バスネットの今後の開発方針について，2011年6月4日に鳥取大学で行われた「鳥取発！地域交通の新しい姿：公共交通利用促進に向けた情報技術の利用に関するセミナー」で発表しました．

1. バスネットのこれから：利用者に近付くバスネット，利用者から学ぶバスネット 鳥取大学 伊藤昌毅 masaki@ike.tottori-u.ac.jp

2. バスネットのこれからの進化 バスネット＝公共交通への入り口 バスネットでバスを知る，バスネットでバスを探す，バスネットでバスにたどり着く よりユーザの身近で使えるバスネットへ ->スマートフォンの普及に合わせてより高機能なバスネットを ユーザの振る舞いを学び進化するバスネットへ ->バスネットのログを解析しフィードバックに繋げる

3. 携帯電話からのバスネットの現在 携帯電話からバスネットへのアクセスが可能に 各バス停にバスネットへ アクセスするQRコードを 設置

4. 増加する携帯電話からの利用者 利用者数・利用者中の割合とも増加中

5. ケータイの進化 電話から万能コンピュータへ パソコン並みの機能や性能がポケットの中に 2011年・スマートフォンが当たり前のケータイへ DoCoMo：夏モデル24機種中9機種 au：夏モデル15機種中6機種 私たちは，いつもどこでも，万能コンピュータを持ち歩いている！

6. iPhone向け「バスネット」開発中 使いやすいタッチスクリーンでバスネットを操作

7. 手に馴染む使いやすさ 多彩で直感的な出発地，目的地設定 現在位置から，履歴や登録地点から，地図 見やすい探索結果画面 バス乗車中にもすぐに確認 少ない操作回数で使えるインタフェース タッチ回数を厳しく数えながらインタフェース設計 AppStoreにて公開予定！

8. 乗車前から目的地までの完全支援 状況に合わせて安心をもたらす情報提供 遅れてるけど 乗換に間に合う？ どこからどのバスに乗ればいい？ 目的地への道は？ いつになったら来るの？ このバスでよかったのかな？ どこで降りたらいい？ バス停はどこ？ ほんとうにここでいい？ 寝過ごさないかな？ 料金はいくら？ バス乗車 バス乗車 乗換 バス待ち バス停へ移動 目的地へ移動 計画 バス移動 バスネット

9. ARを利用した「バスネット」

10. Augmented Reality: 拡張現実 現実空間の映像に情報を重ね，より詳しい情報を得られる仕組み アニメ，映画ではお馴染み スマートフォンを使うことで一気に実用化に 広告，観光情報などへの利用 高山市におけるセカイカメラ 鳥取AiRMap 鳥取AiRMap セカイカメラ

11. バス停を探している時に バス停の位置（方向や距離）が，直感的にわかる バス停への道順を示す地図が表示される 「上り」「下り」の違いを教えてくれる 同じ名前のバス停が複数あっても迷わない 周りのバス停を見渡しながら，近いバス停を探せる

12. バスに乗っている時に 前を向ければ，バスの進路や次のバス停 正しいバスに乗っているのか，直感的に把握出来る 横を向ければ，周りの商店や観光地情報 降りるバス停が近付けば，知らせるとともに乗換バス停への道を案内 ずっとそばで案内して くれる安心感

13. どうやってバスを知り，乗ろうと思う？ バスを知り，バスに乗りたくなる「バスネット」 評判を伝えたくなるバスネット 便利だった！ みんなも乗ろう！ 近所のバス停？ 知らないよ． 車があるし，バスに乗らなくても． 乗りたくてもなかなか来ないし． Interest Attention Desire Action 計画 バス移動 共有 欲求 関心 気付き Share バスネット ＊マーケティングにおける，AIDMA，AISASの考え方を元に作成

14. ウィジェット（待ち受け）にバスネットを 検索されるのを待つだけでなく，バスネットが利用者に働きかける バス停が近付くと震える そのバス停の路線や時刻表の表示 画面を見ると，検索していないのに待ち時間が出てくる いつでも，家に帰るためのバス情報が出てくる Androidのウィジェット機能を利用し新しいバスとの出会い方を実現

15. 鳥取駅を降り立ち，県庁方面に歩き始めると… 「バス停の場所はわからないし，どちら方面に乗っていいかわからないから，歩いていこう」 目の前に「本通り」バス停が見える，と同時にスマートフォンが震える 「あと5分でバスが来るのか！」 ->クリック 「県庁前も通るのならば，乗ってゆこう」 バスとの出会い方をスマートフォンで変える

16. 2012年，最先端のバス体験は鳥取で 2011年4月：スマートフォンの割合が50%越え ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン発表，2011年4月7日 2012年4月： 鳥取県の中，高，大学生の「バスネット」使用率が50％越え 友達に勧められて使う「バスネット」 かっこいいから使うバス

17. バスネットの謎を宝の山に バスネットの謎 バスネットをどうやって知った？ 誰が，いつ，どこで，何のために使っている？ どこにいる人が，どこからどこの路線を検索する？ 一度使った人はまた使ってくれる？ ->利用者の実態はわかっていない バスネットのログ解析プロジェクト始動 バスネットのアクセス記録を分析，視覚化，活用

18. バスネットのログ情報 データ バス事業者 バスネット より使いやすい バスネットへ！ より使いやすい バスサービスを！ 利用情報 現在のログ 日時，検索条件（出発，到着バス停，時刻など），デバイス（携帯かパソコンかなど） 今後の可能性 どこで知ったか？何度目か？ どこで検索しているか？ より細かい操作履歴 運行情報 利用情報 利用者

19. 開発者にとって 足りない機能や使われない機能に気付く 間違って押されるボタン，あるのに押されないボタン ありがちな入力ミス 利用者からのフィードバックを得て改良する 新しい機能を評価，検証し改良する環境を得る

20. 専門家にとって 公共交通利用者の実態を把握し，分析する基礎データ どのような需要があるのか？ どういう時，場所で探されるのか？ どのようなパターンが見られるか？ バスを探した人はほんとうに乗るのか？ 15分待ちなら？2時間待ちなら？ バス事業者，自治体，研究者が活用出来るデータ

21. ユーザにとって 他の人の振る舞いを視覚的に分かりやすく表示 どこが検索されている？ ->面白い場所，イベントに気付く可能性 どことどこを一緒に検索する？ 店や観光地の推薦も可能に 移動したいという欲求に

22. まとめ スマートフォンによってバスネットを進化 使いやすさの徹底追求 ARで，乗車前から乗車中，目的地までの完全支援 バスネットからバス利用を働きかけ，バスとの出会いを実現 バスネットログの活用 バスネットの利用状況を開発者，事業者，利用者らにフィードバック よりよいサービス実現のための基盤情報に