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一般社団法人情報支援レスキュー隊
IT DART (IT Disaster Assistance and Response Team)
総会記念報告会&ワークショップ
2016年6月26日
本日の予定
4
第2部 活動報告とワークショップ
支援活動の前線からの報告
関東東北豪雨対応(取出)
熊本地震対応
ワークショップ 「ITDARTの活動を考える」
懇親会
15:00〜17:30
18:30〜
情報支援レスキュー隊
IT DART (IT Disaster Assistance and Response Team)
一般社団法人情報支援レスキュー隊
運営委員 取出新吾(茨城県広報監)
2016年6月26日
関東東北豪雨対応
茨城県守谷市(2016/9/13)
6
守谷市の状況
• 水害による被災なし
• 行政情報ネットワークの障害のためHPの更新ができず、
Facebook/Twitterで情報発信を継続していた
IT DARTの対応
• 守谷市在住の隊員が市役所と良好な関係を持っていたため、災害
対策本部に入り、HP回復までの暫定用のウェブサイトを後方支援
チームがJimdoで制作、WiMAXのルーターを設置。
• 暫定サイトのアップとほぼ同タイミングでネットワーク障害が解決し
たため実際には活用されなかった。
茨城県常総市(2016/9/13)
7
常総市の状況
• 甚大な水害被害
• 交通状況も一切不明:守谷市在住の隊員宅から自転車で常総市
へ移動
IT DARTの対応
• 市内の状況を視察。
• 常総市役所を訪問したが、担当職員がかなり忙しくされており、名
刺を渡して今後お手伝いできることがあれば教えて欲しいと伝えた
だけに終わる。
行政とのお付き合い
8
守谷市と常総市の違い
• 日頃からの関係性が必要
 行政機関と関係のある地元隊員が必要なのでは?
行政との協定の締結の可能性
• (防災関連に限らず)行政と協定を結びたいとアプローチしている
団体・企業はかなり多く、かなり良い提案を行わないと先には進ま
ない
• IT DARTの行政支援メニューは最低限必要
 「なんでもできます」、「支援して欲しいことを教えて下さい」では
先に進まない
情報支援レスキュー隊
IT DART (IT Disaster Assistance and Response Team)
一般社団法人情報支援レスキュー隊
2016年6月26日
熊本地震対応
熊本地震への初動(〜4/16)
 Facebookグループの開設
 メンバー: 4,249名(2016/06/25現在)
 先遣隊の派遣(4名)
10
支援体制
 Slackの活用
 毎朝、プロジェクト状況を #general チャンネ
ルに投稿
11
支援活動
 情報流通の支援
 情報システムの開発
 通信環境整備の支援
 情報作成の支援
12
支援活動
 情報流通の支援
 情報システムの開発
 通信環境整備の支援
 情報作成の支援
13
情報流通の支援
災害対応を行う組織や個人に対して、情報の収集と利用そ
して発信という運用を支援する活動
 災害ボランティアセンター募集状況一覧作成
 自治体HPレスキュープロジェクト
 詐欺注意喚起チラシの作成と配布
 HP代行作成
14
災害ボランティアセンター募集状況一覧作成
 災害ボランティアセンターなどの募集情報の一覧表を作成して毎日
更新、ツイートを実施 (約30tweet/日)
 災害ボラセン22箇所、NPO等9箇所を掲載。
 ボランティア募集状況一覧: https://goo.gl/Y5pZI3
 Twitter: https://twitter.com/it_dart
 募集情報の発信は、組織によって大きな差がある
 情報の発信や更新の頻度(ウェブサイトに一度書いて終わり vs
Facebookやtwitterで毎日繰り返し発信)
 募集情報をFBに一度投稿したきりで、現在有効かどうか判断で
きない例も
 発信のタイミング(活動の有無を前日18:00頃に発信 vs 当日朝
に発信)
 募集内容の粒度(具体的な活動内容や時間の有無など)
15
佐藤
自治体HPレスキュープロジェクト
 被災者及び支援に必要な自治体Webサイトからの情報
発信をバックアップ
 さくらインターネットからサーバー提供
16
岸原
詐欺注意喚起チラシの作成と配布
被災地での詐欺被害を防
止するためのチラシを、コ
ンビニのネットワークプリン
ターとも連動して、どこでも、
誰でも利用しやすいように
提供
17
宮川
支援活動
 情報流通の支援
 情報システムの開発
 通信環境整備の支援
 情報作成の支援
18
情報システムの開発
災害対応を行う組織や個人が情報の収集や
利用に活用するためのツールを提供する活
動
 ExcelGeo
 マークシートを用いた災害ボランティア登録
システムの開発
 kintoneを使用した物資管理帳システム
19
ExcelGeo
 エクセルファイル(.xlsx, .xls)にある住所から一括で緯度
経度を取得するウェブアプリの開発/運用
 さくらインターネットからサーバー提供
20
畑山
マークシートを用いた災害ボランティア
登録システムの開発
 スキャナで読み込んで自動的に集計できる
災害ボランティア登録用紙を開発
 災害ボランティアセンターなどでの登録業務
の軽減を狙う
21
宮川
kintoneを使用した物資管理帳システム
 支援団体からの依頼を受け、支援物資管理システムの
構築および運用を行った
 現地チームで物資管理票を撮影した画像をアップロード。
後方支援チームが画像の情報をデータベースに入力す
ることで物資管理を行った
 サイボウズ協力
22
入庫時
の写真 出庫時に
追加され
る写真
22
畑山
物資管理帳システムの管理画面
23
畑山
支援活動
 情報流通の支援
 情報システムの開発
 通信環境整備の支援
 情報作成の支援
24
通信環境整備の支援
災害対応を行う組織に対する、必要なIT環境の
提供および設定支援
 PCやWiFiルータなどの貸与・支援
 現地での環境構築サポート
25
PCやWiFiルータなどの貸与・支援
 PC22台、タブレット10台、無線LANルーター9台、他を、民間ボランティア団
体、災害ボランティアセンター等に提供
 PCは、レノボ・ジャパン提供(NECパーソナルコンピューター紹介)、とITで日
本を元気に!からの提供
 無線LANルーターとタブレットは、NTTドコモ、KDDIからの提供
 PCセットアップは、システムラボラトリー(福岡県)の協力
 IT DARTのプロジェクトで、PCを効率よくセットアップするため、「災害復旧・
復興支援用中古PC設定手順書」を日本マイクロソフトの協力の元作成
26
宮川
熊本地震での活動 −情報機器の提供
 支援先13団体
JVOAD、災害NGO結、キャンナス、ボランティアインフォ、
日本防災士会熊本支部、NPOレスキューアシスト、セカ
ンドハーベスト、竹田市ボランティアベースキャンプ、南
阿蘇村社会福祉協議会、西原村社会福祉協議会、JC、
ぐるんとボウサイダー、広安小学校避難所
阿蘇熊本空港ホテルエミナース避難所、他
27
宮川
作業風景
28
宮川
現地での情報・IT支援
29
支援対象
・現地中間支援組織(火の国会議事務局)
・災害ボランティアセンター
支援内容
・PC・ネットワーク環境の整備
・情報支援
上村
火の国会議事務局でのIT環境構築
30
・ネットワーク環境の構築(有線でのインターネット環境なし)
・モバイルルータ(USB接続)→共有フォルダPC(ブリッジ接続)
→無線LANルータ→複合機
↓
クライアントPC
【ニーズ】
インターネットと接続しつつ複合機(有線接続)でも
印刷したい(有線でのインターネット環境なし)
解決策→ノートPC1台をブリッジにする
上村
火の国会議事務局での情報支援
31
・熊本県内避難所調査システムの構築
~終了後当日の会議で集計結果を出す~
→googleフォームを利用したアンケート
フォームを作成
→手書き分は後方(東京)で入力
・熊本県内避難所調査結果のまとめ
他組織調査分も含め、統合。A3用紙数枚
に集約。今後の対策資料に。
熊本県内避難所の環境調査(GW中、計186か所)
上村
火の国会議事務局での情報支援
32
火の国会議避難所支援分科会での検討
上村
災害VCでのPC・ネット環境構築
33
・ファイル共有
各PCにバラバラにあったファイルを係別に統合
→一台を共有PCとして設定したが、接続速度が安定せず、NASへ
※停電対策・対応が課題に
・ PC・ネットワーク環境の整備
PC環境の整備や、IPのセグメント統一、複合機への接続など
上村
災害VCでの情報支援
34
ニーズ票のデジタル化とマッピング
・ボランティアニーズ票のマッピング
完了・継続ニーズなどの地図上での可視化
目的:地区別の完了状況の把握
他の生活支援情報との統合
報告書用の基礎資料・データとして
・ボランティアニーズ票(1000件強)のデジタル化
ニーズ票(紙帳票)をエクセル化する
目的:受付やニーズ班での検索
生活支援に利用できる情報の集約
報告書用の基礎資料・データとして
上村
今後の課題
35
・現地と後方との効率的かつ効果的な連携
・エクセラーの発掘
・継続的な支援(フォローアップ)
・現地IT支援団体へのつなぎ
→現場とIT・情報支援をつなぐことができる
コーディネーターの育成
上村
支援活動
 情報流通の支援
 情報システムの開発
 通信環境整備の支援
 情報作成の支援
36
情報作成の支援
紙情報の電子化、テキスト情報の地図化に関
する活動
 避難所情報の地図化と統合
 応急危険度判定情報の電子化(企業マッチ
ング)
37
避難所情報の地図化と統合
 減災インフォ、Code for Japan、防災科研、Youth Action
for Kumamoto、熊本地震情報掲示板、Crisis Mappers
Japanなどと連携してインターネット上の地図情報の集約
を行う
 現在の避難所情報のうち、熊本地震情報掲示板に掲載
されているものの地図化作業をIT DARTで担当
38
畑山
応急危険度判定情報の電子化
(企業マッチング)
 熊本市の応急危険度判定情報の電子化について、国
際航業を通じて作業の依頼があった
 入力手段について、国際航業にアドバイス
 短納期で3万件程度の入力(キーパンチ)をしたいが、熊
本市内で業者が見つからず、相談を受けた
 ITDART関係者のネットワークから福岡の企業を紹介し
た(7月中旬が納期で、現在作業中)
39
畑山
情報支援レスキュー隊
IT DART (IT Disaster Assistance and Response Team)
一般社団法人情報支援レスキュー隊
2016年6月26日
熊本地震活動の振り返り
熊本地震
先遣隊の報告と印象
一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)
斎藤昌義
2016年6月26日
活動概要
42
4月16日(土) 当日未明に本震
• IT DART隊員4名 福岡・博多に集合
• 活動拠点を確保し情報収集
• 福岡・熊本の協力者と連絡、情報を収集
• 翌日の行動計画を確認
4月17日(日)
• チームA 福岡・博多での情報収集と連絡
• チームB 博多ー大牟田経由で熊本へ
気付いたこと
43
先遣隊はいち早く、その後の支援につながる「人のつながり」を確保すること
→ 地元との連携協力なくしてIT支援は実現しない
 発災早期での現地活動拠点確保
 被災地地元の人のつながりの拡大
 後方との連携・協力体制
発災直後
IT支援のニーズは不明!
先遣隊として活動して思ったことなど
• 派遣の判断時期・方法
• 「プランB」の重要性
– 16日本震で熊本空港閉鎖→福岡へ
• 状況が把握できないときの行動方法
– 複数案を並行で検討
• 「前線」と「司令チーム」の関係
– 「把握・連絡」に追われることも とくに一人で行動中・車で移動中
• 人的ネットワークの重要性
– ITコーディネータ協会など
• 「次のアクション」にどう結びつけるか?
• チームとしての「振り返り」が重要
– 動いているときも、、?
44
会津
活動振返りと今後への意見
一般社団法人情報支援レスキュー隊
上村 貴広
2016年6月26日
期待して出来たこと
46
・現地と後方との連携
・通信機材の調達
・今までの繋がりが生きた
期待していたができなかったこと
47
・支援情報のまとめ
→バラバラな情報から、意思決定に必要な情報へ
・紙媒体での情報支援(ちらしの配布等)
期待していなかったができたこと
48
・機材(PC)の入手(ご寄付)
・IT・情報支援ニーズの発掘
・現地団体や支援団体との新たなる展開
熊本地震対応
機材の調達と提供
一般社団法人情報支援レスキュー隊
宮川祥子
2016年6月26日
どこにどのような機材が必要だったか
• 通信インフラのダメージは小さかった
→モバイルルーターがあれば通信できる
• 災害支援が通常の業務ではないNPOや熊本
の様々なNPO(子育て、シニア等)
→人的ネットワークはあるが物資管理やコー
ディネーションにPCや通信機器が必要
50
必要な機材をどうやって手に入れるか
51
PCの支援
• ITで日本を元気に
• レノボ・ジャパン
通信(モバイルルーター)の支援
• NTTdocomo
• KDDI
機材提供をしていただける企業・団体と
のネットワーキングはまだまだ不十分
必要な場所にどうやって届けるか
52
• NPOくまもと、JVOADが事務局となっている
「熊本地震・支援団体火の国会議」を通じた
配布
• IT支援を必要としている支援団体につながる
ネットワークを持っていることが大切
届けばOKってわけじゃないですね
53
• PCを「開けたらすぐに使える」状態にするため
のセットアップ・キッティング
• システムラボラトリーのみなさま
• 日本マイクロソフト安納さま他
適時のIT機材支援を行うためには
54
• IT DARTはITの直接支援だけでなく、IT支援
のコーディネートの役割も担うことができる
• IT支援をしたい人、IT支援を受けたい人をつ
なぐネットワークの構築が、今後もっともっと
重要になる
支援物資管理、マッピングについて
振返りと今後について
一般社団法人情報支援レスキュー隊
畑山満則
2016年6月26日
物資管理支援
期待していていたことでできたこと
56
• 行政の支援(直接行政からの依頼があったわけではない)
• 現地の運用体制に合わせた情報システムの提案
• 情報システムのタイムリーなアップデート(初動時)
• バックサポートによる管理支援
物資管理支援
期待していたができなかったこと
57
• 物資の厳密な管理
• 現地駐在員のアサインメント
• 現地の運用体制の変化への対応
• 現地ニーズの変化に合わせたシステム改良
• 物資配送に関する支援
支援の段階に応じて管理単位を変更することが求められたが
現地に常駐していなかったので、敏感に対応することができなかった
物資管理支援
期待していなかったがやったこと
58
• 物資管理は重要性は認識していたが、そもそもの支援メニュー
として存在しなかった
• 支援団体と連携しての運用
• 次回のためのシステム検討の継続
次回もシステムの提供については、ある程度期待されているが
どの程度の規模まで対応できるかについて検討しておかないと
安易に引き受けることはできない
マッピング
期待していていたことでできたこと
59
• 他の情報提供サイトとの連携と集約
• 運営委員だけでなく隊員を巻き込んでの作業
マッピング
期待していたができなかったこと
60
• 依頼された情報のタイムリーな公開
• 行政で必要とされるマッピング作業(支援まで繋げられなかった)
• マッピングによる支援活動をしているグループとの連携
• マッピングツールの提案・提供
マッピングに関して、現地ニーズから後方作業に
落とし込む作業に強いメンバーの不足
マッピング
期待していなかったがやったこと
61
• 他の情報提供サイトへのマッピング技術に関するサポート
• 作成したデータ(指定外避難所)の取り扱いに関する検討
災害対応のフェーズに合わせた情報の取り扱いの変化に
ついては、主要な他サイトと事前に共有しておきたい
支援経験の少ないサイトと連携する際に、経験の蓄積から
得られた知見をどのように伝えていくかをIT DART内で
決めておきたい
ネットワーク上での情報発信・共有
佐藤 大
2016年6月26日
情報発信メディア
• Facebook
– 『20160414 九州 熊本・大分地震 支援者向け
グループ』
– 『情報支援レスキュー隊』ページ
• Twitter (@it_dart)
– FBページコンテンツや活動状況の紹介
• ボランティア募集情報
– Googleスプレッドシート上の一覧表&ツイート
63
20160414 九州 熊本・大分地震 支援者
向けグループ
• 4/14(前震当日)に開設
– https://www.facebook.com/groups/880688795409687/
– 現在の参加者: 4,247人
– 現在の投稿数: 約5-10件/日
• 結果
– 多数の参加者、多くの投稿を得た
– 情報の整理集約が課題
• インデックス投稿やまとめ投稿の作成など
• ↑このような投稿自体も埋もれる
64
『情報支援レスキュー隊』ページ
• 熊本地震を受けて 4/16 に作成
– https://www.facebook.com/itdart.org/
– 投稿があった月日(投稿数)
• 4月: 16(7), 17(14), 18(3), 21, 22, 24, 27, 28, 29
• 5月: 1, 2, 3, 5, 7(2), 24, 31
• 6月: 2, 7, 10, 13, 16
– 当初は活用イメージが定まらず投稿多数。
• 結果
– 現地部隊の活動報告が中心
– 日々の情報発信のネット上の拠点ができた
– コンスタントな情報発信が課題
65
Twitter (@it_dart)
• 発災前から運用
• 結果
– 発災直後は関連情報、隊員募集等を発信
• ミッションが不明確
– ボラ募集ツイートでフォロワー増
• 4/13: 142, 4/23: 230, 6/26: 460
66
ボランティア募集情報一覧&ツイート
• 4/24 に開始、以降毎日更新&ツイート
– 災害ボラセンのボランティア募集情報を一覧表に
整理
– NPO等の募集情報も適宜掲載
• 結果
– 毎日更新しつつツイート
• slackでやり取りしつつ作業
• 手順が整理済なのでルーチンとして安定
– 当番制にしたかったが2人で毎日
– 掲載基準が不明確
67
ボランティア募集情報一覧&ツイート
68
ボランティア募集情報一覧&ツイート
69
まとめ
• 期待していたことができた
– 発信手段は一通り揃った
• web、Facebook、Twitter
– 情報を求める人が集まる拠点ができた
• 期待していたけどできなかった
– information を intelligence にする
– アイデアを業務として確立する
• 期待してなかったけどできた
– 各種メディアへの露出(雑誌への投稿、連載等)
• ITmedia, Security NEXT, Software Design(予定), 三田評論,
IEEE Computer Magazine
70
情報システム開発と提供
振り返りと今後への意見
一般社団法人情報支援レスキュー隊(IT DART)
及川 卓也
2016年6月26日
振り返り(良かった点)
• 熊本地震後に多くの隊員(情報システム開発の
スキルのある隊員。以下同じ)が集まり、情報シ
ステム開発に関係する作業を担当していただけ
た。
• 現地の隊員を後方支援の形でサポートするとい
うモデルが機能することが確認できた。
• 集まった隊員の専門を活かすことができた。
– 例)GISやWindowsセットアップ、kintoneなど
72
振り返り(課題)
• 参加した隊員の中には、活動のきっかけが掴め
なかった人も多いのではないか。
– 隊員へのオリエンテーションが欠けていないか。
• プロジェクトマネージメントの方法が確立していな
かった。
• 隊員として活躍した方々が平時にも活動可能か
不明。
• 被災地のシステムセットアップのサポートがあま
りできなかった。
73
今後への意見
• 隊員へのアンケートを行い、今後の進め方を検
討したい。
• プロジェクトマネージメントに関しては、情報シス
テムWGの藤井運営委員を中心に検討中。
• 情報システムWGとしてのスキル向上。
– 勉強会(kintoneやJimdoなど)の開催
• 平時よりの情報システムの開発や技術情報の整
備(セットアップガイドなど)。
74
情報支援レスキュー隊
IT DART (IT Disaster Assistance and Response Team)
一般社団法人情報支援レスキュー隊
岸原 孝昌
2016年6月26日
マネジメントについて
想定してうまくいった点
 基本コンセプトは機能することがわかった
76
組織運営におけるツールの活用
 現地チームと後方支援チームが連携して、多様なプ
ロジェクト・タスクを迅速に運営するために、Slackを
活用した。
 Teamは、ITDARTの運営委員が参加するTeamと隊
員向けTeamで運用した。
 隊員向けチームは、プロジェクト毎に15のChannelを
つくって自律分散的に活動を行った。
 コメントURL機能や高度な検索機能によって多様な
テーマを系統的に把握するのに有効であった。(通
常のチャットではコメントが時系列に流れていくため
系統的な把握は不可能)
77
想定してうまくいった点
 現地チーム(現地ニーズの把握)と後方支援チーム
(サポート、開発、運用)の体制は実効性があった。
 運営委員が積極的にプロジェクト提案することで隊
員活動の拡がりをもつことができた。
 災害発生時においては、個人・企業・団体から多様
な支援を得ることができた。
 Slack等の情報支援ツールを使って、迅速に効果的
なプロジェクトを進めることができた。
78
想定してうまくいかなかった点
 体制を整備するための会員が参加したWG活動を
活性化することができなかった。
 平時からの隊員のサポート体制が未整備であった
ため役割や立場について混乱があった。
 情報支援活動するための提携体制が構築できてい
なかったため、支援メニューの提供が遅れた。
 Slack等の情報ツールに慣れていないメンバーが支
援活動に参加することが難しかった。
79
事例:Facebookグループの運営
 Facebookグループの開設
 メンバー: 4,249名(2016/06/25現在)
80
事例:Facebookグループの運営
 IT DART の運営委員がグループ管理者になっ
た。運用形態は基本的に性善説。
 管理者を中心にまとめスレッドを作成。
 スパム(らしき)アカウントの参加要求は、気がつけば
拒否するようにしていた。
 運営方針に反する投稿には、やんわりと注意。重要な
情報が流れてしまうので
 メンバーは誰でも追加・承認が可能。
 有効な支援情報を拡散するために多くの参加者
を集めて有機的に機能することができた。
 運用面では、まとめスレッドの運用方法と承認・
編集権限の検討が必要。
81
今後に向けて
マネジメントの基本的な考え方
 ボランティア団体の運営リソースとして、人、
物、資金 +個人の意志(被災地・被災者を
支援したい)が重要。
 バランスを取ったマネジメントが必要。
 自律分散的な機能(個人の能力を活かす)
 統制的な機能(集団としての能力を活かす)
82

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