアナウンス
5
レポート講評(1/7)
評価のポイント
•	 ユーザータスクで正しく表現できるか
•	 手順番号を明記して指示文として構成できるか
•	 情報の構成単位は適切か
•	 注意情報を適切に処理できるか
•	 見出しタイトルや説明文は適切か
•	 読みやすいレイアウトで作成できるか
6
レポート講評(2/7)
ユーザータスクで正しく表現できるか
•	 画面の説明ではなく、ユーザータスクの説明に
なっているか
•	 機能名ではなくユーザーニーズで表現できてい
るか
7
レポート講評(3/7)
手順番号を明記して指示文として構成できるか
•	 手順番号+指示+フィードバックという構造を
基本とする
•	 同一手順内の情報量は適切か
→複数指示を記述する場合の単位は適切か
8
レポート講評(4/7)
情報の構成単位は適切か
•	 大きなタスクの流れと、個別の指示の関係
•	 どの単位で分割するか
•	 分割しない場合は?
9
レポート講評(5/7)
注意情報を適切に処理できるか
•	 ユーザーの利用状況を踏まえて、必要な情報を
自分で探して追記できるか
•	 注意情報の配置場所は適切か
10
レポート講評(6/7)
見出しタイトルや説明文は適切か
•	 ユーザーニーズを意識しているか
•	 概要を把握できる導入情報が用意されているか
•	 表現は一貫しているか/統一感はあるか
•	 冗長な表現を使用していないか
11
レポート講評(7/7)
読みやすいレイアウトで作成できるか
•	 見出しと指示文
•	 分岐見出し
•	 指示文本体と付加情報
•	 指示文本体の後は改行を入れるように
•	 画像の配置方法
12
これまでの講義の振り返り
13
マニュアルとは?
技能伝承に必要な情報を文書化したもの
•	 しなければならないこと
•	 してはいけないこと
•	 してもいいこと
•	(上記の)理由、背景
14
良いマニュアルとは?
条件の整理例
•	 わかりやすい
•	 探しやすい
•	 取り扱いやすい
•	 役に立つ
•	 正確である
•	 魅力的である
•	 ユーザー保護に配慮している
15
知りたい情報を直接伝える(1/2)
ユーザーがそのまま理解できるように
•	 二重否定は避ける
•	「 言語明瞭意味不明」を避ける
•	「要するに何なのか 」がわかるように
→「だから何?」「で?」
16
知りたい情報を直接伝える(2/2)
読み手の知りたいことに直接答える
•	「どう便利なのか」
•	「何ができるのか(できないのか)」
•	「自分は何をすれば良いのか」
•	「何が言いたいのか」
•	 ネガティブな印象を避けるために、小手先の
ごまかしをしない
17
ユーザー中心のデザイン
ユーザーを正しく理解する/想定することが必要
•	 ユーザーは何を求めているのか?
•	 ユーザーができることは何か?
•	 ユーザーの利用状況は?
•	 自分がユーザーだったらどう思う?
→「 誰がユーザーなのか?」を最初に考える
18
企画構成の概要
マニュアル制作における企画構成プロセスとは?
•	 説明対象を把握する
•	 コンテンツ要件を明確にする
•	 必要な情報を用意する
•	 構成案を作成する
→実際に文章を書く前にこれだけの準備が必要
19
Plan
(計画)
Check
(評価)
Action
(改善)
Do
(実行)
コンテンツ要件(1/2)
ゴール設定
•	 目的を達成できたか判断するための指標
→評価の前提としても使用
•	 数値設定の重要性と
測定の難しさ
•	 ビジネスゴールと
ユーザーゴール
20
コンテンツ要件(2/2)
コンテキスト:ユーザーが情報と接する文脈
•	 同じユーザーであっても、利用状況によって
動機や背景が異なる
•	 同じ機能であっても、利用状況によって
求められる振るまいが異なる
•	 同じ情報であっても、展開メディアによって
求められる構成が異なる
→ユーザーを決めれば万時解決、ではない
21
構成案の作成(1/3)
グルーピングにあたっては…
•	 情報量に注意:マジカルナンバー 7(7 ± 2)
•	 階層を深くするよりも幅を拡げたほうが良い
•	 ユーザーによって判断が分かれる基準は避ける
•	 過剰な分類はかえって混乱を招く
•	 グルーピング後の情報の配列順にも注意
•	 グルーピングとタギング
22
構成案の作成(2/3)
ラベリングにあたっては…
•	 他のグループと区別できるように
•	 タイトルだけで内容が推測できるように
•	 ユーザーによって、わかりやすい名前が異なる
•	 ビジュアル表現の併用(アイコン)
•	 コピーライティングとは異なることに注意
→魅力的なコピーよりもわかりやすさを優先
23
グルーピング・ラベリングの順序は柔軟に
分類検討
(グルーピング)
分類名検討
(ラベリング)
枠組・分類名検討
(ラベリング)
分類検討
(グルーピング)
 
構成案の作成(3/3)
24
指示情報
指示情報の構造(操作説明書の場合の例)
導入情報
操作情報
注意情報
補足情報
機能説明 メリット
重大な制限利用シーン
フィードバック操作指示
制限禁止
付加補足
25
可読性を向上させる要素
•	 視線の動きに対する配慮
•	 情報構造の表現
→見出し処理	
→情報構成要素の表現
•	 レイアウトの基本設計
レイアウトの前に
26
最後にいろいろと(1/4)
情報設計は日常生活の延長にある
•	「自分から問題を発見する」「問題を言語化して
伝える」ための、日頃の訓練が大切
•	「生活者としての実感」が伴っていないと、
地に足のついた情報設計はできない
•	 生活者としての実感に裏打ちされた情報設計
こそが、社会に求められている
27
最後にいろいろと(2/4)
日常生活に敏感になる
•	「なんとなく」で日常生活を送らない
•	 買い物やサービス利用時は特に注意深く
•	 自分なりのシナリオを考えて対峙する
•	「あれ ?」という素朴な引っ掛かり
•	「わかりにくい」「探しにくい」「使いにくい」
というモヤモヤとした感覚を言語化してみる
28
最後にいろいろと(3/4)
他人の行動にはヒントがいっぱい
•	 どうして理解してもらえない ?
•	 どこでとまどっている ?
•	 変な動きの原因は何 ?
•	 自分の考えかた・とらえかたと何が違うのかを
考える
29
最後にいろいろと(4/4)
「頭でっかち」は百害あって一利なし
•	 論理思考は大切だが、論理思考だけでは解決
しない
•	 専門用語に飲まれない
→用語よりも考えかたを吸収する
•	 いろいろなことに興味を持とう
•	 コミュニケーションを創造する立場の人は、
実世界との交流を忘れずに!
30
次回の予定
最終回:グループ実習	
•	 ポータルのマニュアルを作成する(ための準備)
•	 最終レポート課題提示
31
作業課題
半年間お疲れさまでした
•	 半年間の感想
•	 役に立った点、役に立たなかった点
•	「○○を取り上げて欲しかった…」などの要望
コメントも大歓迎

Más contenido relacionado

La actualidad más candente

12 manual writing20130702
12 manual writing2013070212 manual writing20130702
12 manual writing20130702和也 高山
 
Tc sympo tokyo_takayama20090825
Tc sympo tokyo_takayama20090825Tc sympo tokyo_takayama20090825
Tc sympo tokyo_takayama20090825和也 高山
 
02 manual writing20130416
02 manual writing2013041602 manual writing20130416
02 manual writing20130416和也 高山
 
01 manual writing20130409
01 manual writing2013040901 manual writing20130409
01 manual writing20130409和也 高山
 
09 manual writing20130611
09 manual writing2013061109 manual writing20130611
09 manual writing20130611和也 高山
 
05 manual writing20130514
05 manual writing2013051405 manual writing20130514
05 manual writing20130514和也 高山
 
07 manual writing20130528
07 manual writing2013052807 manual writing20130528
07 manual writing20130528和也 高山
 

La actualidad más candente (7)

12 manual writing20130702
12 manual writing2013070212 manual writing20130702
12 manual writing20130702
 
Tc sympo tokyo_takayama20090825
Tc sympo tokyo_takayama20090825Tc sympo tokyo_takayama20090825
Tc sympo tokyo_takayama20090825
 
02 manual writing20130416
02 manual writing2013041602 manual writing20130416
02 manual writing20130416
 
01 manual writing20130409
01 manual writing2013040901 manual writing20130409
01 manual writing20130409
 
09 manual writing20130611
09 manual writing2013061109 manual writing20130611
09 manual writing20130611
 
05 manual writing20130514
05 manual writing2013051405 manual writing20130514
05 manual writing20130514
 
07 manual writing20130528
07 manual writing2013052807 manual writing20130528
07 manual writing20130528
 

Similar a 14 manual writing20130716

140921_JSET30_口頭発表
140921_JSET30_口頭発表140921_JSET30_口頭発表
140921_JSET30_口頭発表Yoshikazu Asada
 
Rm20150722 13key
Rm20150722 13keyRm20150722 13key
Rm20150722 13keyyouwatari
 
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践saireya _
 
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日Hironori Washizaki
 
Globalinx Newsletter Winter 2012
Globalinx Newsletter Winter 2012Globalinx Newsletter Winter 2012
Globalinx Newsletter Winter 2012GLOBALINX CORP
 
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用Kenichi Kamiya
 
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題Toru Oga
 

Similar a 14 manual writing20130716 (8)

140921_JSET30_口頭発表
140921_JSET30_口頭発表140921_JSET30_口頭発表
140921_JSET30_口頭発表
 
JSET2010
JSET2010JSET2010
JSET2010
 
Rm20150722 13key
Rm20150722 13keyRm20150722 13key
Rm20150722 13key
 
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践
BADUIからユニバーサルデザインへ展開するデザイン教育実践
 
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日
鷲崎 愛媛大学講演-プロジェクト型演習2014年12月15日
 
Globalinx Newsletter Winter 2012
Globalinx Newsletter Winter 2012Globalinx Newsletter Winter 2012
Globalinx Newsletter Winter 2012
 
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用
データベースソフトウェアを利用した外国語教育のための教材作成支援と教材データの多目的利用
 
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題
英語ディベート指導者・教員層の現状認識と課題
 

14 manual writing20130716