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業務系SEの今後について
    消費税増税と年金問題が与える影響




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                                                                         株式会社ノーチラス・テクノロジーズ
                                                                                         http://www.nautilus-technologies.com/
                                                                                       mailto:contact@nautilus-technologies.com
                                                                                         Tel: 03-6712-0636 Fax: 03-6712-0664


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自己紹介
            okachimachiorz
              –   省略



            キャリアの中で共通点として


              –   「今後ふくらむ人件費どうします?」にいつも直面していた。

              –   「働いている人たちのキャリアパスってどう思っています?」とか、考
                  えないといけない立場の連続だった。




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さて現在の社会状況〜マクロ
            年寄りが増える
            –   圧倒的に一人当たりの生産価値が減少する
                 体力が減れば、生産できる価値はどうしても減る
                 補うだけの勉強を「常に」にしていれば別だが、少数派



            社会的コストの増大
            –   社会インフラの維持コストの問題
                 公共事業で景気維持というスタイルの後遺症
                 ランニングコストまで考えてないので、結果の辻褄があってない


            –   全体のパイの縮小均衡
                 人口減
                 売上の減少->よって利益フォーカスの操業
                 コスト削減の圧力




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さて現在の社会状況~個人(特に20-30代)
            年金問題
            – もはやスキームとして成立しない
            – 払っても戻ってこない
            – 後だしじゃんけんで何が悪いという居直りのおじさん軍団
                 「俺たちの世代が一番ワリを食ったという意識」は強い
                 被害者意識層は遠慮しません


            消費税の増額
            – 5% -> 8% -> 10%
            – どんどん逝きます。直接税が減額されないので、実施所得減少


            要するに実質所得は(体感的に)減少する
            – 都内で一家を構えて、嫁さん+子供と食わすには
            – 額面年収1000万+貯蓄5000万はないと厳しい




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んで、SIの現状をマクロから
            産業別人口 ~最近話題のIPAの調査結果 (これはIT全般の資料)
             –   http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/docs/global-report_01.pdf
                      (このp21の「2)IT人材の動向:IT サービス企業、及びユーザー企業内のIT
                       関連業務就労者数」を参考)
             –   ITサービス技術者数だけであれば、日本はほぼ米国と同等


            そして、お給料様の現状ですよ・・
                (おなじくこのp23「2)IT人材の動向:IT技術者給与比較」を参考)

             –   平均給与はほぼ米国の半分。アイルランド・デンマーク・フィンランド
                 以下


            (一部で購買力平価の考えが足りないという指摘等もあったので、
            ま、それはそうだなとも思います、全文みた上で、各自判断してく
            ださい。)



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つまりどういう事かというと・・・
            日本のIT業界は
            – 例えば、米国に比べて
            – または他の国々と比べても


            まず「人が多過ぎる」


            つぎに「給料が安い」




                 人が多すぎて、
                  給料が安い
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というわけで、ここで良く言われる格言
            「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍以上の
           開きがある、ということが良くある」
            – 割と現実に見ることが多い。
            – 例)
                   3人x 3ヶ月で出来たSQLバッチ->激遅い
                     –   そもそも実際の環境で走らせていないとか
                     –   コードが酷いとか
                   ベテランが一週間で書き直して、普通に動く


            ということで、よく言われること



            「できるやつの給料をあげなさい」
            –   でないと携帯ゲーム屋にいっちゃうよ、という流れ


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本当にそうなのか?
            まず、「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍
           以上の開きがある、ということが良くある」ということ

            IT業界で結構言われる


            他の業界で言われることは、実は少ない
            –   あっても3倍というケースが多い
                   極めて例外的に10倍ということはある


            –   普通はそんなに一人当たりの出力がズレたら商売にならない
            –   「同じ労働集約的な産業においても、10倍も変わるということが日常茶
                飯事である」ということはない


            「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍以上の
           開きがある、ということが良くある」ということがあること自体
           が、まず異常だと思うべき。
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なぜ10 倍の生産性がでるのか?
            能力が高いほど生産性があがる
            – これは事実としてある
            – できる人の設計・コードは、別格であり追随を許さないということはあ
              る


            他方、そもそもばらつきが酷くないか?
            – 参入障壁がない
            – 受託が、人数で数合わせをしているビジネスモデル
                   できなくても、チームに無理矢理組み込む


            優秀な人の生産性が高い、というよりも低い人が多すぎるのではな
           いか?
            – 設計とかコードとか普通におかしいだろということが、ままある
            – 普通に5秒で気づくことに気がつかない




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そこで、経営層は普通どう考えるか?
    「できるやつの給料をあげる前に、できないヤツの給料を下げる(または
      上げない。または首を切る)」

    んでコイツは建前で、実態は・・・・
           – 「できないヤツの給料を上げないついでに、できるやつの給料も適当に据え置
             く」
           – 現実問題として、人員が多い組織では人件費を上げるということは至難の業
           – モチベーションは給与では上がらない、むしろ落ちる
                他人が給料あがったことのマイナスは、自分の給料があがったことでは補えない
                つまりあげるなら、一斉に上げるということが必要
                そんなことやると即死する会社が多い



    つまり「人が多く、給料が安い」+「能力のばらつきがヒドイ」=                                                              まず
      当面の対策としては、人件費の据え置きに走る→恒久化する



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そこで、ITのあり方について
            SI自体が成り立たないという現実
            – 「人が多すぎて、給与が安い」
            – しかし、人力での大規模SIに頼る現実


            – 若年層人口の減少
            – 社会的なコストの増大
            – 一般に労働集約的産業の行き詰まり


            かつ、前述の「特に人件費の扱い」を考えると、一人当たりの賃金
           が上がる要素はゼロに近い。

            – 特に大規模SIを商売にしているところは、そうなってしまう
            – これは経営層の資質という問題ではない
            – そうせざる得ないという現実もある




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SIの現実
            SI屋
             –   単純な売上増を安易なSIで稼ごうとする経営スタイル
                      一度こちらに振ると脱却が難しい
             –   特に上場会社で右肩成長圧力があるところに顕著

            ユーザー層
             –   ITのリソースを外部から調達すればよいというユーザー層の考え方
                      人は外からとればよい、という考え方
             –   特にITは本業ではない、と公言するユーザー様に顕著

            この「需要と供給」というパーフェクトな図式のなかで成立してきた
            SI事業は当然の背景として、明確な「市場としてのビジョン」は皆
            無。

             – 需要者と供給者で、市場を維持しようというモチベーションが薄い
             – IT業界特有の問題
             – 結果として成立しているだけ
             – 要するに「なくなるときは、簡単になくなる」という言っています。
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業務系SEの現実
            認識すべき背景
            – SIがマーケットとして非常に厳しい
            – 企業環境として給与は上がり辛い
            – 年金・消費税で実質所得は間違いなく下がる


            なので、どうすべきか?という問題を真剣に考えるべきである。
            –   考えるべきこと
                 マーケットがどう変化するか?
                 変化するマーケットにどう自分自身をビッドするのか?
                 賭けるチップ(自分の能力)は手元にあるか?


            –   この辺を間違えて、ビッドすると大負けする
                  例)安易なゲーム会社への転職とか




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マーケットがどう変化するのか?
            まずSIビジネスが縮小していく
            – 縮小とゼロになる、ということは違う
            – ゼロにはならない
            – 縮小して、どうバランスさせるのか?という問題


            中規模・小規模SIの増加
            –   投資余力の減少から規模の縮小が始まる


            SI自体の数の減少
            –   先送り案件が増える
            –   投資自体がシュリンクする
            –   運用や追加補修の増加




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変化するマーケットにどうビッドするのか?
            少ない人員で回せる仕組みが必要になる
            –   とはいえ、5人とか10人とかそういった話ではない
            –   100人月→70人月
            –   50人月→20人月
            –   こういったサイズの縮小が増える
            –   「アジャイルには大きすぎる」


            ある程度マルチでできることが必要になる
            – 能力のある人間が1.5役ぐらいをやっていく感じになる
            – 単一能力ではなく、複数の領域でのノウハウが必要


            業務系のニッチな仕事はむしろ増える
            – SI屋を抜きに直接発注が来ることも増える
            – 間違って拡大するとすぐに死ぬ



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手持ちのチップは十分か?
            手持ちの武器は何が必要か?
            – 「カードは多ければ多いほどよい」
            – 最強のカードは、複数の「最強−1」のカードには勝てない
            – 最強のカードになるには かなりコストはかかるが、最強-1であれば実は
              真面目にやればいけてしまう。


            スーパースターになる必要はない
            –   設計
            –   アーキテクチャ
            –   アプリ
            –   インフラ
            –   運用
            –   基礎技術
            –   業務系ノウハウ
            –   「どこか複数の領域で、ほぼ万全(完全ではない)な状態」が望ましい

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エンジニアとしてのキャリア・パス
            単一の道で最強をめざす
            – おすすめしない
            – 日本で最強はない
                   日本で最強だと、ガラパゴスな感じで勢力争いになる


            複数の道で最強-1をめざす
            – おすすめする
            – 90点を100点にするのではなく、 30点を90点にする
            – 「50点では妥協しないが、100点は目指さない」


            それ以外
            – 「別の業界への転職をお勧めします」
            – おすすめは・・・
                   考えたけど特に思い浮かばない感じ



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経験知として
            そもそもITの流れを理解しておくこと
            –   歴史は繰り返している
                   汎用機→オープン化→クラウド


            –   その都度車輪の作り直しになっている
                   特にミドル系


            –   車輪の作り方を知っておく必要はある
                   実際に作るべきかどうか?というときには必ず再考すること


            –   「流行に飲まれるな」
                 HTML5、Hadoop、関数型
                 一回退いた上で、自分なりに咀嚼してから「目的をもって」取り組むこと




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何もしないとどうなるか
            まず実質所得は下がる
            – これは決定的
            – しかも、あと5年後に確定


            SIビジネスは縮小する
            – 予算がないので、スケジュールが短縮され、デスマが増える
            – 「政治ができない」順に仕事がなくなる
                   技術とは関係ない


            つまりモチベーションとか、生きがいとか、そういった精神的な充
           実の以前に、そもそも食べていくことが辛くなる
            – 正直、消費税は想像以上にきついですよ。
            – 税金には消費税はかからないので、手取りがさっくり減る計算に近い




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いままで何が違うのか?
            座っていても大丈夫という時代が「本当に」なくなりつつある
            –   大企業でも倒産や合併という憂き目にあう


            SNS等のつながりで、情報の流れが速い
            – 選択肢の幅が広がる
            – また逆に、競争が激しくなる


            企業の壁が薄くなる
            – 個人を守ってくれない
            – 自力救済


            「勉強するモチベーション」と「自分の能力をどう評価するのか」
           ということが、非常に重要になる



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つまり
           夢も希望もない
             わけよ。
           自分で作らない
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何をカードにしておくか
            設計
            アーキテクチャ
            アプリ
            インフラ
            運用
            基礎技術
            業務系ノウハウ




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何をカードにしておくか
            設計
             –   「普通の設計」ができるようにしておく
                   特定の要素技術に依存しない
                   画面設計・データモデル設計・フロー設計・・・



             –   例外処理を拾えること
                   やり過ぎると死ぬ
                   やらなくても死ぬ
                   程度を押さえる


             –   設計時点でパフォーマンスボトルネックを想定する
                     どこが詰まるのか、想定しておく


             –   「適度に行う」という適度感を身につける




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何をカードにしておくか
            アーキテクチャ
            –   すべての基本はIO
                 各物理階層をちゃんと理解する
                 限界を理解する
                 パフォーマンスはアーキテクチャで決定される


            –   障害設計から考える
                   トラブル中心で考える


            –   「何が何をするのか」がわかるようにしておく
                 過度に複雑なってはいけない
                 「フレームワークの役割」の理解




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何をカードにしておくか
            アプリ
            –   基本はプロジェクトマネージメント
                 普通にWFができること
                 WBS・課題管理・・・・


            –   要素技術の共通点を押さえる
                 制御構文
                 ライブラリーのあり方


            –   書きすぎないこと
                 「作らない技術」を持つこと
                 少ない人数でどうするのか?
                 手をどう放すか、ということも常に意識すること




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何をカードにしておくか
            インフラ
            –   とにかく情報収集
                 ただし、枝葉末節にこだわらない
                 仕様は変わる
                 マニュアルも変わる


            –   ネットワークの基礎技術は押さえること
                 物理階層
                 プロトコル
                 設計
                 障害
                 パフォーマンス
                 上には上がいるが、最低限というものはある。


            –   ハードはいろんなものが出てくるが、最後はIO
                 パフォーマンス
                 障害

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何をカードにしておくか
            運用(継続開発)
            –   設計が命
                 運用設計は絶対一度は経験すること
                 今まで「見えなかったもの」が見える


            –   継続的なインテグレーションのマスター
                 システムは使われてなんぼ
                 生きているシステムは、変更される~どんどん変わる
                 割と常識になっているので、マスターすること


            –   コスト意識をもつこと
                   運用コストは馬鹿にならない




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何をカードにしておくか
            基礎技術
            –   以下の基礎は「絶対にマスター」しておくこと

            –   「計算」についての基本知識
                 計算量
                 確率統計
                    –   高校生~大学学部程度で十分
                   計算とはなにか


            –   「品質」についての基本知識
                 品質は作り込むもの
                 手法は様々だが、完璧なものはない


            –   「論文が読めるようになっておくこと」
                 我々は巨人に肩に乗るべき
                 TX・分散・並列・・・・



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何をカードにしておくか
            業務系ノウハウ
            –   1.「考える」
                  なぜ、こういう仕組みになっているのか?
                  書籍を読む・基礎知識を積む
                     –   例)会計処理 → 一応簿記ぐらい知っとく
                     –   例)最適化 → ORぐらい知っとく


            –   2.「聞く」
                  なぜなのか?聞いて聞いて聞きまくる
                  いやがられるけど、めげない


            –   3.「応用する」
                  大事なのは、個々の仕様ではない
                  「考え方」を学ぶこと
                  「考え方」を常識にとらわれずに転用すること
                     –   転用することで、オリジナルへの理解が深まる



                              Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved.
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  • 1. 業務系SEの今後について 消費税増税と年金問題が与える影響 2012// 株式会社ノーチラス・テクノロジーズ http://www.nautilus-technologies.com/ mailto:contact@nautilus-technologies.com Tel: 03-6712-0636 Fax: 03-6712-0664 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential
  • 2. 自己紹介  okachimachiorz – 省略  キャリアの中で共通点として – 「今後ふくらむ人件費どうします?」にいつも直面していた。 – 「働いている人たちのキャリアパスってどう思っています?」とか、考 えないといけない立場の連続だった。 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 1
  • 3. さて現在の社会状況〜マクロ  年寄りが増える – 圧倒的に一人当たりの生産価値が減少する  体力が減れば、生産できる価値はどうしても減る  補うだけの勉強を「常に」にしていれば別だが、少数派  社会的コストの増大 – 社会インフラの維持コストの問題  公共事業で景気維持というスタイルの後遺症  ランニングコストまで考えてないので、結果の辻褄があってない – 全体のパイの縮小均衡  人口減  売上の減少->よって利益フォーカスの操業  コスト削減の圧力 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 2
  • 4. さて現在の社会状況~個人(特に20-30代)  年金問題 – もはやスキームとして成立しない – 払っても戻ってこない – 後だしじゃんけんで何が悪いという居直りのおじさん軍団  「俺たちの世代が一番ワリを食ったという意識」は強い  被害者意識層は遠慮しません  消費税の増額 – 5% -> 8% -> 10% – どんどん逝きます。直接税が減額されないので、実施所得減少  要するに実質所得は(体感的に)減少する – 都内で一家を構えて、嫁さん+子供と食わすには – 額面年収1000万+貯蓄5000万はないと厳しい Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 3
  • 5. んで、SIの現状をマクロから  産業別人口 ~最近話題のIPAの調査結果 (これはIT全般の資料) – http://www.ipa.go.jp/jinzai/jigyou/docs/global-report_01.pdf  (このp21の「2)IT人材の動向:IT サービス企業、及びユーザー企業内のIT 関連業務就労者数」を参考) – ITサービス技術者数だけであれば、日本はほぼ米国と同等  そして、お給料様の現状ですよ・・  (おなじくこのp23「2)IT人材の動向:IT技術者給与比較」を参考) – 平均給与はほぼ米国の半分。アイルランド・デンマーク・フィンランド 以下  (一部で購買力平価の考えが足りないという指摘等もあったので、 ま、それはそうだなとも思います、全文みた上で、各自判断してく ださい。) Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 4
  • 6. つまりどういう事かというと・・・  日本のIT業界は – 例えば、米国に比べて – または他の国々と比べても  まず「人が多過ぎる」  つぎに「給料が安い」 人が多すぎて、 給料が安い Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 5
  • 7. というわけで、ここで良く言われる格言  「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍以上の 開きがある、ということが良くある」 – 割と現実に見ることが多い。 – 例)  3人x 3ヶ月で出来たSQLバッチ->激遅い – そもそも実際の環境で走らせていないとか – コードが酷いとか  ベテランが一週間で書き直して、普通に動く  ということで、よく言われること 「できるやつの給料をあげなさい」 – でないと携帯ゲーム屋にいっちゃうよ、という流れ Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 6
  • 8. 本当にそうなのか?  まず、「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍 以上の開きがある、ということが良くある」ということ  IT業界で結構言われる  他の業界で言われることは、実は少ない – あっても3倍というケースが多い  極めて例外的に10倍ということはある – 普通はそんなに一人当たりの出力がズレたら商売にならない – 「同じ労働集約的な産業においても、10倍も変わるということが日常茶 飯事である」ということはない  「プログラマーの生産性は、低い人と高い人と比べると10倍以上の 開きがある、ということが良くある」ということがあること自体 が、まず異常だと思うべき。 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 7
  • 9. なぜ10 倍の生産性がでるのか?  能力が高いほど生産性があがる – これは事実としてある – できる人の設計・コードは、別格であり追随を許さないということはあ る  他方、そもそもばらつきが酷くないか? – 参入障壁がない – 受託が、人数で数合わせをしているビジネスモデル  できなくても、チームに無理矢理組み込む  優秀な人の生産性が高い、というよりも低い人が多すぎるのではな いか? – 設計とかコードとか普通におかしいだろということが、ままある – 普通に5秒で気づくことに気がつかない Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 8
  • 10. そこで、経営層は普通どう考えるか?  「できるやつの給料をあげる前に、できないヤツの給料を下げる(または 上げない。または首を切る)」  んでコイツは建前で、実態は・・・・ – 「できないヤツの給料を上げないついでに、できるやつの給料も適当に据え置 く」 – 現実問題として、人員が多い組織では人件費を上げるということは至難の業 – モチベーションは給与では上がらない、むしろ落ちる  他人が給料あがったことのマイナスは、自分の給料があがったことでは補えない  つまりあげるなら、一斉に上げるということが必要  そんなことやると即死する会社が多い  つまり「人が多く、給料が安い」+「能力のばらつきがヒドイ」= まず 当面の対策としては、人件費の据え置きに走る→恒久化する Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 9
  • 11. そこで、ITのあり方について  SI自体が成り立たないという現実 – 「人が多すぎて、給与が安い」 – しかし、人力での大規模SIに頼る現実 – 若年層人口の減少 – 社会的なコストの増大 – 一般に労働集約的産業の行き詰まり  かつ、前述の「特に人件費の扱い」を考えると、一人当たりの賃金 が上がる要素はゼロに近い。 – 特に大規模SIを商売にしているところは、そうなってしまう – これは経営層の資質という問題ではない – そうせざる得ないという現実もある Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 10
  • 12. SIの現実  SI屋 – 単純な売上増を安易なSIで稼ごうとする経営スタイル  一度こちらに振ると脱却が難しい – 特に上場会社で右肩成長圧力があるところに顕著  ユーザー層 – ITのリソースを外部から調達すればよいというユーザー層の考え方  人は外からとればよい、という考え方 – 特にITは本業ではない、と公言するユーザー様に顕著  この「需要と供給」というパーフェクトな図式のなかで成立してきた SI事業は当然の背景として、明確な「市場としてのビジョン」は皆 無。 – 需要者と供給者で、市場を維持しようというモチベーションが薄い – IT業界特有の問題 – 結果として成立しているだけ – 要するに「なくなるときは、簡単になくなる」という言っています。 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 11
  • 13. 業務系SEの現実  認識すべき背景 – SIがマーケットとして非常に厳しい – 企業環境として給与は上がり辛い – 年金・消費税で実質所得は間違いなく下がる  なので、どうすべきか?という問題を真剣に考えるべきである。 – 考えるべきこと  マーケットがどう変化するか?  変化するマーケットにどう自分自身をビッドするのか?  賭けるチップ(自分の能力)は手元にあるか? – この辺を間違えて、ビッドすると大負けする  例)安易なゲーム会社への転職とか Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 12
  • 14. マーケットがどう変化するのか?  まずSIビジネスが縮小していく – 縮小とゼロになる、ということは違う – ゼロにはならない – 縮小して、どうバランスさせるのか?という問題  中規模・小規模SIの増加 – 投資余力の減少から規模の縮小が始まる  SI自体の数の減少 – 先送り案件が増える – 投資自体がシュリンクする – 運用や追加補修の増加 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 13
  • 15. 変化するマーケットにどうビッドするのか?  少ない人員で回せる仕組みが必要になる – とはいえ、5人とか10人とかそういった話ではない – 100人月→70人月 – 50人月→20人月 – こういったサイズの縮小が増える – 「アジャイルには大きすぎる」  ある程度マルチでできることが必要になる – 能力のある人間が1.5役ぐらいをやっていく感じになる – 単一能力ではなく、複数の領域でのノウハウが必要  業務系のニッチな仕事はむしろ増える – SI屋を抜きに直接発注が来ることも増える – 間違って拡大するとすぐに死ぬ Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 14
  • 16. 手持ちのチップは十分か?  手持ちの武器は何が必要か? – 「カードは多ければ多いほどよい」 – 最強のカードは、複数の「最強−1」のカードには勝てない – 最強のカードになるには かなりコストはかかるが、最強-1であれば実は 真面目にやればいけてしまう。  スーパースターになる必要はない – 設計 – アーキテクチャ – アプリ – インフラ – 運用 – 基礎技術 – 業務系ノウハウ – 「どこか複数の領域で、ほぼ万全(完全ではない)な状態」が望ましい Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 15
  • 17. エンジニアとしてのキャリア・パス  単一の道で最強をめざす – おすすめしない – 日本で最強はない  日本で最強だと、ガラパゴスな感じで勢力争いになる  複数の道で最強-1をめざす – おすすめする – 90点を100点にするのではなく、 30点を90点にする – 「50点では妥協しないが、100点は目指さない」  それ以外 – 「別の業界への転職をお勧めします」 – おすすめは・・・  考えたけど特に思い浮かばない感じ Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 16
  • 18. 経験知として  そもそもITの流れを理解しておくこと – 歴史は繰り返している  汎用機→オープン化→クラウド – その都度車輪の作り直しになっている  特にミドル系 – 車輪の作り方を知っておく必要はある  実際に作るべきかどうか?というときには必ず再考すること – 「流行に飲まれるな」  HTML5、Hadoop、関数型  一回退いた上で、自分なりに咀嚼してから「目的をもって」取り組むこと Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 17
  • 19. 何もしないとどうなるか  まず実質所得は下がる – これは決定的 – しかも、あと5年後に確定  SIビジネスは縮小する – 予算がないので、スケジュールが短縮され、デスマが増える – 「政治ができない」順に仕事がなくなる  技術とは関係ない  つまりモチベーションとか、生きがいとか、そういった精神的な充 実の以前に、そもそも食べていくことが辛くなる – 正直、消費税は想像以上にきついですよ。 – 税金には消費税はかからないので、手取りがさっくり減る計算に近い Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 18
  • 20. いままで何が違うのか?  座っていても大丈夫という時代が「本当に」なくなりつつある – 大企業でも倒産や合併という憂き目にあう  SNS等のつながりで、情報の流れが速い – 選択肢の幅が広がる – また逆に、競争が激しくなる  企業の壁が薄くなる – 個人を守ってくれない – 自力救済  「勉強するモチベーション」と「自分の能力をどう評価するのか」 ということが、非常に重要になる Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 19
  • 21. つまり 夢も希望もない わけよ。 自分で作らない Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 20
  • 22. 何をカードにしておくか  設計  アーキテクチャ  アプリ  インフラ  運用  基礎技術  業務系ノウハウ Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 21
  • 23. 何をカードにしておくか  設計 – 「普通の設計」ができるようにしておく  特定の要素技術に依存しない  画面設計・データモデル設計・フロー設計・・・ – 例外処理を拾えること  やり過ぎると死ぬ  やらなくても死ぬ  程度を押さえる – 設計時点でパフォーマンスボトルネックを想定する  どこが詰まるのか、想定しておく – 「適度に行う」という適度感を身につける Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 22
  • 24. 何をカードにしておくか  アーキテクチャ – すべての基本はIO  各物理階層をちゃんと理解する  限界を理解する  パフォーマンスはアーキテクチャで決定される – 障害設計から考える  トラブル中心で考える – 「何が何をするのか」がわかるようにしておく  過度に複雑なってはいけない  「フレームワークの役割」の理解 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 23
  • 25. 何をカードにしておくか  アプリ – 基本はプロジェクトマネージメント  普通にWFができること  WBS・課題管理・・・・ – 要素技術の共通点を押さえる  制御構文  ライブラリーのあり方 – 書きすぎないこと  「作らない技術」を持つこと  少ない人数でどうするのか?  手をどう放すか、ということも常に意識すること Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 24
  • 26. 何をカードにしておくか  インフラ – とにかく情報収集  ただし、枝葉末節にこだわらない  仕様は変わる  マニュアルも変わる – ネットワークの基礎技術は押さえること  物理階層  プロトコル  設計  障害  パフォーマンス  上には上がいるが、最低限というものはある。 – ハードはいろんなものが出てくるが、最後はIO  パフォーマンス  障害 Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 25
  • 27. 何をカードにしておくか  運用(継続開発) – 設計が命  運用設計は絶対一度は経験すること  今まで「見えなかったもの」が見える – 継続的なインテグレーションのマスター  システムは使われてなんぼ  生きているシステムは、変更される~どんどん変わる  割と常識になっているので、マスターすること – コスト意識をもつこと  運用コストは馬鹿にならない Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 26
  • 28. 何をカードにしておくか  基礎技術 – 以下の基礎は「絶対にマスター」しておくこと – 「計算」についての基本知識  計算量  確率統計 – 高校生~大学学部程度で十分  計算とはなにか – 「品質」についての基本知識  品質は作り込むもの  手法は様々だが、完璧なものはない – 「論文が読めるようになっておくこと」  我々は巨人に肩に乗るべき  TX・分散・並列・・・・ Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 27
  • 29. 何をカードにしておくか  業務系ノウハウ – 1.「考える」  なぜ、こういう仕組みになっているのか?  書籍を読む・基礎知識を積む – 例)会計処理 → 一応簿記ぐらい知っとく – 例)最適化 → ORぐらい知っとく – 2.「聞く」  なぜなのか?聞いて聞いて聞きまくる  いやがられるけど、めげない – 3.「応用する」  大事なのは、個々の仕様ではない  「考え方」を学ぶこと  「考え方」を常識にとらわれずに転用すること – 転用することで、オリジナルへの理解が深まる Copyright © 2011-2012 Nautilus Technologies, Inc. All rights reserved. NAUTILUS Proprietary & Confidential 28