2013( 平 25)年 9 月 、東 京 都 台 東 区 谷 中 で 北 側 に 窓 を 持 つ 5 連 の 鋸 屋 根 工 場 が 解 体
さ れ た 。 解 体 時 は 印 刷 会 社 が 使 っ て い た が 、 1894( 明 27) 年 、 ま た は 1910( 明 43)
年から、リボン工場として紳士用の帽子や女性のドレスにあしらう絹のリボンを製造
していた。町のランドマークであった鋸屋根工場の解体を惜しむ声に推されて、谷中
のこ屋根会が結成され、建物の一部を譲り受けて、現在は澁澤倉庫のご厚意で保管、
地元での活用を模索中である。
工 場 脇 に あ っ た 小 屋 の 古 い 書 棚 か ら は 、洋 書 を 中 心 と し た 1900 年 前 後 の 繊 維 産 業 関
係の文献資料が多数発見された。今回は、この文献の全体像を把握するために作成し
た文献目録の概要について報告する。