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投機家ジョージ・ソロスと哲学
                                                                                                            思想哲学研究会




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哲学者 カール・ポパー著「推測と反駁」(はんばく)(                                                                      年、税込                                          頁)




                                                            1




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を読み始めるまでの経緯を説明 ← 鋭意読書中

カール・ポパー(     )オーストリア出身
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 キリスト教徒だったが元ユダヤ系
 ナチスドイツからの迫害を免れるためニュージーランドへ移住
  大学の先生となり「開かれた社会とその敵」を執筆。
 大戦後ロンドンにうつり教鞭をとる
 このロンドン時代の学生の一人がジョージ・ソロス   だった。



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ポパーの考えと影響を与えた人物(                                      より)




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        擬似科学と科学の間の境界の設定を科学哲学の
1
.




        中心課題として認識したこと
        反証可能性を基軸とする科学的方法を提唱したこと
2
.




        蓄積主義的でない科学観を提案したこと
3
.




        知識のあり方を進化論的に論じたこと
    4
.




        確率にまつわる新しい説を打ち出したこと
5
.




影響を与えた人(いずれも純粋な学者でなく投機家であることに注目)
●ジョージ・ソロス: 本発表の対象人物
●ナシム・ニコラス・タレブ?: 投機家、学者、「ブラック・スワン」の著者
 リーマンショック後に特に注目をあびる
 「私の趣味は、自らの認識能力を過信し『私は○○を知らない』と言う
  勇気がない人々をからかうことである」
  現在の事象を理解しているという幻想
        1
        .




  歴史的事象への遡及的歪み
        2
            .




  実際の情報の過大評価と、それに関連した知識人の過大評価
        3
            .




 ノーベル経済学賞の廃止を主張




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↑ ジョージ・ソロス


↑カール・ポパー




           ナシム・ニコラス・
           タレブ →




                               3
ジョージ・ソロスの生い立ち




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(参考にした文献:ジョージ・ソロス ―― 投資と慈善が世界を開く
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                                                                                                t




                                                                                                    t




                                                                                                            i




                                                                                                                                                j




                                                                                                                                                                                    i




                                                                                                                                                                                                            i




                                                                                                                                                                                                                        0




                                                                                                                                                                                                                                3




                                                                                                                                                                                                                                        1




                                                                                                                                                                                                                                                                    1




                                                                                                                                                                                                                                                                        6




                                                                                                                                                                                                                                                                                0




                                                                                                                                                                                                                                                                                    1




                                                                                                                                                                                                                                                                                            7




                                                                                                                                                                                                                                                                                                    6
                                                p




                                                                    w




                                                                            w




                                                                                        w




                                                                                                n




                                                                                                            c




                                                                                                                    c




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                                                                                                                                            r




                                                                                                                                                    p




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                                                                                                                                                                u




                                                                                                                                                                                    c




                                                                                                                                                                                            m




                                                                                                                                                                                                a




                                                                                                                                                                                                    g




                                                                                                                                                                                                            c




                                                                                                                                                                                                                                                    p




                                                                                                                                                                                                                                                                                                        p
                                                :




                                                                                                                                                                                                                                                                                -
                                                                                    .




                                                                                                                            .




                                                                                                                                        .




                                                                                                                                                                                                                                                                                                    .
                                                                                                                                                                                        _
                                            年 ハンガリーで生まれる。ユダヤ人。
    1




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                                            年 ナチスドイツがハンガリーを占領。ユダヤ人迫害から逃れるため、
    1




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                            4




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                                              ソロスの父は役人を買収し、ソロスをその役人の息子に仕立て
                                              身を隠させた。ソロスはこの時が一番幸せだったと回顧。
                                            年 イギリスへ渡る。
    1




            9




                            4




                                    7




                                            年 大学入学。ポパーの授業に感銘を受ける。
    1




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                            4




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                                            年 ニューヨークのウォール街へ雇われトレーダーになる。
    1




            9




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                                            年 独立。   年 クオンタムファンドを立ち上げる。
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                                                                                                                                3




                                              投資家ジムロジャースと組む     年まで 。
                                                                                                                                                                                                                (




                                                                                                                                                                                                                                                                            )
                                                                                                                                                                                                                    1




                                                                                                                                                                                                                            9




                                                                                                                                                                                                                                    8




                                                                                                                                                                                                                                            0
                                            年   年 阿部修平が日本株を担当)
(




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                                                                                8




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                                            年 英ポンドを空売りし 億ドル稼いだ。
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                                              「イングランド銀行を叩き潰した男」とよばれるようになる。




                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    4
ジョージ・ソロスの生い立ち




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   年 アジア通貨危機においても関与をうわさされた。
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「われわれは国づくりのために 年間働いてきた。そこに一人の人物がやっ




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                                0
てきて, か月ですべてを破壊してしまった.――ほんの数日間でジョージ・ソ
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ロスは,数十億ドルもの損失を与えた.損失回復には数年かかるであろう」.
(マレーシアのマハティール首相 当時 )




                                    [




                                                                        ]
 各中央銀行はソロス対応を本気で研究しているらしい。

現在のソロスの個人資産は1兆                                                  億円くらい。



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                年 書籍「ソロスは警告する 超バブル崩壊 悪夢のシナリオ」で
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                  リーマンショックを予言。再び注目をあびる。
                  ただし経済学者からは非難をあびる。
                  (本人はその規模まで当てられなかったから外れたと評した)
                  議会の証人としてよばれた時、哲学について語ったが
                  だれも理解できなかった。
                年 書籍「ソロスは警告する   恐慌へのカウントダウン」を出版
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ジョージ・ソロスの生い立ち




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投機家以外にも慈善事業家としての顔も持つ。   年、慈善事業を開始。




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金持ちになったから始めたという類のものではない
ポパーの思想哲学「開かれた社会」を実践したいという思い。

開かれた社会:「私たちに必要なのは批判的思考法であり,平和に共生する
ための機関と,意見や利害の異なる人々が共生できるようなルール,そして
きちんとした権力の譲渡を保証する民主政府,フィードバックをもたらし,誤り
が訂正される市場経済,さらにマイノリティの保護およびマイノリティの意見
の尊重」

特にロシアや東欧諸国の民主化を支援した(詳細不明)。
ロシアには5億ドルに及ぶ支援で、反レーニンの教科書などを配った。
現在,ソロスの慈善事業は,年間 億   万ドルにのぼり,世界 か国を網
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羅するネットワークで,約  人のスタッフが働いている.
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ジョージ・ソロスの基礎は哲学
慈善事業家としては「開かれた社会」
投機家としては「再帰性」
彼の思考の今回にはポパーの哲学が脈々と流れている。

彼は自分の哲学の実験場として市場での投機を選んだ、らしい。
自分の哲学の正しさを示すために、お金を増やしている、そうだ。

経済学や市場原理主義に批判的
 ⇒ 彼の哲学からするとこれらは根本的前提から間違っている
ノーベル経済学賞受賞者たちやジョージ・ブッシュ大統領 当時 への批判




                          [




                              ]
経済学や投資理論の研究者たちからは支持されていない
実際の市場で投資・投機を行っている実務家からの支持は多い
 ⇒ 投資・投機の世界でもっとも難解な本といわれているが、
   これまでの題材に比べればまったくたいしたことない




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土地のオークション

ソロスの哲学を説明するために土地のオークションを例に解説する
(彼が投機家として活動が長いのでものの売買が例にとられる)
私の私見も混ざっていることはご容赦願いたい

そして、古典的な経済学とソロスの考えを対比してみよう

参考文献
新版 ソロスの錬金術           (




                                                                 )
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ソロスは警告する 超バブル崩壊 悪夢のシナリオ




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  ほとんどがこの書の第1章と第3章
ソロスは警告する   恐慌へのカウントダウン




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         2




             0




                 0




                         9




                                                                         2




                                                                                 0




                                                                                         0




                                                                                                 9




                                                                                                                     8
効率的市場仮説の考え方                                                                            基本




                                                                        /




                                                                            2
                                                                    1




                                                                                -




                                                                                    -




                                                                                        -




                                                                                            -
                                       合理的な人

                                               万、買い




                                   8




                                           0
                                                万、売り




                                   1




                                       2




                                               0
                           万、買い
               1




                   2




                       0




合理的でない人
                                                                                        合理的な自分
適当な値段で売買
                                  土地                                                    外から観測している
                                                                                        実体価値を知っている
                             実体価値:                             万円

                                                   1




                                                       0




                                                           0
             万、売り
     8




         0




実体価値より安い値段で売る人(合理的でない人)がいれば買えばよい
実体価値より高そうな値段で買う人(合理的でない人)がいたら売りつければよい

合理的でない人は損するのでそのうちいなくなる。
参加者が増えれば増えるほど、実体価値付近でしか取引されなくなる。




                                                                                                     9
効率的市場仮説の考え方                                                             実体価値




                                                          /
                                                      2




                                                              2




                                                                  -




                                                                      -




                                                                          -




                                                                              -
            年           万円

                1




                    0




                                                                                  駐車場にすれば・・・
年 万円で車を                                                                           ふむふむなるほど・・
  1




      0




                               土地
                                                                                    年で回収できる




                                                                                  1




                                                                                      0
置かせてください
                             実体価値:               万円                                年で   回収できる




                                                                                  1




                                                                                              1




                                                                                                  0




                                                                                                          %
                                     1




                                         0




                                             0
                                                                                   ≒   の利回り




                                                                                          1




                                                                                              0




                                                                                                      %
                                                                                  妥当な利回り
実体価値は、その土地を使って実際に儲けられる金額の和
(厳密には割引現在価値の合計)

効率的市場仮説は今でもファイナンス学会で主流な考え方。
しかし経済学を学んでいない人ほど、違和感を感じる議論ではないだろうか?




                                                                                                              1




                                                                                                                  0
ソロスの考え                                 可謬性 かびゅうせい




                  /
                  3




                                                       (




                                                                )
              1




                      -




                          -




                              -




                                  -
                                                           フーコーが言った
    自分も世界の一部
                                                           <人間>の世界
    こんな壁は作れない




                                          10万って
10万って言うんだっ
              土地                          言ってみるか           分かるはずがない
たらしょうがない
                                                           可謬性
             実体価値:                                万円

                                      1




                                          0




                                              0
人間は世界を「完全」に理解することはできない。必ず間違いうる。(後述)
人間が人間社会を理解しようとすると、観測者である人間もまた観測対象であ
る人間社会の一部。不完全だが理解しようとする「認知機能」。
自分にとって都合がよいように社会を変える「操作機能」。
事象が参加者のバイアスのかかった信念や誤解に依存して決まってくるのだと
すると、現実とは移動し続ける標的のようなものとなってしまう。




                                                                      1




                                                                          1
ソロスの考え                                          再帰性




                                          /
                                      2




                                          3




                                              -




                                                  -




                                                      -




                                                          -
      認知機能     操作機能 取引価格                          操作機能                      認知機能

豊洲だからこんなもんで                           万円          買い上げ          豊洲はもっと発展する筈、




                      1




                          0




                                  0
    しょう                                             る               万くらいの筈




                                                                    1




                                                                        4




                                                                            0
 割高になったな・・・                           万円          もっと買う         思った通り値段が上がっ




                      1




                          2




                                  0
                                                                   たぞ⇒確信
もしかしたら私が間違っ    買ってみ                   万円                            予想通りだなぁ



                      1




                              4




                                  0
  ていたのかも・・       る
おお、やっぱり上がった                           万円          買ってみ          え?実はもっと高いの?
                      1




                                  0
                      5
 間違いない⇒確信                                           る
まだ買う人がいるんだ     ひたすら                   万円              ひたすら      豊洲なら  万の価値が
                      1




                          6




                                  0




                                                                                2




                                                                                    0




                                                                                        0
から  万まで行くかも     買う                                     買う         あるに違いない
  3




      0




          0




                                                                (駐車場代も上がってる)
再帰性により、実体価格などは吹っ飛んでしまう。
可謬性や再帰性を考えないとバブルと金融危機は永遠に繰り返してしまう。




                                                                                            1




                                                                                                2
もう少し俗っぽい説明




                           /
                           3
                       1
絵画のオークションでは実体価値など考えて売買されているのだろうか?
この絵画があれば○○円の入場料をとっても入場者数が△△人来るから、
実体価値は××円だ。
⇒ そんな馬鹿な!!というのも、
①それよりも高い値段で売りつける自信があるから買う
②高い値段がついたから良い絵に違いないと思い、見に行く人が増え、
  入場料が多く獲得できる。因果律の方向は不明。
最後は58億円で、安田火災海上が購入。現在、、損保ジャパン東郷青児美術
館(新宿)にて展示。




                                  1




                                      3
もう少し俗っぽい説明




                              /
                          2




                              3
絵画のオークション、ここに実体価値はあるだろうか?
絵画の売買と、土地や企業(株式)の売買は本質的な違いがあるのだろうか?




この辺は10万が相場だから、        隣は10万か・・・   月極め
10万って言うんだったらしょ        10万って       10万円
うがない                  言ってみるか
                 土地



ここに車を止められることに10万円の価値があるから10万円の値段をつけた
のか、10万年の値段が付いているから10万円の価値があるのか不明。




                                         1




                                             4
もう少し俗っぽい説明




                                                /
                                    3




                                                3
    企業買収においても、利益は実体の数値として存在するも、未来の利益は分か
    らないし、何年で回収すべきかは一意に決まらない。



 億で                                     8億で買いたかったけど、
1




    0




                                         億の値段をつけるもの




                                        1




                                            0
買いたい    会社        会社       会社
             A




                       X




                                B
                                        がいるから 億を提示す




                                                    1




                                                        2
                                        るか



    結局、絵画の似たような現象も起こってしまう。




                                                            1




                                                                5
第3回「人工知能学会ファイナンスにおける人工知能応用研究会」より

 ・ 株価はファンダメンタル(企業の実態価値)に直接影響を与えうる
   例)あやしいM&Aしまくり企業

               実態は薄いが       *割高:例えば、
               株価が割高         PER(時価総額/利益)が高い


              割高な株価で
              増資



      割高が正当化され
                        実態をもった企業を買収
      もとの割高に戻るよう
                        以前よりは割安になる
      株価が上昇


Sorosはこれらを今の科学では取り扱えない難解な問題だとして「錬金術」とよんだ
   ⇒ 絶対に科学的に検証出来るハズ!!




                                          1




                                              6
ソロスの考え                           二元論への批判




                  /
              3




                  3




                      -




                          -




                              -




                                  -
『私が「再帰性」を論じるうえで遭遇した困難のほとんどが、私が「再帰性」の存
在を認めない言語を使用して議論を組み立てざるを得なかったことから来てい
た。思考と現実とを切り離すことに多大な努力を払ってきた西洋の知的伝統に
真っ向から反抗する試みだったのだ。』・・・特に啓蒙主義。

啓蒙主義・・・操作機能が認知機能に干渉することのない、理想化された世界を
考察。知識の無限の獲得、世界の完全な理解が可能。

「豊穣な誤謬性」:誤った考えでありながら成果をきちんと生み出すもの。
         欠陥が見つかる前に建設的な結果を出せる。
「根本的な誤謬性」:人間は誤る運命にある。現実を理解すればするほど、
    理解しなければならないことが増えていく。動く標的のようなこの現実に
    直面して人は獲得した知識を適応不能な領域まで拡張し、現実の
    正しい解釈でさえも歪んだ現実認識のもととなる。
(しかし2ページ後に)根本的な誤謬性は真ではない。
   私は議論を先に進め過ぎたようだ。誤解は訂正されうるものである。




                                                1




                                                    7
私は確信した
              確信した
        効率的市場仮説の
        効率的市場仮説の死は近い
      もしかしたら、経済学そのものも
                そのものも・・・
      もしかしたら、経済学そのものも・・・
ソロスは認知言語学、認知科学の中に自分の考えを支持する考えを見つける。

これらは精神分析、構造論的な言語学に近い
  ・・・次のエピステーメー(フーコー)
経済学は社会学の一種
  ・・・危険な学問、<人間>が前提の今のエピステーメー(フーコー)

今の経済学はバブルと金融危機という悲劇の歴史的繰返しを止められない。
  経済学はバブルと金融危機という悲劇の歴史的繰返しを められない。
               という悲劇      しを止
金融は他産業を えるインフラ
金融は他産業を支えるインフラだ。水道のように安定させるべき?
          インフラだ 水道のように安定させるべき
                  のように安定させるべき?

次のエピステーメーによってでしか、解決できない。
  エピステーメーによってでしか 解決できない
         によってでしか、   できない。
<人間>、、、<合理的な投資家>、などいないのだ!
 人間>、、、<合理的な投資家>、などいないのだ!
   >、、、<合理的     >、などいないのだ




                                     1




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20100627 思想哲学研究会

  • 1. 投機家ジョージ・ソロスと哲学 思想哲学研究会 / / 2 0 1 0 6 2 7 水田孝信 哲学者 カール・ポパー著「推測と反駁」(はんばく)( 年、税込 頁) 1 9 8 0 ¥ 8 6 1 0 8 0 8 , を読み始めるまでの経緯を説明 ← 鋭意読書中 カール・ポパー( )オーストリア出身 1 9 0 2 1 9 9 4 - キリスト教徒だったが元ユダヤ系 ナチスドイツからの迫害を免れるためニュージーランドへ移住 大学の先生となり「開かれた社会とその敵」を執筆。 大戦後ロンドンにうつり教鞭をとる このロンドン時代の学生の一人がジョージ・ソロス だった。 ( ) 1 9 3 0 - 1
  • 2. ポパーの考えと影響を与えた人物( より) i k i d i w p e a 擬似科学と科学の間の境界の設定を科学哲学の 1 . 中心課題として認識したこと 反証可能性を基軸とする科学的方法を提唱したこと 2 . 蓄積主義的でない科学観を提案したこと 3 . 知識のあり方を進化論的に論じたこと 4 . 確率にまつわる新しい説を打ち出したこと 5 . 影響を与えた人(いずれも純粋な学者でなく投機家であることに注目) ●ジョージ・ソロス: 本発表の対象人物 ●ナシム・ニコラス・タレブ?: 投機家、学者、「ブラック・スワン」の著者 リーマンショック後に特に注目をあびる 「私の趣味は、自らの認識能力を過信し『私は○○を知らない』と言う 勇気がない人々をからかうことである」 現在の事象を理解しているという幻想 1 . 歴史的事象への遡及的歪み 2 . 実際の情報の過大評価と、それに関連した知識人の過大評価 3 . ノーベル経済学賞の廃止を主張 2
  • 3. ↑ ジョージ・ソロス ↑カール・ポパー ナシム・ニコラス・ タレブ → 3
  • 4. ジョージ・ソロスの生い立ち / 3 1 (参考にした文献:ジョージ・ソロス ―― 投資と慈善が世界を開く ) h / / / b / / / d f / d f t t t t i j i i 0 3 1 1 6 0 1 7 6 p w w w n c c o r p p u c m a g c p p : - . . . . _ 年 ハンガリーで生まれる。ユダヤ人。 1 9 3 0 年 ナチスドイツがハンガリーを占領。ユダヤ人迫害から逃れるため、 1 9 4 4 ソロスの父は役人を買収し、ソロスをその役人の息子に仕立て 身を隠させた。ソロスはこの時が一番幸せだったと回顧。 年 イギリスへ渡る。 1 9 4 7 年 大学入学。ポパーの授業に感銘を受ける。 1 9 4 9 年 ニューヨークのウォール街へ雇われトレーダーになる。 1 9 5 6 年 独立。 年 クオンタムファンドを立ち上げる。 1 9 6 9 1 9 7 3 投資家ジムロジャースと組む 年まで 。 ( ) 1 9 8 0 年 年 阿部修平が日本株を担当) ( 1 9 8 6 1 9 8 9 - 年 英ポンドを空売りし 億ドル稼いだ。 1 9 9 2 2 0 「イングランド銀行を叩き潰した男」とよばれるようになる。 4
  • 5. ジョージ・ソロスの生い立ち / 2 3 1 年 アジア通貨危機においても関与をうわさされた。 9 9 7 「われわれは国づくりのために 年間働いてきた。そこに一人の人物がやっ 4 0 てきて, か月ですべてを破壊してしまった.――ほんの数日間でジョージ・ソ 1 ロスは,数十億ドルもの損失を与えた.損失回復には数年かかるであろう」. (マレーシアのマハティール首相 当時 ) [ ] 各中央銀行はソロス対応を本気で研究しているらしい。 現在のソロスの個人資産は1兆 億円くらい。 3 0 0 0 年 書籍「ソロスは警告する 超バブル崩壊 悪夢のシナリオ」で 2 0 0 8 = リーマンショックを予言。再び注目をあびる。 ただし経済学者からは非難をあびる。 (本人はその規模まで当てられなかったから外れたと評した) 議会の証人としてよばれた時、哲学について語ったが だれも理解できなかった。 年 書籍「ソロスは警告する 恐慌へのカウントダウン」を出版 2 0 0 9 2 0 0 9 5
  • 6. ジョージ・ソロスの生い立ち / 3 3 投機家以外にも慈善事業家としての顔も持つ。 年、慈善事業を開始。 1 9 7 9 金持ちになったから始めたという類のものではない ポパーの思想哲学「開かれた社会」を実践したいという思い。 開かれた社会:「私たちに必要なのは批判的思考法であり,平和に共生する ための機関と,意見や利害の異なる人々が共生できるようなルール,そして きちんとした権力の譲渡を保証する民主政府,フィードバックをもたらし,誤り が訂正される市場経済,さらにマイノリティの保護およびマイノリティの意見 の尊重」 特にロシアや東欧諸国の民主化を支援した(詳細不明)。 ロシアには5億ドルに及ぶ支援で、反レーニンの教科書などを配った。 現在,ソロスの慈善事業は,年間 億 万ドルにのぼり,世界 か国を網 3 5 0 0 0 4 0 羅するネットワークで,約 人のスタッフが働いている. 1 3 0 0 6
  • 7. ジョージ・ソロスの基礎は哲学 慈善事業家としては「開かれた社会」 投機家としては「再帰性」 彼の思考の今回にはポパーの哲学が脈々と流れている。 彼は自分の哲学の実験場として市場での投機を選んだ、らしい。 自分の哲学の正しさを示すために、お金を増やしている、そうだ。 経済学や市場原理主義に批判的 ⇒ 彼の哲学からするとこれらは根本的前提から間違っている ノーベル経済学賞受賞者たちやジョージ・ブッシュ大統領 当時 への批判 [ ] 経済学や投資理論の研究者たちからは支持されていない 実際の市場で投資・投機を行っている実務家からの支持は多い ⇒ 投資・投機の世界でもっとも難解な本といわれているが、 これまでの題材に比べればまったくたいしたことない 7
  • 9. 効率的市場仮説の考え方 基本 / 2 1 - - - - 合理的な人 万、買い 8 0 万、売り 1 2 0 万、買い 1 2 0 合理的でない人 合理的な自分 適当な値段で売買 土地 外から観測している 実体価値を知っている 実体価値: 万円 1 0 0 万、売り 8 0 実体価値より安い値段で売る人(合理的でない人)がいれば買えばよい 実体価値より高そうな値段で買う人(合理的でない人)がいたら売りつければよい 合理的でない人は損するのでそのうちいなくなる。 参加者が増えれば増えるほど、実体価値付近でしか取引されなくなる。 9
  • 10. 効率的市場仮説の考え方 実体価値 / 2 2 - - - - 年 万円 1 0 駐車場にすれば・・・ 年 万円で車を ふむふむなるほど・・ 1 0 土地 年で回収できる 1 0 置かせてください 実体価値: 万円 年で 回収できる 1 1 0 % 1 0 0 ≒ の利回り 1 0 % 妥当な利回り 実体価値は、その土地を使って実際に儲けられる金額の和 (厳密には割引現在価値の合計) 効率的市場仮説は今でもファイナンス学会で主流な考え方。 しかし経済学を学んでいない人ほど、違和感を感じる議論ではないだろうか? 1 0
  • 11. ソロスの考え 可謬性 かびゅうせい / 3 ( ) 1 - - - - フーコーが言った 自分も世界の一部 <人間>の世界 こんな壁は作れない 10万って 10万って言うんだっ 土地 言ってみるか 分かるはずがない たらしょうがない 可謬性 実体価値: 万円 1 0 0 人間は世界を「完全」に理解することはできない。必ず間違いうる。(後述) 人間が人間社会を理解しようとすると、観測者である人間もまた観測対象であ る人間社会の一部。不完全だが理解しようとする「認知機能」。 自分にとって都合がよいように社会を変える「操作機能」。 事象が参加者のバイアスのかかった信念や誤解に依存して決まってくるのだと すると、現実とは移動し続ける標的のようなものとなってしまう。 1 1
  • 12. ソロスの考え 再帰性 / 2 3 - - - - 認知機能 操作機能 取引価格 操作機能 認知機能 豊洲だからこんなもんで 万円 買い上げ 豊洲はもっと発展する筈、 1 0 0 しょう る 万くらいの筈 1 4 0 割高になったな・・・ 万円 もっと買う 思った通り値段が上がっ 1 2 0 たぞ⇒確信 もしかしたら私が間違っ 買ってみ 万円 予想通りだなぁ 1 4 0 ていたのかも・・ る おお、やっぱり上がった 万円 買ってみ え?実はもっと高いの? 1 0 5 間違いない⇒確信 る まだ買う人がいるんだ ひたすら 万円 ひたすら 豊洲なら 万の価値が 1 6 0 2 0 0 から 万まで行くかも 買う 買う あるに違いない 3 0 0 (駐車場代も上がってる) 再帰性により、実体価格などは吹っ飛んでしまう。 可謬性や再帰性を考えないとバブルと金融危機は永遠に繰り返してしまう。 1 2
  • 13. もう少し俗っぽい説明 / 3 1 絵画のオークションでは実体価値など考えて売買されているのだろうか? この絵画があれば○○円の入場料をとっても入場者数が△△人来るから、 実体価値は××円だ。 ⇒ そんな馬鹿な!!というのも、 ①それよりも高い値段で売りつける自信があるから買う ②高い値段がついたから良い絵に違いないと思い、見に行く人が増え、 入場料が多く獲得できる。因果律の方向は不明。 最後は58億円で、安田火災海上が購入。現在、、損保ジャパン東郷青児美術 館(新宿)にて展示。 1 3
  • 14. もう少し俗っぽい説明 / 2 3 絵画のオークション、ここに実体価値はあるだろうか? 絵画の売買と、土地や企業(株式)の売買は本質的な違いがあるのだろうか? この辺は10万が相場だから、 隣は10万か・・・ 月極め 10万って言うんだったらしょ 10万って 10万円 うがない 言ってみるか 土地 ここに車を止められることに10万円の価値があるから10万円の値段をつけた のか、10万年の値段が付いているから10万円の価値があるのか不明。 1 4
  • 15. もう少し俗っぽい説明 / 3 3 企業買収においても、利益は実体の数値として存在するも、未来の利益は分か らないし、何年で回収すべきかは一意に決まらない。 億で 8億で買いたかったけど、 1 0 億の値段をつけるもの 1 0 買いたい 会社 会社 会社 A X B がいるから 億を提示す 1 2 るか 結局、絵画の似たような現象も起こってしまう。 1 5
  • 16. 第3回「人工知能学会ファイナンスにおける人工知能応用研究会」より ・ 株価はファンダメンタル(企業の実態価値)に直接影響を与えうる 例)あやしいM&Aしまくり企業 実態は薄いが *割高:例えば、 株価が割高 PER(時価総額/利益)が高い 割高な株価で 増資 割高が正当化され 実態をもった企業を買収 もとの割高に戻るよう 以前よりは割安になる 株価が上昇 Sorosはこれらを今の科学では取り扱えない難解な問題だとして「錬金術」とよんだ ⇒ 絶対に科学的に検証出来るハズ!! 1 6
  • 17. ソロスの考え 二元論への批判 / 3 3 - - - - 『私が「再帰性」を論じるうえで遭遇した困難のほとんどが、私が「再帰性」の存 在を認めない言語を使用して議論を組み立てざるを得なかったことから来てい た。思考と現実とを切り離すことに多大な努力を払ってきた西洋の知的伝統に 真っ向から反抗する試みだったのだ。』・・・特に啓蒙主義。 啓蒙主義・・・操作機能が認知機能に干渉することのない、理想化された世界を 考察。知識の無限の獲得、世界の完全な理解が可能。 「豊穣な誤謬性」:誤った考えでありながら成果をきちんと生み出すもの。 欠陥が見つかる前に建設的な結果を出せる。 「根本的な誤謬性」:人間は誤る運命にある。現実を理解すればするほど、 理解しなければならないことが増えていく。動く標的のようなこの現実に 直面して人は獲得した知識を適応不能な領域まで拡張し、現実の 正しい解釈でさえも歪んだ現実認識のもととなる。 (しかし2ページ後に)根本的な誤謬性は真ではない。 私は議論を先に進め過ぎたようだ。誤解は訂正されうるものである。 1 7
  • 18. 私は確信した 確信した 効率的市場仮説の 効率的市場仮説の死は近い もしかしたら、経済学そのものも そのものも・・・ もしかしたら、経済学そのものも・・・ ソロスは認知言語学、認知科学の中に自分の考えを支持する考えを見つける。 これらは精神分析、構造論的な言語学に近い ・・・次のエピステーメー(フーコー) 経済学は社会学の一種 ・・・危険な学問、<人間>が前提の今のエピステーメー(フーコー) 今の経済学はバブルと金融危機という悲劇の歴史的繰返しを止められない。 経済学はバブルと金融危機という悲劇の歴史的繰返しを められない。 という悲劇 しを止 金融は他産業を えるインフラ 金融は他産業を支えるインフラだ。水道のように安定させるべき? インフラだ 水道のように安定させるべき のように安定させるべき? 次のエピステーメーによってでしか、解決できない。 エピステーメーによってでしか 解決できない によってでしか、 できない。 <人間>、、、<合理的な投資家>、などいないのだ! 人間>、、、<合理的な投資家>、などいないのだ! >、、、<合理的 >、などいないのだ 1 8