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在宅サポートチームを含めた在宅医療における多職種連携と情報共有(遠矢)
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在宅栄養サポートチーム(NST)も含めた
在宅医療における多職種連携と情報共有
2017.06.18
第19回日本在宅医学会大会
シンポジウム5
食の視点から見た多職種連携
桜新町アーバンクリニック
遠矢純一郎
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世田谷区のプロフィール
概況 平成28年4月現在
総人口 887,994人
65歳以上人口 178,426人
高齢化率 20.1%
要支援・要介護認定者数 36,924人
地域包括支援センター数 27カ所
在宅療養支援診療所 133カ所
桜新町
アーバンクリニック
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桜新町アーバンクリニック 在宅医療部&訪看ステーション
住所 東京都世田谷区用賀
スタッフ 医師10名(常勤5名)、看護師13名、薬剤師1名、
作業療法士1名、MSW1名、ケアマネ1名
<在宅医療診療実績>
患者数 410名(個人宅330名、施設80名)
看取り数 105名/年
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当院の在宅患者像
8割が後期高齢者、がん患者が約4割
がん
38%
認知症
18%
心疾患
11%
脳血管疾患
8%
呼吸器疾患
7%
神経系の疾患
3%
整形外科疾患
4%
その他
11%
65歳未満
8%
65-74歳
9%
75-84歳
35%
85-94歳
39%
95歳以上
9%
年齢構成割合(n=325) 疾患割合(n=325)
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在宅医療と栄養障害
慢性期病床の高齢者の約4割,
在宅療養中の約3割に低栄養が
存在する*
*Clin Nutr. 2006;25:962-967
“低栄養状態”の高齢者は要介護
度が高いほど増える傾向にあ
り.要介護5では6割にも及ぶ.
- 6. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
フレイルは心身低下の悪循環を招く
慢性的な栄養障害は、さらなる衰弱の連鎖を惹き起こしてしまう
6
認知症
慢性的
低栄養
サルコペニア
疾病 加齢による
筋肉量低下
食事量
低下
エネルギー
消費量低下
活動量
低下
筋力
低下
フレイル
サイクル
ADLの低下
食べられない
- 7. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
認知症と生きがいに関する研究
アルツハイマー病の経過は、生きがいをどの程度感じて生活でき
ているかによって、大きく異なることが明らかとなった。
脳の病理的変化が進んだとしても、「生きがいの感じられる生活」
が送れていれば認知機能低下は緩やかとなる。
Effect of Purpose in Life on the Relation Between Alzheimer Disease Pathologic
Changes on Cognitive Function in Advanced Age - Boyle, JAMA Psychiatry, 2012
「生きがい、生きる意味」を奪われると、
認知症の進行は加速する
7
病理学的進行 病理学的進行
認
知
機
能
の
低
下
認
知
機
能
の
低
下
認
知
機
能
の
低
下
時間の経過
- 8. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.厚労科研(長寿科学総合研究事業)高齢者に対する適切な医療提供に関する研究. (H22-長寿-指定-009)
高齢者医療の優先順位に関する意識調査
専門医はQOLを第一に考え、
当事者は病気の治療や回復を1番に希望している
- 9. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
症例 80歳女性
• 神経難病(多系統萎縮症)があり,要介護4
• トイレまでの数mを伝い歩き可、嚥下障害あり
• 訪問診療・訪問リハビリ・訪問介護を利用
• 尿路感染症にて入院後、歩行障害と2か月で4kg
の体重減少。(27.8kg/149cm)
1.栄養状態を把握する
2.原因を考える
3.実際の介入を始める
4.モニタリングをおこなう
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1.栄養状態を把握する
在宅高齢者の栄養スクリーニング
➡ Mini Nutritional Assessment
Short Form (MNA®-SF)
客観的評価
➡ 身体計測;上腕囲、上腕皮下脂肪厚など
絶対値より経時的変化が重要
現実的には体重が簡便
➡ 生化学評価
アルブミン,総コレステロール、Hb、
トランスフェリン、血中総リンパ球数
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2.原因を考える
分類 主な原因
社会的要因 独居、介護力不足、ネグレクト、孤独感、貧困
精神心理的要因 認知機能障害、抑うつ、誤嚥・窒息の恐怖
加齢要因 食欲低下、日常生活動作低下、嗅覚味覚視覚障害
疾病要因
臓器不全、炎症・悪性腫瘍、疼痛、歯科的問題、
咀嚼嚥下障害、消化管の問題、薬剤の影響
その他
不適切な食形態、栄養に対する誤認識、医療者の
誤った指導
(葛谷雅文 低栄養 新老年医学 第3版 2010;579─90 より引用)
高齢者の代表的な低栄養の原因
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認知症の栄養における課題と支援
【食に関連する支援】
• 盛り付け・配膳をすることで“食”を感じる
• 一緒に食事を摂り、さりげなく見守りや介助を行う
• 使いやすく認識しやすい食器を用いて、自立を促す
• 体重変化に注意し、バランスの良い食事を提供する
• 食欲低下の原因となり得る薬剤を減量・中止する
• 嚥下機能に合わせた形態の調整や摂食介助を行う
【認知症の方における食行動の変化 】
• 実行機能障害 買い物の困難さ,食事の準備ができなくなる
• 記憶・見当識障害 食べたこと、食べることを忘れる
• 食事行為の低下 姿勢、食べ方、集中力など
• 嗅覚・味覚障害、食べる意欲の低下 うつ、薬剤性など
• 摂食嚥下機能の低下
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訪問栄養士を含めた多職種介入
25
30
35
40
45
2015.06.30 2015.08.18 2015.12.17 2016.02.14 2016.05.06 2016.07.28 2016.10.06 2017.01.10 2017.05.18
体重 (kg)
13
2016 2017
27.6kg
40.0kg
訪問リハビリより
体重増に伴う
膝痛の指摘
圧迫骨折にて
腰痛悪化
室内歩行
再開
腰痛軽減
トイレ歩行
再開
ヘルパーへの
調理指導
訪問栄養士
介入開始
退院され訪問
リハビリ再開
栄養士、訪問看護師、ヘルパーの連携により、効果的な支援につながった
#1 嚥下障害
形態の工夫、飲料はすべてゼリーに
#2 食欲不振、体重減少
#3 ヘルパーへの調理支援
本人の嗜好に合わせたメニュー
少量で高栄養かつ簡便な献立を提案
アボカドやレトルト、栄養ゼリーも利用
#4 姿勢の保持
クッションなど補助具を使用
#5 口腔・歯科的問題
訪問歯科による義歯作成の検討
訪看による口腔ケア
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4
)
摂
食
状
況
・
食
物
形
態
・
栄
養
的
視
点
3)姿勢・活動的視点
2
)
摂
食
嚥
下
の
機
能
的
視
点
食支援の包括的評価と介入スキル
14
1)心身の医学的視点
食べる意欲
全身状態 呼吸状態
口腔状態
認知機能
食事動作
捕食・咀嚼
送り込み
嚥下
姿勢・耐久性活動
栄養状態
食物形態
摂食状況
レベル
包括的支援
スキル
小山珠美著 「口から食べる幸せをサポートする包括的スキル」より引用
- 15. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
在宅医が携わる食支援と連携すべき専門職種
チームメンバーの専門性やスキル、役割を明確に
評価内容 連携先
・正確な食事摂取状況の把握 家族、介護士
・栄養必要量と実際の栄養摂取量 訪問栄養士
・口腔状況、摂食嚥下機能 訪看、歯科医、ST
・認知機能 在宅医、作業療法士
・低栄養の原因となる疾病や薬剤 薬剤師
・社会的、心理的要因
ケアマネ
地域包括支援センター
・家族や介護者の食準備・介護状況 介護士、ケアマネ
- 16. Sakura Shinmachi Urban Clinic Copyright © Platanus All Rights Reserved.
多職種連携のチームワークを高める
カルチャーのあり方
分からなければすぐ聞ける垣根の低さ
小さな成功事例を集める
インシデントは宝
ルーティンワークとして定着させる
チームの取り組みを周知する
16
連携するモチベーションを上げ、相乗的な質の向上を目指す
Notas del editor
- どうしましょうか。
まずは、ほんとに痩せてきたのか…いまの栄養状態を評価します。
そして、なぜ食べられなくなったのか原因を探ります。
それに応じて介入、その後のモニタリングを行います。
- 952名の在宅療養中の高齢者の身体計測 訪問看護師に依頼
35.9% 身長測定できず
30.7% 体重測定できず
- 失行→うまく食器がつかえない
失認・空間認知障害→認識できない 食器の変更
- チームの取り組みを周知する
それぞれのメンバーが取り組むことはもちろん、チーム以外のスタッフにも理解いただき、協力頂くことで効果的な取り組みができ、またそれが組織内に広まる効果が得られます。
分からなければすぐ聞ける垣根の低さ
多様な職種のメンバーが集まるとお互いの知識の違いが分かります。知らないことをすぐに聞けるような垣根の低さ、気軽さがあると、お互いに頼ることが出来るようになり、協働が促進しやすくなります。
小さな成功事例を集める
発足間もないチームで困難事例にいきなり取り組むと、挫折してしまうこともあります。まずは取り組みやすそうな事例から取り組むことで、小さな成功例を積み、チームの総合力を高めましょう。
インシデントは宝
チームで起きた困ったこと、失敗だったことは必ず記録に残しておきましょう。失敗した人を責めるのではなく、チームで前向きに対処した経験が、チームの力を高めていきます。
ルーティンワークとして定着させる
チームでの取り組みを始めて初期は、ルーティンワークに仕事が追加されたような気持ちになります。毎回定期的に行うことで、スクリーニングや観察も自然にルーティンワークに定着し、個人のスキルとして身に付きます。