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Maker Faire Tokyo 2015
- 1. 石渡 昌太(機楽株式会社 代表取締役)、大塚 雅和(maaash.jp)、
小林 茂(モデレータ、情報科学芸術大学院大学[IAMAS ]教授)
白鳥 啓(株式会社Matilde 代表)
@西4ホールステージ
8月2日(日)11:30 - 12:50
実際のハードウェアスタートアップ
- 3. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
イントロダクション
Makerムーブメント
IoTブーム
製造と販売に関する
様々なプラットフォーム
+
様々な支援プログラム
初期投資
製造
在庫
製造物責任
- 4. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
イントロダクション
ハードウェア エレクトロニクス ソフトウェア ネットワーク サービス
いわゆるものづくり
Internet of Things(一気通貫で)
- 5. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
本日のゴール
•実際にハードウェアを製品として世の中に送り出したMakerたちの学びを共有することで課
題がわかる
•製品化を実現するためにどんなパートナーが欠かせなくて、そうした人々とどのように出会
うためにどういう方法があるかがわかる
•Makerがもっと活躍できるような世界にするにはどうすればいいかについてきっかけがつか
める
- 7. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
石渡さん
•高専+大学での専門は機械工学(ロボコン)
•自社製品+試作品開発の受託を業務とする企業を一人でやっている
•necomimiの製品化にも関わった
•RapiroはArduino互換のコアを内蔵した低価格のロボットキット
•デジタルファブリケーションを活用してコンセプトプロトタイプを開発
•2013年にKickstarterで約1,200万円を資金調達してRapiroを製品化
•資金調達後に葛飾区の町工場で金型を製作して製造
•サーボの製造は深圳の企業で
•販売はスイッチサイエンスで
- 8. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
大塚さん
•Wi-Fiにつながる赤外線リモコン「IRKit」をつくっている
•自分にあったリモコンをつくれるArduinoベースのオープンソースハードウェア
•2014年1月に発売
•ArduinoをベースにしてWi-Fiモジュールを組み合わせて電子回路をつくった
•コンセプトプロトタイプはデジタルファブリケーションを活用
•筐体は同じくミヨシ
•電子回路は岐阜県の久田見製作所
•販売はAmazonとスイッチサイエンス
- 9. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
白鳥さん
•スマートフォンと連携して様々な通知を光で伝える「雰囲気メガネ」をつくっている
•開発チームはパリミキ(三城ホールディングス)+IAMAS+Matilde
•セカイカメラみたいなメガネをつくりたいというとこから始まった
•最初の段階からアンビエントに伝えようというコンセプトだった
•デジタルファブリケーションを活用してコンセプトプロトタイプをつくった
•2014年のMWCで発表したことでパリミキ社内に外部から問い合わせが
•Makuakeでのクラウドファンディング成功により一般向けの商品化も前向きに
•SDKはリリース済みでMDKを準備中
•雰囲気メガネを製造販売するための会社を設立して一般向けの発売を準備中
- 11. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:その過程で最も大きな課題はどこにあったのか?
•石渡:パーツ数が多く、金型代が高く、資金が必要だったので資金調達が必要だった。クラ
ウドファンディングでお金を集める前からミヨシ、スイッチサイエンスに相談して準備を進
めた。Kickstarter+Makuakeで合計で1700万円。金型が1000万円以上。どこから利
益が出るのかを計算してそれを達成できるように進めた。
•大塚:金型代は2つの部品で60万円くらい。筐体の設計の段階でミヨシの杉山さんとよく相
談して製造コストを削減。最初の販売は100個にしたので、部品の調達代はそこで済んだの
で、合計150万円程度の自己資金で済んだのでそんなに問題ではなかった。IRKitの前には
アプリやサービスだったので、それと比較すると考えなければならないことが多く、自分で
意思決定しなければならないことが大変。
•白鳥:ハードウェアは全くの初めて。デザインはメガネ屋で機構設計は福岡のBraveridgeで間にはいっ
てやりとりしてなんとかできた。メガネは確立している業界なので納得してもらうのが大変だった。異
業種で進めているので、ガジェット的な感覚が通じない(目の前で見せてもわからない)。理解しても
らうためにMWCで発表+クラウドファンディングなどで外部から認知してもらうことが必要だった。
- 12. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:何がクラウドファンディングで成功した鍵だったか?
•石渡:お金を集めるためには、多くの人の目に触れるのが必要なので、メディアに効果的に
掲載してもらえるようにコンパクトに情報を伝えることが必要。Rapiroの場合には日本人、
アメリカ人、イギリス人がそれぞれ3割。
•白鳥:人数は500∼600人くらい。ビデオ、写真をしっかりつくったが、実際の支援者の大
体は展示会や取材での知人だったので足で稼いだ。ページには全員の顔と名前を出して掲載
した。
- 13. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:製品化に欠かせなかったパートナーにどう出会ったのか?
•石渡:はじめに相談したのはミヨシの杉山さん。その前から、町工場の人が集まるイベント
で出会った杉山さんと何か面白いことをやりたいねという話をしていた。そこから1∼2年経っ
て具体的に相談した。スイッチサイエンスの金本さんとは5年以上前から。かつてGainer
miniをつくった時、販売に当たって相談したのがきっかけ。
•大塚:プロダクトデザインの佐々木さん、アプリのデザインの古川さんとは前職からのつな
がり。基板製造の岡田さんとは間接的な知人経由。ミヨシの杉山さんとはEngadgetのハッ
カソンで同じチームで、短期間でも信頼関係がつくれたので相談。
•白鳥:大垣市のIAMASコミュニティが大切でアプリやファームウェアもその中で。最初の
プロトタイプはトリガーデバイスの佐藤さん、その後わふうの上原さんがアドバイス。その
後Nordicの山崎さんを紹介。新規のプレーヤーを支援したい福岡のBraveridgeを紹介して
くれ、吉田さん、小橋さんと出会って一緒に作ってくれ、実装に関する様々なアイデアもも
らい、合宿状態でつくり、海外のパートナーもそのネットワークで。
- 14. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:先駆者として、他のMakerたちにとっての「生態系」
•石渡:次の製品も進めているがやはり難しい。在庫のリスクもあるので、つくることが、で
はなく、つくって売る(売れるな)、というところが難しい。クラウドファンディングも資
金が入るまでの時間があるし、製造以外にも人件費など様々なお金がかかる。大体見込みよ
りはかなりお金がかかる。パートナーにも事前に「先行投資」の相談。
•大塚:生態系は育ってきていて段々と楽にはなってきている。IRKitの当時はBsizeの八木さ
んが先駆者だったので意思決定の辛さにも耐えられた。安いものをつくる、というのはやっ
ぱり楽。5000∼1万円以下のものをまずつくる、というのは重要。中心メンバーで一人でつ
くる、というより、2∼3人でつくる方がつくりやすくなっている。先行者の例を見ていくと
鉄板のルートも見えてきたのでは。
•白鳥:たまたまうまく集まってうまくできた。いろんなプレーヤーがいることはわかってき
たので、チームが組めれば新しいものはつくれるようになっているが、志がかみあっている
ことが必要。
- 15. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:製品としてリリースする前後で何か意識に違いはあるか?
•白鳥:つくるまでは形にするところまでを必死に。売るとなるとコストや販売計画などを考
える必要はある。初めてマーケティングやPRに意識が向かいだした。
•大塚:IRKit以前から生活の中の課題を自分でみつけて解決するアプリをつくっていたのが、
今後はアプリだけでなくハードウェアも解決法の選択肢に入ってきた。つくってみたことで、
どんな人が関わっているのかがわかった。前職の大きなメーカーの人の仕事では理解してい
ない人々もいた(例:部品などの調達担当者)が大切さがわかった。様々な新製品が出た時
に、IRKitとの関連性でそれぞれの解決策が深く理解できるようになった。
•石渡:Rapiroは全てを一人で行うことは不可能な大プロジェクトだった。全体の意思決定
の責任は自分にあり、見込みと実際は多分違うので複雑なプロダクトであればあるほど膨ら
むので、各所の調整をどうするかが難しい。いきなり複雑なものを作るのではなく、電子回
路基板だけの製品から徐々にステップアップすることが重要。
- 16. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
Q:今後の展望は?
•大塚:次になにかをつくるときのアプリに加えてハードウェアという選択肢が増えたので柔
軟にやってきたいと思っている。気軽にやってくれる人が増えるといいなと思っている。一
人ではなく、Fab Labのようなところをベースにするなどして2∼3人で始めるのが重要な
のではないか。
•石渡:今つくっているプロダクトを早く世の中に出したい。今日の18時半からモヤモヤサマー
ズに出演。
•白鳥:一般発売後、国内だけでなく海外展開も。今後同じような機能が入ってくると思うの
でその時を楽しみにしている。最近は商社やメーカーの人と話すのが面白い。違うスキルを
持った人たちとまた一緒にチームでやりたい。
- 17. Maker Faire Tokyo 2015 ¦ 実際のハードウェアスタートアップ
関連リンク
•Rapiro
http://www.rapiro.com/
•IRKit
http://getirkit.com/
•雰囲気メガネ
http://fun-iki.com/
•株式会社ミヨシ
http://www.miyoshi-mf.co.jp/
•株式会社久田見製作所
http://www.kutami.co.jp/
•株式会社スイッチサイエンス
https://www.switch-science.com/