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49 82 154 172 250 336 291
1441
2209 2456 2694 2865 2814 2914
4482
4227
4703
5034
5082 4853 4854
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000
9000
1980年 1990年 1995年 2000年 2005年 2009年 2010年
~499g 500~999g 1000~1499g
(厚生労働省人口動態統計)
10. 極低出生体重児の在胎週数別生存率
22,23週 24,25週 26,27週 28,29週 30,31週
生存 527 1812 2699 3529 2979
死亡 433 395 271 164 109
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
死亡 生存
(周産期母子医療ネットワークデータベース)対象:2003~2007年出生児
16. 高槻病院NICU入院統計(出生体重別)
31 40 44 43 41 46 30 42 37 39
33 46 27 37 36 40
36
51 34 30
0
100
200
300
400
500
600
2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
≧2500
<2500
<2000
<1500
<1000
25. 乳児期のKey ageでの神経生理学的評価
生理学的基盤 獲得する機能
生後4か月 原始反射からの離脱
頸定
手と口・手と手の協調
追視
腹臥位での肘支持
咀嚼
生後7か月
立ち直り反応の
優位性確立
寝返り
手と足の協調運動
座位
下肢への荷重
物の持ち替え
生後10か月 平衡反応の出現
四つ這い
つかまり立ち
安定した座位での両手遊び
宮田広善, ハイリスク児のフォローアップマニュアル,65-69, 2007
27. 主な乳幼児の発達・知能検査
検査名 適応年齢 所要時間 特徴
新版K式
発達検査
3か月
~13歳
30-60分 姿勢・運動(P-M)、認知・適応(C-A)、言
語・社会(L-S)の領域について月齢別に
相当する324項目の判定により実施
WISCⅢ
知能検査
5~16歳 60-80分 言語性、動作性、全体の3種類のIQが
算定可能。下位検査のプロフィールか
ら知能構造の特徴を評価可能。
WPPSI
知能検査
3歳10か月
~7歳
45-70分 WISC知能検査の幼児版
田中・ビネー式
知能検査
2歳~成人 30-60分 年齢尺度別に配列された118項目の問
題。個別知能検査としては比較的簡便。
K-ABC心理教育
アセスメント
バッテリー
2歳6か月
~13歳
30-60分 知的な能力について、認知処理能力、
習得度に分けて評価。教育、指導に直
結させることが可能。
発達指数DQ=(発達年齢/生活年齢)×100 知能指数IQ=(精神年齢/生活年齢)×100
29. ベイリーⅢ乳幼児発達検査:内容
1. 認知:91項目
2. 言語:表出言語47項目、受容言語47項目の計94項目
3. 運動:粗大運動72項目、微細運動66項目の計138項目
4. 社会-情動:35項目
5. 適応行動:
コミュニケーション、地域社会の利用、健康と安全、遊び、
基本的生活習慣、自律、学業の準備機能、家庭生活、
社会、運動の9領域で合計241項目
• これらを基に5つの側面の発達をプロフィールで表す。
• 5つの領域における子どもの長所と弱点を見いだし理解すること
を目的としているため、全体を代表する一つの数値は出さない。
中澤潤:発達障害児者支援とアセスメントに関するガイドライン, 2013
33. 超低出生体重児の6歳時予後
1990年
n=548
1995年
n=394
2000年
n=451
2005年
中間集計
精神発達
正常 64.3 60.9 57.4
境界 18.2 18.8 16.0 19.8
異常 17.5 20.3 26.6 23.3
脳性麻痺 13.5 15.5 17.3 12.6
視覚障害
失明(両眼) 3.1 (2.2) 2.0 (1.0) 2.4 (1.4) 0.0 (0.0)
弱視 12.6 10.4 10.3 12.5
斜視 11.1 7.4 7.7 6.0
聴力障害 2.0 0.5 3.2 2.7
てんかん 5.8 5.1 5.4 2.8
注意欠陥多動障害 3.3 1.4 1.3 3.2
反復性呼吸器感染 4.0 7.6 5.8 5.0
喘息 7.5 10.7 7.0 11.8
在宅酸素療法 0.0 1.8 0.2 1.1
単位:パーセント 上谷良行.周産期医学42(5):597-600, 2012.
34. 超低出生体重児の就学について
1990年 1995年 2000年 2005年
中間集計
普通学級 83.2% 80% 75% 59%
障害児学級 5% 4% 8% 11%
養護学級 5% 6% 6% 7%
未定 7% 10% 11% 23%
就学猶予 5例 2例 1例 0例
上谷良行.周産期医学42(5):597-600, 2012.
35. 超低出生体重児の発達評価:3歳時
75.0 70.2 62.2 62.6
10.9 14.9
18.2 20.3
14.1 14.9 19.6 17.1
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1990年 1995年 2000年 2005年
正常 境界 異常
上谷良行.周産期医学42(5):597-600, 2012.
36. 超低出生体重児の発達評価:6歳時
64.3 60.9 57.4 56.9
18.2 18.8
16.0 23.3
17.5 20.3 26.6 19.8
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1990年 1995年 2000年 2005年※
正常 境界 異常
上谷良行.周産期医学42(5):597-600, 2012.※2005年は中間報告
62. 超低出生体重児の聴覚・視覚予後
1990年 1995年 2000年 2005年
3歳
聴覚障害 2.2% 2.1% 2.4% 1%
視力:両眼失明 2.2% 1.2% 0.6% 1%
視力:片眼失明 0.6% 0.7% 0.0% 4%
視力:弱視 5.5% 5.0% 6.1%
6歳
聴覚障害 2.0% 0.5% 3.2%
視力:両眼失明 2.2% 1.0% 1.4%
視力:片眼失明 0.9% 1.0% 1.0%
視覚:弱視 12.6% 10.4% 10.3%
視覚:斜視 11.1% 7.4% 7.7%
9歳 視力:両眼失明 3.7%
上谷良行, 厚生労働科学研究, 2008
63. 聴覚とことばの発達チェックリスト
修正3か月ごろ
大きな音に驚く。
大きな音で目を覚ます。
音がする方を向く。
泣いているときに、声をか
けると泣きやむ。
あやすと笑う。
話しかけると、「アー」
「ウー」などと声を出す。
修正6か月ごろ
音がする方を向く。
音が出るおもちゃを好む。
両親など、よく知っている
人の声を聞き分ける。
声を出して笑う。
「キャッキャッ」と声を出し
て喜ぶ。
人に向かって声を出す。
三科 潤. ハイリスク児のフォローアップマニュアル, 52-53, 2007.
64. 聴覚とことばの発達チェックリスト(つづき)
修正9か月ごろ
名前を呼ぶと振り向く。
「イナイイナイバー」の遊びを
喜ぶ。
叱った声「ダメッ!」「コラ!」
などというと、手を引っ込め
たり、泣き出したりする。
おもちゃに向かって声を出す。
「マ」「パ」「バ」等の音を出す。
「チャ」「ダダ」等の音を出す。
修正12か月ごろ
「ちょうだい」「ねんね」「いらっ
しゃい」などのことばを理解する。
「バイバイ」の言葉に反応する。
大人の言葉をまねようとする。
意味のある言葉ではないが、
さかんにおしゃべりする。
意味がある言葉を1つか2つ言
える。(食べ物のこと「マンマ」、
おかあさんを「ママ」など)
単語の一部をまねして言う。
三科 潤. ハイリスク児のフォローアップマニュアル, 52-53, 2007.
76. 母乳育児の利点
赤ちゃんにとっての利点 母親にとっての利点
1. 疾病の予防や軽症化
2. 母乳は最適な栄養源である
3. 顔全体の筋肉や顎を発達させ
る
4. 消化に良く、便秘になりにくい
5. 免疫機能を強化する
6. 愛着と信頼感を深める
7. いつも新鮮・適温・衛生的
8. アレルギーのリスクを下げる
9. 認知能力を発達させる
10.早期接触により体温・呼吸数
の安定や常在細菌叢の獲得
を助ける
1. 妊娠前の体重復帰を促す
2. 排卵を抑制する
3. 精神的な安定をもたらす
4. 乳癌・卵巣癌・子宮体癌の罹患率を
低下させる
5. 閉経後の大腿骨頸部骨折や骨粗鬆
症が減る可能性がある
6. 衛生的・経済的で手間がかからない
7. 災害時にも衛生環境が悪化しても、
授乳でき、母と子双方の精神的安定
に役立つ
8. 児が欲しがるとき、欲しいだけ飲ませ
ることができる
76
涌谷桐子編:すぐ使える70の事例から学ぶ母乳育児支援ブック, 2009(一部改変)
77. 低出生体重児・早産児に重要な母乳の利点
• 胃から十二指腸への移行が早い。
• 腸管の透過性を早く低下させる(正期産児)。
• 胃残が少なく、経腸栄養の確立が早い。
• 腸管の成長、蠕動運動、成熟を促す因子が母乳中に存在する。
• 母乳中の酵素は児の未熟な消化吸収を助ける。
• 栄養確立が早く、栄養輸液の合併症を減らし、輸液期間を短縮させ、
点滴による感染症や漏れを減らし、入院期間が短縮する。
• 母乳で育てられた児では壊死性腸炎を来す頻度が低い。
• 敗血症の罹患率が減少する。
• 尿路感染症の減少に関連する。
• 母乳で育った極低出生体重児では知能指数がより高い傾向にある。
• 母乳で育った極低出生体重児では視機能の発達がよく、未熟児網
膜症の発症頻度が少ない。
• 抗酸化作用があり、酸化的ストレスから早産児を守る。
中村和恵:Neonatal Care 25(8):791, 2012 (一部改変)
87. Nyqvist KH, et al. J Hum Lact. 29(3): 300-309, 2013.
Three Guiding Principles and Ten Steps to
Successful Breastfeeding for Neonatal Wards
88. 「NICU拡張版母乳育児成功のための
3つの基本原則と10か条」
Nyqvist KH, et al. J Hum Lact. 29(3): 300-309, 2013.
【基本原則】
1. 医療者の母親に対する姿勢は、それぞれの母親や
母親のおかれた状況に則したものでなければなら
ない。
2. 病院は家族中心の看護・ケア(family-centered
care)を、環境面も含めて提供しなければならない。
3. 産前、周産期、産後、退院後を通して継続性のある
看護・ケアを保証しなければならない。
※注:演者が独自に私的利用を目的として翻訳したものです。ご了解ください。
89. 「NICU拡張版母乳育児成功のための
3つの基本原則と10か条」
Nyqvist KH, et al. J Hum Lact. 29(3): 300-309, 2013.
【NICU版10か条】
1. 書面化した母乳育児に関する指針をその施設の全ての医療従事者に対
して知らせること。
2. その指針を実施するために必要となる専門的知識や技術を、すべての
医療スタッフに対して教育し訓練を行うこと。
3. 入院中の妊婦で、早産児や病気をもつ赤ちゃんを出産する可能性があ
る方全員に対して、母乳育児の方法と母乳育児の利点について情報提
供を行うこと。
4. 早期から持続的で長時間の母と子の皮膚接触(カンガルーマザーケア)
を根拠のない制限を行わずに推奨すること。赤ちゃんを出生直後から最
低1時間以上は母と皮膚接触を行うこと。赤ちゃんが哺乳するタイミング
を母親がつかめるようにして、必要ならば手助けをする。
5. 母親に対して母乳の分泌開始と維持の方法を教え、赤ちゃんの状態が
安定することだけを条件に、早期から母乳育児が行えるようにすること。
※注:演者が独自に私的利用を目的として翻訳したものです。ご了解ください。
90. 「NICU拡張版母乳育児成功のための
3つの基本原則と10か条」
Nyqvist KH, et al. J Hum Lact. 29(3): 300-309, 2013.
【NICU版10か条】
6. 医学的な必要がない限り、母乳以外の食べものや飲みものを与
えないこと。
7. 母と子が1日中24時間、一緒にいられるようにすること。
8. 早産児や病気をもつ赤ちゃんが自律哺乳(欲しがるときに欲しが
るまま)、必要に応じて準自律哺乳できるように支援すること。
9. 直接哺乳が十分に確立するまでは哺乳瓶以外の方法で授乳し、
おしゃぶりやニップルシールドは正当な理由があるときのみ使用
すること。
10. 両親が退院後も母乳育児が続けられるよう支援し、退院後母乳
育児支援に関するサービスやグループが確実に利用できるよう
にすること。
※注:演者が独自に私的利用を目的として翻訳したものです。ご了解ください。
92. NICUにおける母乳栄養率データ
• アメリカ:Boston Medical Center NICU
生後2週間:母乳栄養*66%(1999)→80%(2009) *混合含む
Parker M, et al. J Hum Lact.29(3):354-8, 2013.
• イタリア:NICU12施設から退院した極低出生体重児594名
退院時:母乳栄養30.5%、混合24.0%、人工栄養45.5%
Davanzo R, et al. Paediatr Perinat Epidemiol.23(6):591-6, 2009.
• イタリア:Bambino Gesù Children's Hospital (BFH)
退院時:母乳栄養21.2%(1998)→64.0%(2002)
Dall'Oglio I, et al. Acta Paediatr.96(11):1626-31, 2007.
• ブラジル:Darcy Vargas Maternity Hospital(BFH)
退院時:母乳栄養84.4%、混合10.2%、人工栄養5.4%
do Nascimento MB, Issler H. J Hum Lact.21(1):47-52.2005.
93. 高槻病院NICUの入院初期栄養方法
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2009
2010
2011
2012
母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2009
2010
2011
2012
母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2009
2010
2011
2012
母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2009
2010
2011
2012
母乳
混合
人工
在胎22~27週 在胎28~31週
在胎32~36週 在胎37週以上
2009~2012年にNICU入院した新生児における
NICU入院初期(生後24時間)の栄養方法は
母乳のみ20.5%、混合69.0%、人工乳のみ10.5%
(全体の89.5%で母乳栄養を行っていた。)
94. 高槻病院NICUの退院時栄養方法
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012
年度
2011
年度 母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012
年度
2011
年度 母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012
年度
2011
年度 母乳
混合
人工
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2012
年度
2011
年度 母乳
混合
人工
在胎22~27週 在胎28~31週
在胎32~36週 在胎37週以上
2012年度にGCU入院した新生児における
GCU退院時(退院前72時間)の栄養方法は
母乳のみ32.8%、混合53.3%、人工乳のみ14.0%
(全体の86.0%で母乳栄養を行っていた。)
124. 低出生体重児と虐待の関連
【国内での被虐待児に関する調査】
• 1984~1986年被虐待児症候群の全国調査(松井一郎ら, 1991)
被虐待児中43%が低出生体重児
• 全国のNICUを対象とした調査(小泉武宣, 2000)
周産期医療施設で捉えられた虐待例のうち47%が極低出生体重児
• 大阪府保健所の養育問題調査(大阪児童虐待研究会, 2008)
虐待ハイリスク群536例のうち、15.3%が低出生体重児
虐待に至った事例83例のうち、15例(18.3%)が低出生体重児
• 厚生労働省「児童虐待死亡事例の検証」(2004年)
死亡症例125例中9例が未熟児
【リスク増大に関する報告】(Wu SS, et al. Child Abuse Negl, 28:1253-64, 2004.)
①妊娠中のたばこ ②子ども2人以上 ③医療経済面の援助を受けている
④未婚 ⑤低出生体重児 の5項目があると、一般の子育てと比べて
虐待発生率が7倍になる。
126. 周産期における虐待・ネグレクトのハイリスクサイン
出生前 分娩室 出生後
• 妊娠の否定
• 子どもの性別や動
作への過度な関心
• 母親の抑うつ状態
• 両親の虐待・
ネグレクトの既往
• 父親や家族からの
支援の欠如
• 狭い家屋
• 電話がない:孤立
• 中絶を考慮
• 分娩に対する極度
の恐れ
• 子どもとのeye-
contactの欠如
• 子どもの性別に対す
る失望
• 両親相互の援助の
欠如
• 子どもへの愛情的な
話しかけの欠如
• 子どもへの敵意のあ
る意見や表情
• 子どもの外観への否
定的なことば
• 子どもとのeye-contactの欠如
• 子どもの性別に対する失望
• 子どもについての否定的な意見
• 発達に対する非現実的な期待
• 啼泣により高度に悩まされている
• 授乳やおむつ換えに対する拒絶
• あやしの欠如
• 父親、家族、友人の支援の欠如
• 親の役割の放棄(他人まかせ)
• 子どもの健康や行動に対する不
必要な心配
• ねたみや否定的な夫や家族
子どもより親が注目を求めようと
する
Gray JD, et al. Semin Perinat, 13:85-90,1979(中山英樹訳, 一部改変)
127. 低出生体重児を出産した母親の心理
ネガティブな思い ポジティブな思い
• 早産による喪失感
• 子どもへの謝罪
• 子どもの状態への不安/子どもの
将来の成長発達への不安
• 子どもの退院による生活の変化への
不安
• 育児の困難さ、育児への自信のなさ
• 親役割の葛藤
• 児への愛情/子どもの存在の喜び
• 順調な成長・発達への願い/
子どもの成長・発達に対する
安心・喜び
• わが子の理解/育児の喜び
• 親の自己成長への決意や家族の
成長
• 自責の念や罪悪感から、他人への自分自身の気持ちの表出をためらい、
支援を求められないことがある。
• 母親の思いをくみとり、心配事を一緒に解決するプロセスのなかで母親と
信頼関係を築き上げることが重要である。
低出生体重児保健指導マニュアル, p19, 2012
132. Late Preterm Infantsとは・・・
Late Preterm Infant(後期早産児)
• 2005年のNICHDワークショップにおいて新たに提唱された。
• 在胎34週0日~36週6日で出生した児を指す。
• 米国で全出生の9.1%、早産児の70%以上(2005年)、
日本で全出生の10.7%、早産児の約60%(2006年)を占める。
• 正期産児と比較して低血糖、黄疸、哺乳不良など、未熟性に
起因した医学的問題を抱えるリスクが高い。
• 正期産児と比較して乳児死亡率や再入院率、救急受診率が
高く、医療に与える影響が大きい。
• 将来的に正期産児と比較してメタボリック・シンドロームのリス
クも併せ持つと考えられている。
137. Late Preterm児の母乳育児支援
1. 児が十分量の母乳を飲むことができるために
1) 眠りがちな児は起こし、早期からほしがるサインに
合わせて授乳する。
2) 確実に飲みとれているかどうかを評価する。
2. 母親の乳汁分泌を確立するために
毎回の授乳後または3時間毎を目安に搾乳する。
3. 母親や家族への配慮
・「小さく、早く生まれた赤ちゃん」という思い
・とにかく早く大きく育てた方が良いのではという誤解
・特別な配慮や具体的な情報提供がなされずに退院して、
「うまくいかない」と感じている
・母親自身の慢性疾患や合併症、育児に対する不安など
145. Take Home Message
• 周産期医療の進歩によって新生児死亡率は劇的に減少し、
多くのNICU入院児は生存退院している。
• その一方でNICUを退院した超低出生体重児の長期予後は、
著しい改善が見られない。
• 退院後に発達や発育面において何らかの問題を有する児は
少なくなく、退院後に限らず産前や妊娠中、入院中も含めて、
両親や家族が抱える不安や、母(養育者)の身体的・精神的
問題にも配慮し、実効的で継続的な支援が必要である。
• 大きな心をもって小さな命をたいせつに育もうという気持ちと、
その母子にとって真に必要とされる細やかなフォローアップが
私たち周産期医療に携わる医療者一人一人に求められてい
る。
Notas del editor 当院の概要です。病床数477床、2001年に総合周産期母子医療センター、2008年に赤ちゃんにやさしい病院の認定を受けており、現在産科47床、MFICU6床、NICU21床、GCU30床です。 参考:新版K式は検査項目211項目 参考:新版K式は検査項目211項目 SGAで出生した小児が2 歳までに catch‑up しない場合には,小児期を通じて低身長のまま経過することが知られており,これはSGA 性低身長症と呼ばれる
本症は,健常小児より平均的な時期かやや早く思春期にはいる傾向があり1),多くは成人身長も低身長に終わり,成人の低身長の約 20% を占めると報告されている2)3).SGA 性低身長症児に対し,約40 年前より成長ホルモン(GH)治療が行われ,多くの有効性・安全性のデータが蓄積された.これをもとに米国 Food and Drug Administration(FDA)は 2001年に,ヨーロッパの European Medicines Evaluation Agency(EMEA)は 2003 年に,SGA 性低身長症に対する GH 治療を認可した
SGAで出生した小児が2 歳までに catch‑up しない場合には,小児期を通じて低身長のまま経過することが知られており,これはSGA 性低身長症と呼ばれる
2005年に開催された米国NICHDのワークショップにおいて、在胎34~36週で出生した早産児は未熟性に起因した医学的問題点を抱えるリスクが多く、正期産児に比較して乳児死亡率が3~4倍高いことや再入院や救急室受診率が高いことが報告され、また早産児の出生全体に占める割合が大きいために医療に与える影響が大きいことなどが議論された。
それまで使用されてきた”Near-term”はほとんど成熟しているといった誤った印象を与えるため、”Late Preterm”という新しい概念が提唱された。
乳汁生成2期に影響する因子
帝王切開、妊娠高血圧症候群、糖尿病、分娩前の母体に対する治療、授乳開始の遅れ、母子分離
乳汁分泌開始遅延のリスクと重なる項目が多く、母乳分泌支援において特別な配慮が必要である。