ダルスは寒帯性の紅藻類であり、コンブの養殖ロープに繁茂する。その資源量は函館市南かやべ地区のみで約1,000(t/年)とされているが、コンブ漁が盛んであるため低次利用資源とされている。これまでに、ダルスがタンパク質、ミネラル、ビタミンなどを豊富に含むことを見出し、フィコエリスリンに抗酸化作用、キシロオリゴ糖にビフィズス菌増殖作用など、ヒトの健康に良い成分が含まれることを示した。また、これらの成分が月ごとに変化することを明らかにした。海洋深層水は栄養塩類を豊富に含むため、ダルスを漬けることで成分の安定化や高栄養化が期待できるのではないかと考えた。本研究では、海洋深層水へ漬けることでダルスの成分が変化するかについて試験した。その結果、成分の変動を確認し、それにより機能性成分を高めた付加価値を持つダルスを生産できる可能性を示した。