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柴山自然公園(台湾:高雄市)の学校教育活動への活用
高雄日本人学校
教諭:河本整志
1. 研究の目的
理科の自然科学教材は地域によって異なる。在外教育施設の場合,その教材確保が重要である。
その重要性を鑑みて,
高雄日本人学校における現地の自然科学教材を生かした理科教育,
ならびに,
現地の小学校・中学校・高等学校の地元自然科学教材(柴山自然公園:以下,柴山と略記する。
)の
授業活用を調査・研究することを目的とした。
2. 研究の方法
(1)

文献研究(
「自然公園・・・柴山之旅」高雄市政府研考會)

(2)

柴山等の現地調査

(3)

台湾:高雄市内の現地校への聞き取り調査(小学校・中学校・高等学校)

3. 研究内容
(1) 台湾高雄市の「柴山」に関する現地調査(延べ 57 回)
①

柴山の沿革
高雄市民が最も誇りにしているもの,
それは生態系の天然資源宝庫である柴山である。
柴山の生

態系を見ずして高雄に来たとは言えないとさえ言われている。
柴山は,政治や歴史など異なる時代にそれぞれ異なる名前で呼ばれたため,柴山,萬寿山,打狗
山,埋金山,麒麟山,猴山など,様々な名称がある。しかし,居住民が山で芝を刈り薪で火をおこ
した生活習慣から名のついた「柴山」という俗称は,明朝・清朝時代から現在まで変わらず使われ
ている,最も親しまれた名前になっている。
柴山は鼓山全域を縦貫しており高雄西部郊外の海浜に高くそびえ,
高雄市西側の天然の障壁とな
っている。山は,東西から西南へ斜めに走り,匂玉の形をしている。平均傾斜約 25 度,桃子園か
ら内惟を経て哨船頭までつながり,その距離は 10kmに及ぶ。近年,高雄市が四方に通じる木の
桟道を敷いたため,すっかり市民の登山ルートとなっており,足腰がさほど強くない人でも 2 時
間もあれば北柴山の「雅座」まで登ることができる。
ここから西には台湾海峡が臨め,
遙か彼方の霧にかすんだ水面に小さな船が点在する様子は心が
ゆったりとする気持ちのよい眺めである。
森林の隙間に広がる平地を遙か北に望めば左営軍港が見
え,天気が良ければ軍艦や潜水艦などもはっきり見ることができる。
一方,東側には高層ビルがぎっしりと立ち並んでいる。南柴山に登れば,麓は高雄港。鼓山と旗
後山の間からは,入港してくる大きな船の汽笛が聞こえてくる。
自然生態歩道としては,
北柴山のコースが非常に興味深い。
龍皇寺のそばからわき出す泉を起点
とし,
「珊瑚礁壁」
「稜果老榕樹」
「小渓貝塚」
「猿岩」
「富家溝」
「竹林」などがつながり,その場所
ごとに異なる動植物の生態がある。
このように,柴山は,高雄市の天然地形を代表するとともに,登山・自然観察・人文関係などの
イベント屋外教室に活用され,老若男女問わず市民に親しまれている場所である。
②

熱帯の自然豊かな自然公園
市内中心部は高層ビルに囲まれ,豊かな自然は極めて尐ないが,バイクで 15 分ほど走ると市民

の憩いの場である寿山や柴山がある。
1
ここの自然環境の特徴は,
・ 熱帯の植生
・ 珊瑚礁の隆起した土地

熱帯地方でもあるので危険な昆虫から

・ 蝶・鳥・猿のありのままの姿

の身を守る注意も喚起され,安全な健

・ その他

康づくりを支えている。

これらが、凝縮した形で存在している。

い
て
い
る
様
子
も
観
察
で
き
る
。

熱
帯
地
方
の
花
が
色
鮮
や
か
に
咲

自然を荒らさぬよう木道を整備し,老若男女

木道を尐しはずれると,このように,珊

を問わず健康づくりに励むことができるよ

瑚が隆起した地肌が露出している。ここ

うになっている。

が元々は海底だったことがわかる。
野生の猿は保護されているが,えさを
与えると罰金が科せられる。生態系を
壊さないための厳しい制限である。

2
(2) 高雄日本人学校の理科教育への活用
① 台湾で最も親しまれている昆虫である蝶の飼育
植物・小動物・地質など,
きわめて豊富な学習素材がそろっている。
これらの写真を整理し,
学習内容に応じて適切に現地の自然を紹介することができる。
特に,高雄日本人学校は高雄市の中心
部にあり,自然環境にそれほど恵まれて
いない。蝶をひとつとってみても近くの
胡蝶園から蝶の幼虫を分けてもらいな
がら学習を進めている。台湾は蝶の宝庫

蝶の卵や幼虫を分けてくれる胡蝶園

でもあり,野生の蝶が自然の森の中をひ
らひら

と優雅に舞う姿を是非子どもたちに見せて学習を進めること
ができる。
平成 19 年度は,蝶の飼育小屋を作成し,対象学年だけで
なく,他学年の児童生徒をはじめとし,来校される保護者や
来賓の方々にも台湾の蝶を意識してもらうことができた。
② 日本の栽培学習との比較
自家製の蝶の飼育小屋

日本には明確な四季があり,それが様々な生物へ働きかけ

ている。紅葉・落葉をはじめとし,季節の移り
変わりが自然の美しさを作り出しているとも
言える。同時に,人間の生活も,四季の変化と
ともに様々な工夫と知恵を生かしている。
ところが,台湾高雄においては日本のような
四季が感じられない。そんな中で,柴山の熱帯
の植物を紹介したり,身近な野菜の栽培方法を
学習したりすることができた。例えば,トマト

冬の 2 月に結実するミニトマト

は日本では春蒔き夏収穫が多いが,高雄では秋まき冬収穫が望ましい。春蒔きだと高雄は暑す
ぎてトマトが育たないのである。
(3) 現地の学校との交流授業「理科」
高雄市内の鹽埕国中との理科の交流授業を行った。指導者は私で,生徒は日本人学校の生徒
半分と鹽埕国中の生徒が半分であった。
「桜」と「梅」をテーマに,日本と台湾の自然比較を行った。桜は日本の国花,梅は台湾の
国花である。植物学的分類によれば両者は非常に近
い関係にあり,中学理科で学習する「被子植物,双
子葉植
物,離
弁花類,
バラ科,
サクラ
鹽埕国中との理科の交流授業

属」に

所属することを理解させた。また,台湾の国花で
3

両校生徒による授業参画
ある梅の花の 5 枚の花弁には「行政・立法・司法・考試・監察」の 5 つの意味があり,3 つの
おしべには「民族・民権・民生」の三民主義の意味が込められていることを学ばせた。これら
は,単なる自然比較だけでなく,異文化理解・文化比較を深めることにもつながった。
以下の表は,生徒への事前アンケートによる意識調査結果である。

1 日本の花と言えば

3 日本の昆虫と言えば

(日本語)

(中国語)

(日本語)

(中国語)

1位

桜

櫻花

1位

かぶとむし

甲蟲

2位

梅

梅花

2位

せみ

蟬

3位

つばき

杜鵑花

3位

くわがた

鋤形甲蟲

2 日本の樹木と言えば

4 日本の自然と言えば

(日本語)

(中国語)

(日本語)

(中国語)

1位

桜

櫻樹

1位

山:富士山

富士山

2位

松

松樹

2位

海:沖縄の海

沖繩海邊

3位

杉

杉樹

3位

山:白神山地

白神山地

(4) 現地の小学校・中学校・高等学校への「柴山」活用の聞き取り調査
① 柴山の自然の授業活用(小学校&中学校)
科学的思考を深めるには,小・中学校の頃から直接経験をさせ,実際に五感を働かせて学習
する機会がとても大切である。高雄市民の憩いの場所であり身近な公園でもある「柴山」が,
どのように学校教育に生かされているか,アンケート調査した。
小学校の授業で扱われる教材

柴山の植物

柴山の昆虫

無患子
學名:Sapindus mukorossi,
和名:ムクロジ
咬人狗
學名: Laportea pterostigma Wedd.
和名:ムカゴイラクサ
銀合歡 銀合歡
學名:Leucaena leucocephala
和名:ギンゴウカン
相思樹 常綠中喬木
學名: Acacia confusa Merr.
和名:ソウシジュ
榕樹
學名:Ficus microcarpa L.f.
和名:ガジュマル
など

黄裳鳳蝶
學名: Troides aeacus kaguya
(Nakahara & Esaki)
和名: キシタアゲハ
小紫斑蝶
4

中学校の授業で扱われる教材
月橘
學名:Murraya paniculata Jack.
和名:ゲッキツ
黄連木
學名: Pistacia chinensis Bunge
和名:カイノキ
稜果榕
學名:Ficus septica Burm.
和名:オオバイヌビワ
山棕
學名:Arenga engleri Beccari
和名:クロツグ
黄荊
學名:Vitex negundo L.
和名:タイワンニンジンボク
台灣山柑仔
學名:Capparis micracantha
和名:トゲフウチョウボク
など
二星龜金花蟲
學名: Thlaspida cribrosa
和名:イチモンジカメノコハムシ
小灰蝶
學名:Jamides alecto dromicus
學名:Euploea tulliolus koxinga
和名:ルリマダラ
桑天牛
學名: Apriona germari Hope
和名:カミキリムシ
台灣角金龜
學名:Dicranocephalus bourgoini
Pouillaude
和名:タイワンカメムシ
など

和名:シロウラナミシジミ
波紋小灰蝶
學名:Lampides boeticus
和名:ウラナミシジミ
黄帶枯葉蝶
學名:Yoma sabina podium Tsukada
和名:キオビコノハ
など

臺灣獼猴
學名:Macaca cyclopis Macaca
和名:タイワンザル

臺灣獼猴
學名:Macaca cyclopis Macaca
和名:タイワンザル
赤腹松鼠
學名:Callosciurus erythraeus
和名:クリハラリス
山羌
學名: Muntiacus reevesii micrurus
和名:タイワンクサガメキョン
白鼻心
學名:Paguma larvata taivana (Swinhoe)
和名:ハクビシン
など

など
柴山の動物

柴山の地形

石灰岩地形

珊瑚礁,石灰岩,
經蓬莱期造山活動(2400 万年~2200 万
年前)及海蝕作用形成

柴山の地質

石灰岩質

鍾乳石,石筍,石桂
造山活動

柴山の岩石

石灰岩

砂岩,石灰岩,泥岩

その他

なし

なし

このように,柴山は,小中学校の授業に,
「柴山」に生息する多くの植物・昆虫・動物が活
用されていることがわかった。植物の種類を見ると,全て熱帯の植物である。日本の植物との
比較も興味深い。また,昆虫に於いては,
『蝶の宝庫』と呼ばれる台湾だけに蝶の学習に力を
入れていることがわかる。また,柴山に生息する猿(臺灣獼猴)は小学校・中学校を通じて学
習しており,猿の生態だけでなくその保護に関わる学習も行われている。
柴山そのものは,珊瑚礁が隆起してできている。その浸食の度合いもかなりであり,奇形・
奇岩の様子を見せている箇所も尐なくない。台湾第 2 の大都市でありながら,地形や地質など
の学習教材が身近にあることは,大変恵まれていると言ってよい。
② 小学校・中学校の教育課程への「理科」の位置づけ
生物・地学学習の材料が豊富にあるため,自然科学の探究に適した環境にあり,それを教育
課程に位置づけている高雄市の教育は素晴らしいと感じた。
以下に提示した,台湾高雄市立小学校の 6 年生の時間割(サンプル)を見ると,日本の「理
科」にあたる授業「自然與生活科技 Science」は週 4 時間配当されている。これは,日本国内
5
の「理科」週 3 時間配当と比較すると,量的にも豊富に学習が進められていると言える。
また,その指導者は学級担任ではなく,理科の専科教員である。専門性を生かし,充実した
指導を推進していることが理解できる。専科教員は理科だけなく,英語・社会・音楽・図工・
体育・郷土語言(台湾語・客家語・原住民語),資訊教育(IT 学習)も,専科教員による授業
となっている。
星期一
(月)

時刻

星期二
(火)

7:30~7:50

星期三
(水)

上
晨

7:50-8:10
7:40~8:10

生活指導

間

教師晨會

8:10-8:30

學

星期四
(木)

中高升旗

時

生活指導

間

打

星期五
(金)

掃

教師晨會
全校升旗

8:30-8;50

導

生活指導
師

時

間

8:50~9:30

1

彈性學習節
數

數學

語文 - 國語

語文 - 國語

社會

9:40~10:20

2

語文 - 國語

語文
– 鄉土語言

數學

語文 –英語

社會

10:30~11:10

3

語文 - 國語

健康與體育
(體)

彈性學習節
數

自然與生活
科技 Science

藝術與人文
(音)

11:20:12:00

4

語文 –英語

語文 - 國語

資訊教育

自然與生活
科技 Science

語文 - 國語

藝術與人文
(美)

健康與體育
(健)

藝術與人文
(美)

數學

綜合活動

健康與體育
(體)

12:00~12:40
12:40~13:20
13:20-13:40

午
午

13:40~14:20

5

社會

自然與生活
科技 Science

14:30~15:10

6

數學

自然與生活
科技 Science

15:20~16:00

7

綜合活動

餐
時
午間靜息
間
打

綜合活動

教
師
進
修

間
掃

③ 高雄高中(現地の高等学校)への視察
台湾の中でも最も優秀な学生が集まる高等学校のひとつ「高雄高中」へ視察に行った。そこ
では,化学実験の授業を参観できた。内容は,小グループに分かれて,タンパク質を分解する
実験を行っていた。理論科学面だけでなく実験科学の分野にも力を入れ,科学的リテラシーを
向上させる取り組みが充実している様
子がうかがえた。台湾高雄の教育予算の
充実ぶりやそれを確保しながらさらに
優秀な人材を育てている姿に感心した。
柴山等の自然の教育的活用について
は,クラブ活動の一環として環境調査を
進めているとの報告があった。高等学校
まで進めば,身近な自然を学習する段階
から,さらに大きな環境問題についての
追究へと高度な内容に発展する様子を
感じた。
④ 高雄日本人学校小学部遠足,小学部野外活動
6

高雄高中での化学実験風景
高雄日本人学校においては,小学部の歓迎遠足(学校行事)でこの寿山・柴山を目的地にし,教
育への有効活用を試みることもある。
また,平成 20 年度の小学部宿泊学習では,柴山登山をスケジュールに組み込んだ。台風の影響
で 2 月に延期となったが,高雄市内の自然観察や野外活動には非常に身近な存在のひとつである
といえる。
以下に児童の感想を紹介する。
「坂や階段がたくさんあるから大変でした。
山頂に着いたら高雄の町や台湾海峡が見えて,
景色が
とても綺麗でした。「最初は楽に登れると思ったけど,サルがいるしたくさんの階段があって,自
」
然の厳しさを山の中で知りました。「最初想像していた山
」
宿
泊
学
習
で
の
柴
山
登
山

とは違っていました。でこぼこもたくさんあるし,ほらあ
なのような所もありました。先生に,サンゴでできている
山だと聞いて,もとは海だったんだとわかって,びっくり
しました。「私でも登るのはつらかったのに,私達より年
」
上の人が当たり前のことをしているかのようにすいすい登
っていったのでスゴイと思いました。「ところどころ,家
」
族や友達とお茶を飲んでいる人たちがいて,のんびりして
過ごしているんだなあと思いました。
」
このように,高雄日本人学校では,台湾文化に触れ学ぶ
機会をとらえて,計画的に教育課程を編成している。

(5) 成果
① 3 年間で約 60 回の柴山現地調査,台湾各地 7 回の現地調査の結果,教育活動に活用できるも
のを見いだした。また,現地の小学校・中学校・高等学校など,学校教育においても教育課
程にきちんと位置づけられ,大都市でありながら地元の自然を活用して,自然科学の学習の
積み上げがなされていることが理解できた。
② 日本での飼育栽培学習に関して,実際に児童生徒と共に行うことで季節のズレを実感するこ
とができた。また,夏至の時期には南中高度が 90 度を超え北中することも児童生徒ととも
に確認し,天体の動きの神秘に迫ることができた。このように,台湾の言語や習慣などの異
文化理解だけでなく,自然科学の面からも異文化理解を深めることができた。
③ 柴山は,自然観察・探求活動等の科学的学習への活用だけでなく,台湾高雄市民の健康づく
り・コミュニティーづくりとしての役割を果たしているという社会科学習への活用も大切で
あることが理解できた。
(6) 課題
① 在外教育施設に於いて,自然観察や地元市民の暮らしを間近に感じることのできる場所を確
保することは,とても困難である。しかし,この台湾高雄市に於いては「柴山」という自然
公園があり親しみを持って保護されている。この環境を活用し,自然科学・社会科学両面か
らアプローチできるカリキュラムを開発することにより,より一層,異文化理解が深められ
学習の充実がなされることが大切である。
② 台湾地元の各学校に於いては,幼稚園・小学校・中学校・高校の連続性を視野に入れ,地域
教材をカリキュラムに位置づけるような運営や組織づくりが行われており,今後の交流活動
の広がりが楽しみである。
③ 日本国内に目を向けると,都市部の学校では,自然観察や直接体験を豊富に行うことが困難
7
な地域がある。地域ぐるみで,憩いの公園やビオトープなどを整備し,高雄市のように世代
を越えて老若男女が集うことのできる場をつくりあげていく努力が必要だと感じた。
※資料 1・・・現地調査の記録
H19.04.15 柴山・・・・・第 1 回現地調査
05.19
柴山・・・・・第 2 回現地調査
05.13
柴山・・・・・第 3 回現地調査
05.26
柴山・・・・・第 4 回現地調査
07.08
柴山・・・・・第 5 回現地調査
07.21
柴山・・・・・第 6 回現地調査
07.22
天通山・・・・・現地調査
07.26~27 阿里山・・・・・現地調査
08.06
柴山・・・・・第 7 回現地調査
08.17
半塀山・・・・・現地調査
09.02
柴山・・・・・第 8 回現地調査
09.09
牯嶺山・・・・・現地調査
09.27
柴山・・・・・第 9 回現地調査
10.20
柴山・・・・・第 10 回現地調査
11.11
柴山・・・・・第 11 回現地調査
12.08
柴山・・・・・第 12 回現地調査
12.21
鹽埕國中との交流授業(理科)
12.22
柴山・・・・・第 13 回現地調査
H20.01.05 柴山・・・・・第 14 回現地調査
02.10
柴山・・・・・第 15 回現地調査
03.24
柴山・・・・・第 16 回現地調査
03.25
柴山・・・・・第 17 回現地調査
03.28~30 雪山・・・・・現地調査
04.06
柴山・・・・・第 18 回現地調査
04.19
柴山・・・・・第 19 回現地調査
05.04
柴山・・・・・第 20 回現地調査
05.18
柴山・・・・・第 21 回現地調査
05.25
柴山・・・・・第 22 回現地調査
06.09
柴山・・・・・第 23 回現地調査
06.21
柴山・・・・・第 24 回現地調査
07.06
柴山・・・・・第 25 回現地調査
07.20
柴山・・・・・第 26 回現地調査
08.03
柴山・・・・・第 27 回現地調査

08.07
08.08
08.10
08.12~14
09.21
10.18
11.15
12.21
12.28
H21.01.18
01.24
02.14
02.21
03.01
03.14
03.21
03.28
04.11
04.25
05.10
05.23
06.06
06.20
07.04
07.18
08.29
09.19
10.03
10.17
11.07
11.28
12.12
H22.01.09

柴山・・・・・第 28 回現地調査
柴山・・・・・第 29 回現地調査
柴山・・・・・第 30 回現地調査
玉山・・・・・現地調査
柴山・・・・・第 31 回現地調査
柴山・・・・・第 32 回現地調査
柴山・・・・・第 33 回現地調査
柴山・・・・・第 34 回現地調査
高雄高中(高等学校)への視察
柴山・・・・・第 35 回現地調査
陽明山・・・・・現地調査
柴山・・・・・第 36 回現地調査
柴山・・・・・第 37 回現地調査
柴山・・・・・第 38 回現地調査
柴山・・・・・第 39 回現地調査
柴山・・・・・第 40 回現地調査
柴山・・・・・第 41 回現地調査
柴山・・・・・第 42 回現地調査
柴山・・・・・第 43 回現地調査
柴山・・・・・第 44 回現地調査
柴山・・・・・第 45 回現地調査
柴山・・・・・第 46 回現地調査
柴山・・・・・第 47 回現地調査
柴山・・・・・第 48 回現地調査
柴山・・・・・第 49 回現地調査
柴山・・・・・第 50 回現地調査
柴山・・・・・第 51 回現地調査
柴山・・・・・第 52 回現地調査
柴山・・・・・第 53 回現地調査
柴山・・・・・第 54 回現地調査
柴山・・・・・第 55 回現地調査
柴山・・・・・第 56 回現地調査
柴山・・・・・第 57 回現地調査

銘茶で有名な台湾高雄では,柴山自然公園に「泡茶(台湾式お茶)」
を持参して,家族・友人・同僚たちと楽しく時間を過ごすことが多い。
そのため,ヤカンやガスボンベを担いで訪れる市民も多い。

※資料2・・・柴山自然公園に集う人たち

の
で
あ
る
。

い
は
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べ
て
ボ
ラ
ン
テ
ィ
ア
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も

柴
山
自
然
公
園
内
の
お
茶
の
ふ
る
ま

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柴山自然公園(台湾:高雄市)の学校教育活動への活用

  • 1. 柴山自然公園(台湾:高雄市)の学校教育活動への活用 高雄日本人学校 教諭:河本整志 1. 研究の目的 理科の自然科学教材は地域によって異なる。在外教育施設の場合,その教材確保が重要である。 その重要性を鑑みて, 高雄日本人学校における現地の自然科学教材を生かした理科教育, ならびに, 現地の小学校・中学校・高等学校の地元自然科学教材(柴山自然公園:以下,柴山と略記する。 )の 授業活用を調査・研究することを目的とした。 2. 研究の方法 (1) 文献研究( 「自然公園・・・柴山之旅」高雄市政府研考會) (2) 柴山等の現地調査 (3) 台湾:高雄市内の現地校への聞き取り調査(小学校・中学校・高等学校) 3. 研究内容 (1) 台湾高雄市の「柴山」に関する現地調査(延べ 57 回) ① 柴山の沿革 高雄市民が最も誇りにしているもの, それは生態系の天然資源宝庫である柴山である。 柴山の生 態系を見ずして高雄に来たとは言えないとさえ言われている。 柴山は,政治や歴史など異なる時代にそれぞれ異なる名前で呼ばれたため,柴山,萬寿山,打狗 山,埋金山,麒麟山,猴山など,様々な名称がある。しかし,居住民が山で芝を刈り薪で火をおこ した生活習慣から名のついた「柴山」という俗称は,明朝・清朝時代から現在まで変わらず使われ ている,最も親しまれた名前になっている。 柴山は鼓山全域を縦貫しており高雄西部郊外の海浜に高くそびえ, 高雄市西側の天然の障壁とな っている。山は,東西から西南へ斜めに走り,匂玉の形をしている。平均傾斜約 25 度,桃子園か ら内惟を経て哨船頭までつながり,その距離は 10kmに及ぶ。近年,高雄市が四方に通じる木の 桟道を敷いたため,すっかり市民の登山ルートとなっており,足腰がさほど強くない人でも 2 時 間もあれば北柴山の「雅座」まで登ることができる。 ここから西には台湾海峡が臨め, 遙か彼方の霧にかすんだ水面に小さな船が点在する様子は心が ゆったりとする気持ちのよい眺めである。 森林の隙間に広がる平地を遙か北に望めば左営軍港が見 え,天気が良ければ軍艦や潜水艦などもはっきり見ることができる。 一方,東側には高層ビルがぎっしりと立ち並んでいる。南柴山に登れば,麓は高雄港。鼓山と旗 後山の間からは,入港してくる大きな船の汽笛が聞こえてくる。 自然生態歩道としては, 北柴山のコースが非常に興味深い。 龍皇寺のそばからわき出す泉を起点 とし, 「珊瑚礁壁」 「稜果老榕樹」 「小渓貝塚」 「猿岩」 「富家溝」 「竹林」などがつながり,その場所 ごとに異なる動植物の生態がある。 このように,柴山は,高雄市の天然地形を代表するとともに,登山・自然観察・人文関係などの イベント屋外教室に活用され,老若男女問わず市民に親しまれている場所である。 ② 熱帯の自然豊かな自然公園 市内中心部は高層ビルに囲まれ,豊かな自然は極めて尐ないが,バイクで 15 分ほど走ると市民 の憩いの場である寿山や柴山がある。 1
  • 2. ここの自然環境の特徴は, ・ 熱帯の植生 ・ 珊瑚礁の隆起した土地 熱帯地方でもあるので危険な昆虫から ・ 蝶・鳥・猿のありのままの姿 の身を守る注意も喚起され,安全な健 ・ その他 康づくりを支えている。 これらが、凝縮した形で存在している。 い て い る 様 子 も 観 察 で き る 。 熱 帯 地 方 の 花 が 色 鮮 や か に 咲 自然を荒らさぬよう木道を整備し,老若男女 木道を尐しはずれると,このように,珊 を問わず健康づくりに励むことができるよ 瑚が隆起した地肌が露出している。ここ うになっている。 が元々は海底だったことがわかる。 野生の猿は保護されているが,えさを 与えると罰金が科せられる。生態系を 壊さないための厳しい制限である。 2
  • 3. (2) 高雄日本人学校の理科教育への活用 ① 台湾で最も親しまれている昆虫である蝶の飼育 植物・小動物・地質など, きわめて豊富な学習素材がそろっている。 これらの写真を整理し, 学習内容に応じて適切に現地の自然を紹介することができる。 特に,高雄日本人学校は高雄市の中心 部にあり,自然環境にそれほど恵まれて いない。蝶をひとつとってみても近くの 胡蝶園から蝶の幼虫を分けてもらいな がら学習を進めている。台湾は蝶の宝庫 蝶の卵や幼虫を分けてくれる胡蝶園 でもあり,野生の蝶が自然の森の中をひ らひら と優雅に舞う姿を是非子どもたちに見せて学習を進めること ができる。 平成 19 年度は,蝶の飼育小屋を作成し,対象学年だけで なく,他学年の児童生徒をはじめとし,来校される保護者や 来賓の方々にも台湾の蝶を意識してもらうことができた。 ② 日本の栽培学習との比較 自家製の蝶の飼育小屋 日本には明確な四季があり,それが様々な生物へ働きかけ ている。紅葉・落葉をはじめとし,季節の移り 変わりが自然の美しさを作り出しているとも 言える。同時に,人間の生活も,四季の変化と ともに様々な工夫と知恵を生かしている。 ところが,台湾高雄においては日本のような 四季が感じられない。そんな中で,柴山の熱帯 の植物を紹介したり,身近な野菜の栽培方法を 学習したりすることができた。例えば,トマト 冬の 2 月に結実するミニトマト は日本では春蒔き夏収穫が多いが,高雄では秋まき冬収穫が望ましい。春蒔きだと高雄は暑す ぎてトマトが育たないのである。 (3) 現地の学校との交流授業「理科」 高雄市内の鹽埕国中との理科の交流授業を行った。指導者は私で,生徒は日本人学校の生徒 半分と鹽埕国中の生徒が半分であった。 「桜」と「梅」をテーマに,日本と台湾の自然比較を行った。桜は日本の国花,梅は台湾の 国花である。植物学的分類によれば両者は非常に近 い関係にあり,中学理科で学習する「被子植物,双 子葉植 物,離 弁花類, バラ科, サクラ 鹽埕国中との理科の交流授業 属」に 所属することを理解させた。また,台湾の国花で 3 両校生徒による授業参画
  • 4. ある梅の花の 5 枚の花弁には「行政・立法・司法・考試・監察」の 5 つの意味があり,3 つの おしべには「民族・民権・民生」の三民主義の意味が込められていることを学ばせた。これら は,単なる自然比較だけでなく,異文化理解・文化比較を深めることにもつながった。 以下の表は,生徒への事前アンケートによる意識調査結果である。 1 日本の花と言えば 3 日本の昆虫と言えば (日本語) (中国語) (日本語) (中国語) 1位 桜 櫻花 1位 かぶとむし 甲蟲 2位 梅 梅花 2位 せみ 蟬 3位 つばき 杜鵑花 3位 くわがた 鋤形甲蟲 2 日本の樹木と言えば 4 日本の自然と言えば (日本語) (中国語) (日本語) (中国語) 1位 桜 櫻樹 1位 山:富士山 富士山 2位 松 松樹 2位 海:沖縄の海 沖繩海邊 3位 杉 杉樹 3位 山:白神山地 白神山地 (4) 現地の小学校・中学校・高等学校への「柴山」活用の聞き取り調査 ① 柴山の自然の授業活用(小学校&中学校) 科学的思考を深めるには,小・中学校の頃から直接経験をさせ,実際に五感を働かせて学習 する機会がとても大切である。高雄市民の憩いの場所であり身近な公園でもある「柴山」が, どのように学校教育に生かされているか,アンケート調査した。 小学校の授業で扱われる教材 柴山の植物 柴山の昆虫 無患子 學名:Sapindus mukorossi, 和名:ムクロジ 咬人狗 學名: Laportea pterostigma Wedd. 和名:ムカゴイラクサ 銀合歡 銀合歡 學名:Leucaena leucocephala 和名:ギンゴウカン 相思樹 常綠中喬木 學名: Acacia confusa Merr. 和名:ソウシジュ 榕樹 學名:Ficus microcarpa L.f. 和名:ガジュマル など 黄裳鳳蝶 學名: Troides aeacus kaguya (Nakahara & Esaki) 和名: キシタアゲハ 小紫斑蝶 4 中学校の授業で扱われる教材 月橘 學名:Murraya paniculata Jack. 和名:ゲッキツ 黄連木 學名: Pistacia chinensis Bunge 和名:カイノキ 稜果榕 學名:Ficus septica Burm. 和名:オオバイヌビワ 山棕 學名:Arenga engleri Beccari 和名:クロツグ 黄荊 學名:Vitex negundo L. 和名:タイワンニンジンボク 台灣山柑仔 學名:Capparis micracantha 和名:トゲフウチョウボク など 二星龜金花蟲 學名: Thlaspida cribrosa 和名:イチモンジカメノコハムシ 小灰蝶 學名:Jamides alecto dromicus
  • 5. 學名:Euploea tulliolus koxinga 和名:ルリマダラ 桑天牛 學名: Apriona germari Hope 和名:カミキリムシ 台灣角金龜 學名:Dicranocephalus bourgoini Pouillaude 和名:タイワンカメムシ など 和名:シロウラナミシジミ 波紋小灰蝶 學名:Lampides boeticus 和名:ウラナミシジミ 黄帶枯葉蝶 學名:Yoma sabina podium Tsukada 和名:キオビコノハ など 臺灣獼猴 學名:Macaca cyclopis Macaca 和名:タイワンザル 臺灣獼猴 學名:Macaca cyclopis Macaca 和名:タイワンザル 赤腹松鼠 學名:Callosciurus erythraeus 和名:クリハラリス 山羌 學名: Muntiacus reevesii micrurus 和名:タイワンクサガメキョン 白鼻心 學名:Paguma larvata taivana (Swinhoe) 和名:ハクビシン など など 柴山の動物 柴山の地形 石灰岩地形 珊瑚礁,石灰岩, 經蓬莱期造山活動(2400 万年~2200 万 年前)及海蝕作用形成 柴山の地質 石灰岩質 鍾乳石,石筍,石桂 造山活動 柴山の岩石 石灰岩 砂岩,石灰岩,泥岩 その他 なし なし このように,柴山は,小中学校の授業に, 「柴山」に生息する多くの植物・昆虫・動物が活 用されていることがわかった。植物の種類を見ると,全て熱帯の植物である。日本の植物との 比較も興味深い。また,昆虫に於いては, 『蝶の宝庫』と呼ばれる台湾だけに蝶の学習に力を 入れていることがわかる。また,柴山に生息する猿(臺灣獼猴)は小学校・中学校を通じて学 習しており,猿の生態だけでなくその保護に関わる学習も行われている。 柴山そのものは,珊瑚礁が隆起してできている。その浸食の度合いもかなりであり,奇形・ 奇岩の様子を見せている箇所も尐なくない。台湾第 2 の大都市でありながら,地形や地質など の学習教材が身近にあることは,大変恵まれていると言ってよい。 ② 小学校・中学校の教育課程への「理科」の位置づけ 生物・地学学習の材料が豊富にあるため,自然科学の探究に適した環境にあり,それを教育 課程に位置づけている高雄市の教育は素晴らしいと感じた。 以下に提示した,台湾高雄市立小学校の 6 年生の時間割(サンプル)を見ると,日本の「理 科」にあたる授業「自然與生活科技 Science」は週 4 時間配当されている。これは,日本国内 5
  • 6. の「理科」週 3 時間配当と比較すると,量的にも豊富に学習が進められていると言える。 また,その指導者は学級担任ではなく,理科の専科教員である。専門性を生かし,充実した 指導を推進していることが理解できる。専科教員は理科だけなく,英語・社会・音楽・図工・ 体育・郷土語言(台湾語・客家語・原住民語),資訊教育(IT 学習)も,専科教員による授業 となっている。 星期一 (月) 時刻 星期二 (火) 7:30~7:50 星期三 (水) 上 晨 7:50-8:10 7:40~8:10 生活指導 間 教師晨會 8:10-8:30 學 星期四 (木) 中高升旗 時 生活指導 間 打 星期五 (金) 掃 教師晨會 全校升旗 8:30-8;50 導 生活指導 師 時 間 8:50~9:30 1 彈性學習節 數 數學 語文 - 國語 語文 - 國語 社會 9:40~10:20 2 語文 - 國語 語文 – 鄉土語言 數學 語文 –英語 社會 10:30~11:10 3 語文 - 國語 健康與體育 (體) 彈性學習節 數 自然與生活 科技 Science 藝術與人文 (音) 11:20:12:00 4 語文 –英語 語文 - 國語 資訊教育 自然與生活 科技 Science 語文 - 國語 藝術與人文 (美) 健康與體育 (健) 藝術與人文 (美) 數學 綜合活動 健康與體育 (體) 12:00~12:40 12:40~13:20 13:20-13:40 午 午 13:40~14:20 5 社會 自然與生活 科技 Science 14:30~15:10 6 數學 自然與生活 科技 Science 15:20~16:00 7 綜合活動 餐 時 午間靜息 間 打 綜合活動 教 師 進 修 間 掃 ③ 高雄高中(現地の高等学校)への視察 台湾の中でも最も優秀な学生が集まる高等学校のひとつ「高雄高中」へ視察に行った。そこ では,化学実験の授業を参観できた。内容は,小グループに分かれて,タンパク質を分解する 実験を行っていた。理論科学面だけでなく実験科学の分野にも力を入れ,科学的リテラシーを 向上させる取り組みが充実している様 子がうかがえた。台湾高雄の教育予算の 充実ぶりやそれを確保しながらさらに 優秀な人材を育てている姿に感心した。 柴山等の自然の教育的活用について は,クラブ活動の一環として環境調査を 進めているとの報告があった。高等学校 まで進めば,身近な自然を学習する段階 から,さらに大きな環境問題についての 追究へと高度な内容に発展する様子を 感じた。 ④ 高雄日本人学校小学部遠足,小学部野外活動 6 高雄高中での化学実験風景
  • 7. 高雄日本人学校においては,小学部の歓迎遠足(学校行事)でこの寿山・柴山を目的地にし,教 育への有効活用を試みることもある。 また,平成 20 年度の小学部宿泊学習では,柴山登山をスケジュールに組み込んだ。台風の影響 で 2 月に延期となったが,高雄市内の自然観察や野外活動には非常に身近な存在のひとつである といえる。 以下に児童の感想を紹介する。 「坂や階段がたくさんあるから大変でした。 山頂に着いたら高雄の町や台湾海峡が見えて, 景色が とても綺麗でした。「最初は楽に登れると思ったけど,サルがいるしたくさんの階段があって,自 」 然の厳しさを山の中で知りました。「最初想像していた山 」 宿 泊 学 習 で の 柴 山 登 山 とは違っていました。でこぼこもたくさんあるし,ほらあ なのような所もありました。先生に,サンゴでできている 山だと聞いて,もとは海だったんだとわかって,びっくり しました。「私でも登るのはつらかったのに,私達より年 」 上の人が当たり前のことをしているかのようにすいすい登 っていったのでスゴイと思いました。「ところどころ,家 」 族や友達とお茶を飲んでいる人たちがいて,のんびりして 過ごしているんだなあと思いました。 」 このように,高雄日本人学校では,台湾文化に触れ学ぶ 機会をとらえて,計画的に教育課程を編成している。 (5) 成果 ① 3 年間で約 60 回の柴山現地調査,台湾各地 7 回の現地調査の結果,教育活動に活用できるも のを見いだした。また,現地の小学校・中学校・高等学校など,学校教育においても教育課 程にきちんと位置づけられ,大都市でありながら地元の自然を活用して,自然科学の学習の 積み上げがなされていることが理解できた。 ② 日本での飼育栽培学習に関して,実際に児童生徒と共に行うことで季節のズレを実感するこ とができた。また,夏至の時期には南中高度が 90 度を超え北中することも児童生徒ととも に確認し,天体の動きの神秘に迫ることができた。このように,台湾の言語や習慣などの異 文化理解だけでなく,自然科学の面からも異文化理解を深めることができた。 ③ 柴山は,自然観察・探求活動等の科学的学習への活用だけでなく,台湾高雄市民の健康づく り・コミュニティーづくりとしての役割を果たしているという社会科学習への活用も大切で あることが理解できた。 (6) 課題 ① 在外教育施設に於いて,自然観察や地元市民の暮らしを間近に感じることのできる場所を確 保することは,とても困難である。しかし,この台湾高雄市に於いては「柴山」という自然 公園があり親しみを持って保護されている。この環境を活用し,自然科学・社会科学両面か らアプローチできるカリキュラムを開発することにより,より一層,異文化理解が深められ 学習の充実がなされることが大切である。 ② 台湾地元の各学校に於いては,幼稚園・小学校・中学校・高校の連続性を視野に入れ,地域 教材をカリキュラムに位置づけるような運営や組織づくりが行われており,今後の交流活動 の広がりが楽しみである。 ③ 日本国内に目を向けると,都市部の学校では,自然観察や直接体験を豊富に行うことが困難 7
  • 8. な地域がある。地域ぐるみで,憩いの公園やビオトープなどを整備し,高雄市のように世代 を越えて老若男女が集うことのできる場をつくりあげていく努力が必要だと感じた。 ※資料 1・・・現地調査の記録 H19.04.15 柴山・・・・・第 1 回現地調査 05.19 柴山・・・・・第 2 回現地調査 05.13 柴山・・・・・第 3 回現地調査 05.26 柴山・・・・・第 4 回現地調査 07.08 柴山・・・・・第 5 回現地調査 07.21 柴山・・・・・第 6 回現地調査 07.22 天通山・・・・・現地調査 07.26~27 阿里山・・・・・現地調査 08.06 柴山・・・・・第 7 回現地調査 08.17 半塀山・・・・・現地調査 09.02 柴山・・・・・第 8 回現地調査 09.09 牯嶺山・・・・・現地調査 09.27 柴山・・・・・第 9 回現地調査 10.20 柴山・・・・・第 10 回現地調査 11.11 柴山・・・・・第 11 回現地調査 12.08 柴山・・・・・第 12 回現地調査 12.21 鹽埕國中との交流授業(理科) 12.22 柴山・・・・・第 13 回現地調査 H20.01.05 柴山・・・・・第 14 回現地調査 02.10 柴山・・・・・第 15 回現地調査 03.24 柴山・・・・・第 16 回現地調査 03.25 柴山・・・・・第 17 回現地調査 03.28~30 雪山・・・・・現地調査 04.06 柴山・・・・・第 18 回現地調査 04.19 柴山・・・・・第 19 回現地調査 05.04 柴山・・・・・第 20 回現地調査 05.18 柴山・・・・・第 21 回現地調査 05.25 柴山・・・・・第 22 回現地調査 06.09 柴山・・・・・第 23 回現地調査 06.21 柴山・・・・・第 24 回現地調査 07.06 柴山・・・・・第 25 回現地調査 07.20 柴山・・・・・第 26 回現地調査 08.03 柴山・・・・・第 27 回現地調査 08.07 08.08 08.10 08.12~14 09.21 10.18 11.15 12.21 12.28 H21.01.18 01.24 02.14 02.21 03.01 03.14 03.21 03.28 04.11 04.25 05.10 05.23 06.06 06.20 07.04 07.18 08.29 09.19 10.03 10.17 11.07 11.28 12.12 H22.01.09 柴山・・・・・第 28 回現地調査 柴山・・・・・第 29 回現地調査 柴山・・・・・第 30 回現地調査 玉山・・・・・現地調査 柴山・・・・・第 31 回現地調査 柴山・・・・・第 32 回現地調査 柴山・・・・・第 33 回現地調査 柴山・・・・・第 34 回現地調査 高雄高中(高等学校)への視察 柴山・・・・・第 35 回現地調査 陽明山・・・・・現地調査 柴山・・・・・第 36 回現地調査 柴山・・・・・第 37 回現地調査 柴山・・・・・第 38 回現地調査 柴山・・・・・第 39 回現地調査 柴山・・・・・第 40 回現地調査 柴山・・・・・第 41 回現地調査 柴山・・・・・第 42 回現地調査 柴山・・・・・第 43 回現地調査 柴山・・・・・第 44 回現地調査 柴山・・・・・第 45 回現地調査 柴山・・・・・第 46 回現地調査 柴山・・・・・第 47 回現地調査 柴山・・・・・第 48 回現地調査 柴山・・・・・第 49 回現地調査 柴山・・・・・第 50 回現地調査 柴山・・・・・第 51 回現地調査 柴山・・・・・第 52 回現地調査 柴山・・・・・第 53 回現地調査 柴山・・・・・第 54 回現地調査 柴山・・・・・第 55 回現地調査 柴山・・・・・第 56 回現地調査 柴山・・・・・第 57 回現地調査 銘茶で有名な台湾高雄では,柴山自然公園に「泡茶(台湾式お茶)」 を持参して,家族・友人・同僚たちと楽しく時間を過ごすことが多い。 そのため,ヤカンやガスボンベを担いで訪れる市民も多い。 ※資料2・・・柴山自然公園に集う人たち の で あ る 。 い は , す べ て ボ ラ ン テ ィ ア に よ る も 柴 山 自 然 公 園 内 の お 茶 の ふ る ま 8