責めない文化をつくり行動結果面接で能力を見出し学ぶ方法

現場で活かす
フィードバック・デブリーフィング
-フォローアップ1-
笑顔のおうちクリニック松戸
全日本患者安全組織文化学習支援財団
松本尚浩
01 Dec 2018 Debriefing_Workshops @ Kawasaki Med. Univ. 1

セミナー概略

平成３０年度看護セミナー
「患者安全のためのチーム医療」
今回
•看護職での熟達に限らない、生涯の学びへ
•現場で活かすフィードバック・デブリーフィング
フォローアップ
１
•「責めない文化」と、「学びたい関係性」構築
•「伸び悩む中堅」が熟達できる支援
フォローアップ
２
•すぐ終わる、お互いを認めるデブリーフィング
•デブリーフィング実践を支援する技能
チーム医療技能の現場活用へ

フォローアップ１

• 平成30年１２月1日（土）１３:30-1７:00
• 【目的】
– 「責めない文化」と、「学びたい関係性」構築
– 「伸び悩む中堅」が熟達できる支援
• 【方法】
– 自分の部署での「責めない文化」醸成の計画立案
– 「伸び悩む中堅」の熟達支援方略の計画立案
– デブリーリング応用して「行動結果面接」実技

参加者の成果
(出典：医療職の能力開発 vol.2, 25-34, 2013)
デブリーフィング支援者
「責めない文化」でのデブリーフィングが
部署内で日常的に実践されるのを見守る

フォローアップ１の時間割
1. 「責めない文化」の創り方（70分間）
2. 「伸び悩む中堅」熟達の支援方法（70分間）
3. 面接で始める学び方（70分間）

「責めない文化」の創り方

「非難の文化」が患者安全の壁
• 医療分野では「非難する」ことが問題
解決のための一般的な方法であった．
• これを「非難の文化（blame culture）」
と呼ぶ
– （99頁、WHO患者安全カリキュラムガイドPartB）

患者安全促進には、
責めない文化が重要

あなたの部署には、
「責めない文化」が醸成されている
A: 全くそう思わない
B: あまりそう思わない
C: ややそう思わない
D: ややそう思う
E: かなりそう思う
F: とてもそう思う
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A B C D E F

振り返り場面での焦点は何？
「失敗・欠点」「成功・長所」その理由
一人で
•お題ついて、自分の考えを書き出す
•2－3項目、2－3分で
共有
•二人（ときに三人以上）で考えを共有・議論
•一度に話す時間は1分以内です。
一人で
•議論の結果、自分の考えをまとめる
•最初のメモとの変化を明らかにする

【共有】振り返り場面での焦点は何？
「失敗・欠点」「成功・長所」その理由

「振り返り会話」を練習して身につける
あなた・チームの長所・能力に焦点を置く
ふり返り・ふり返り会話を学べます

デブリーフィング(DeB)訓練：2段階目
デブリーフィング実施
はい
DeBは「強み」に
焦点を置いたか？
「強み」を分析する練習
例１）上手く出来たことを
抽出させる
例2)チェックリスト使用
いいえ
「何故上手くできたか」を
失敗よりも多い項目で、
分析している
第1段階
第3段階

「成功・長所」に焦点を置く
振り返り会話を実践可能か？その理由
一人で
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】「成功・長所」に焦点を置く
振り返り会話を実践可能か？その理由

「成功・長所」に焦点を置く
振り返り会話を実践できそう
0
A B C D E F

「責めない文化」醸成への計画立案
一人で
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】「責めない文化」
醸成への計画立案

あなたの部署で
「責めない文化」発展できそう
0
A B C D E F

「伸び悩む中堅」熟達の支援方法

あなたの部署では
中堅者が発展し続けている
0
A B C D E F

中堅者の発展を促進する方略
一人で
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】中堅者の発展を促進する方略

あなたの部署で中堅者は
効果的振り返り（会話）ができている
0
A B C D E F

中堅者発展支援に「成功・長所」焦点型
振り返り会話を応用する計画立案
一人で
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】中堅者発展支援に「成功・長所」焦点型
振り返り会話を応用する計画立案

面接で始める学び方

知識・技術があるだけが
熟達者ではない

同じような知識・技術でも
仕事の出来栄えは異なる
0
A B C D E F

見えにくい・変えにくい能力も重要
（https://goo.gl/fya8Wi）
コンピテンシーの「氷山モデル」

グーグルは行動面接で雇用を決める
（参照 https://goo.gl/wJCzzh）
Situation: あなたの物語は何ですか?
Task: この状況であなたの役割は何ですか?
Action: あなたは何をしましたか?
Result: あなたの行動はどんな結果に繋がりましたか?

コンピテンシー分析・評価のために
「行動結果面接（BEI）」の応用を
• BEI: Behavioral Event Interview
• 重要な出来事を語ってもらう
– 肯定的・前向きな出来事は話しやすい
• 実際の行動を語ってもらう
• 行動の背景にある考え・動機を探る
• 参照
– https://goo.gl/zYV6SD

私の提案

現場での成果を確実にする
教育実践へのヒント

【提案】職場での教育を、
アウトカム基盤型に変えよう
インプットアウトカム

すべての経時的変化は指数関数的
時間
進
化
・
増
加

学ぶべき内容が、年々増えている
0
A B C D E F

学ぶべき内容も
指数関数的に増加
時間
情
報
インプットさせる教育に限界

院内学習会での講義は効果的
0
A B C D E F

カークパトリックの
研修効果の4段階
１．反応研修参加者の満足度
（アンケート調査など）
２．学習受講者の知識理解度や学習到達度
（筆記試験や実技試験）
３．行動変容現場での行動変化
（インタビューや他者評価）
４．結果組織の業績向上
（医療過誤減少，病院内死亡減少）
素晴らしい講義は大事です。
さらに、現場での行動変容が
あなたの講義で生じたと示しましょう。

実習・講習会に参加した後
学びの内容は
現場で
活かされるか

【提案】カーク・パトリック
レベル３焦点型の講習会報告様式
職場で発表・共有
講習会内容・実践報告発展継続計画立案
講習会参加後
現場で実践選定評価者の評価
講習会参加前
講習会後目標設定評価者・評価方法選定

講習会の報告様式を変えてみたい
0
A B C D E F

【私案】面談基盤型カリキュラム
面談
学習方略
選択
学習実践

面談基盤型カリキュラム
面談
•行動結果面接（BEI）
•コンピテンシー・ディクショナリーに基づき評価
学習方
略選択
•学習内容検討
•学習方法・教材・指導者選択
学習
実践
•講義や独習など
おすすめの書籍
あります

コンピテンシー応用実践に
おすすめの1冊

行動結果面接の練習
• 自分の実践で、重要な出来事を書き出す
– 肯定的・前向きな出来事
• 実際の行動を記述する
• 行動の背景にある考え・動機を記述する
• 参照
– https://goo.gl/zYV6SD
自分の体験・考え・動機を
書き出してみましょう

行動結果面接の練習（1/2）
重要な出来事と行動を聴取
一人で
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】行動結果面接の練習（1/2）
重要な出来事と行動を聴取

コンピテンシー・ディクショナリー
• 別紙資料参照
– 出典：『コンピテンシー・マネジメントの展開』
• 項目
– 他の人達の理解の深さ
– チームワークを助長する強度
– 自律的モティベーション、自発的努力の量

ある面談
• 体験
– 心肺蘇生術インストラクター養成をはじめました。
– 希望者に参加してもらい、練習を重ねました。
• 考え
– 患者安全が促進するために行動が必要と考えま
した。
• 動機
– これまでに無い仕組みを作らないと、改善はでき
ないと感じたからです。

「ある面談」内容に基づいて
配布資料でチェックリスト確認
どのレベルに当てはまるでしょう？

行動結果面接の練習（2/2）
コンピテンシー・ディクショナリー利用
一人で
•グループでの面談結果に基づき項目選択
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】行動結果面接の練習（2/2）
コンピテンシー・ディクショナリー利用

【練習】面談基盤型カリキュラム
面談
学習方略
選択
学習実践
面談の結果に基づきこれらを検討する
段階を練習します

面接から学び始められるか
一人で
•面談内容に基づき、学び方を決めます
•2－3項目、2－3分で
共有
一人で

【共有】面接から学び始められるか

面接から学び始める場を創りたい
0
A B C D E F

伸び続ける中堅と
卓越した熟達者へ

中堅者は教育できない
0
A B C D E F

熟達者は教育できない
0
A B C D E F

【提案】
中堅以降は
教育せず、
「BEI」のみ

見えにくい・変えにくい能力を
BEIで見え易くして、伸ばす支援を
（https://goo.gl/fya8Wi）
コンピテンシーの「氷山モデル」
熟達への鍵

アウトカム示す学習者へ

【ぼやき】
医療機関での
教育の負担は
重い

教育の負担で疲れる
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A B C D E F

教育
しなくてもいい
医療者が
増えればいい

自分で
成果基盤型
学習できる
看護師を増やそう

医療学生が「自分で学べる人」に
発達するための学びの場
教材医療学生との活動
医療学生でなくても、学べます

【超重要】
中堅者は
自分で学び
アウトカムを背中で
若手同僚に示そう

自分で学べるようになる
学習会を開催したい
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次回予告

フォローアップ２
• 2019年２月16日（土）１３:30-1７:00
• 【目的】
– すぐ終わる、お互いを認める振り返り会話
– 振り返り会話の実践を支援する技能
• 【方法】
– 「まとめ」から始める効果的デブリーフィング支援
– 効果的な計画立案のためのチェックリスト作成
– 「得意・長所」に焦点を置くデブリーフィング技能
効果的な学習に必須の道具

資料

ゴール基盤型デブリーフィング訓練方法
資料

デブリーフィング訓練：自分の体験
従来のデブリーフィング訓練訓練の実際
情報
収集
情報
分析
まとめ
• 多くの方々が、情報収集と分
析にほとんどの時間を費やす
• まとめに到達するのは希

【私見】見える振り返り
（構造化デブリーフィング）の特徴
• 手順に従って（効率的）
– GAS method、GREAT method
• 強みを活かす（魅力的）
– 長所・得意なことを抽出し、さらなる発展へ
– 短所・改善の余地を分析し、改善策模索
• 長所>>短所
• 次に活かすまとめで終わる（効果的）
Debriefing_Workshops @ Kawasaki Med. Univ. 8101 Dec 2018

デブリーフィング訓練：新提案
従来のデブリーフィング訓練新提案の逆順序訓練
まとめ
情報
解析
情報
収集
情報
収集
情報
分析
まとめ

はい
DeBゴールに到達
しましたか？
DeBゴール到達の練習
例１）ゴール到達を例示
いいえ
次の似た状況で、よりよい
実践が出来るには、何を
すれば良いか言う。
第２段階

はい
DeBは「強み」に
焦点を置いたか？
「強み」を分析する練習
例１）上手く出来たことを
抽出させる
いいえ
「何故上手くできたか」を
失敗よりも多い項目で、
分析している
第1段階
第3段階

はい
客観的データを
集めたか
「客観的データ」収集練習
例１）ビデオ記録
例2)思い出話を使わない
いいえ
「何が起こったか？」
ビデオやモニター数値を
情報収集している。
第1段階
第２段階
DeB３段階
練習

ゴール基盤型振り返り会話
（Goal Oriented Debriefing training method (GOD-tm))
GOD-tm 試行開始新提案の逆順序訓練
まとめ
情報
解析
情報
収集
• デブリーフィングのゴールに達
成が容易になりました。
• まとめにつながる情報の収集・
分析が容易になりました
GOD-tmデブリーフィング訓練
ご希望の方は、
お問い合わせを

振り返りやふり返り会話の資料
振り返り会話の練習会いかがですか？

学び方を学ぶ動画
資料

自分のペースで学べます
https://goo.gl/Au27sz https://goo.gl/W9QdaU

これから、どうする。

オンラインでお手伝いします

さらに、学びを深めたい方、
お手伝いします。
• 「チャットワーク」で学習支援開始
– チャット・メッセージで情報交換・質疑応答
– ファイル添付・共有可能
– カメラ会議も可能
• 手順
– オンライン会議室「チャットワーク」で無料アカウント
• http://www.chatwork.com/ja/price/
– アカウント作ったら、松本（ID:１８０４６２）へメールで
連絡を
• takahiro.matsumoto418@gmail.com

満足度アンケート

自分に役立つ内容だった
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教材（プレゼンテーション・投票など）が
効果的だった
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周りの知人に、この内容を知らせたい
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続けて、今日の内容を学びたい
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質問がある
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