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劣モジュラ最適化と機械学習 2.5節
- 2. 自己紹介と告知
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- 7. 定義域の違い
劣モジュラ関数𝑓: 2 𝑉
→ ℝの定義域
離散領域{0,1} 𝑛
ロヴァース拡張 𝑓: ℝ≥0
𝑛
→ ℝの定義域
{0,1} 𝑛を連続化した𝑛次元の非負象限ℝ≥0
𝑛
劣モジュラ関数と凸性の等価性が導かれる
- 17. 多重線形拡張 𝑓の部分的凹関数の確認
ℎ 𝑡 = 𝑓 𝑡, 1 − 𝑡 = −2𝑡2
+ 7𝑡
例: 𝒂 = (1,1) 𝒃 = (0,0)
ℎは確かに凹関数
ℎ(𝑡) = 𝑓(𝑡, 1 − 𝑡) = 2𝑡2
− 𝑡 + 3
例: 𝒂 = (1, − 1), 𝒃 = (0,1)
この場合ℎは凸関数
1変数関数ℎ: ℝ → ℝをℎ(𝑡) = 𝑓(𝑡𝒂 + 𝒃)
ℎは凹関数 (𝒂 ∈ ℝ≥0
2
, 𝒃 ∈ [0, 1]2)
ℎは凸関数 (それ以外)
- 18. この後の流れ
• 2.5 劣モジュラ関数と凸性
• 2.5.1 : 集合関数のロヴァース拡張
• 劣モジュラ関数とは限らない関数と劣モジュラ関数のロヴァー
ス拡張について
• 2.5.2 : 劣モジュラ関数と凸関数
• 劣モジュラ関数と凸関数に等価性について
• 2.5.3 : 劣モジュラ関数の多重線形拡張
• 劣モジュラ関数の多重線形拡張の定義とその性質
- 20. 𝑔 の定義域2 𝑉
2 𝑉 ≅ {0,1} 𝑛と表記
𝑛次元0 − 1ベクトル全体の集合{0,1} 𝑛
𝑔 の定義域2 𝑉
S ⊆ 𝑉と𝜒 𝑠 ∈ {0, 1} 𝑛
の対応
を考えると同一視できる
- 21. ロヴァース拡張 𝑔の定義
を満たす必要があるが、{𝟎, 𝟏} 𝒏
に含まれな い𝒛 ∈ ℝ≥𝟎
𝒏
につ
いて、 𝒈(𝒛)の値を決める必要がある
𝑔が自然な連続化関数とすると、
定義域を離散領域の2 𝑉 ≅ {0,1} 𝑛から非負象限ℝ≥0
𝑛
へと拡張し、ロヴァース拡張 𝑔: ℝ≥0
𝑛
→ ℝを定義する
- 22. ロヴァース拡張の関数値 𝑔(𝒛)の定義
𝒛 = ( 𝑧1, 𝑧2, … , 𝑧 𝑛) ∈ ℝ≥0
𝑛
: 𝑛 次元の非負ベクトル
𝐿 = (𝑖1, 𝑖2, … , 𝑖 𝑛): 𝑉の任意の線形順序
𝐿(0) = {}, 𝐿(𝑗) = {𝑖1, … , 𝑖𝑗}(𝑗 = 1, … , 𝑛)
𝝌 𝐿(1), … , 𝝌 𝐿(𝑛): 𝑛個の特性ベクトル
記号
- 25. 具体例: 𝑧 = (1, 0.5, 0.7, 0.1) ∈ ℝ4
の 𝑔(𝒛)
という非負結合表現が得られるので,
が得られる
𝑧1 ≥ 𝑧3 ≥ 𝑧2 ≥ 𝑧4より線形順序𝐿 = (1,3,2,4)であるから
- 26. ここまでのまとめ
この定義より、各S ⊆ 𝑉について
𝑔 𝝌 𝑆 = 𝑔(𝑆) (2.29)が成立。
記号
� = {1,2, . .. , � } :台集合
� : 2 → ℝ:任意の(劣モジュラとは限らない)正規
化された集合関数
S ⊆� :各部分集合
� ∈{0, 1} : � の特性ベクトル
ロヴァース拡張の関数値� (� )
よって、ロヴァース拡張
𝑔: ℝ≥0
𝑛
→ ℝは集合関数𝑔: 2 𝑉 →
ℝの自然な拡張になっている
- 29. 𝐶 𝐿
の図形的解釈
𝐶 𝐿
は錐:𝐳 ∈ 𝐶 𝐿
かつα ≥ 0ならばα𝒛もまた𝐶 𝐿
に含ま
れることからわかる
錐は𝑛! 個:𝐿のとり方だけあるので、非負象限ℝ≥0
𝑉
。
は𝑛! 個の錐に分割される
- 30. ロヴァース拡張 𝑔
ロヴァース拡張 𝑔: ℝ≥0
𝑛
→ ℝの定義式(2.32)より、各
錐𝐶 𝐿
の上に限れば線形関数
𝑔は𝑛! 個の線形関数を連結させることで
得られる関数
ロヴァース拡張の関数値� (� )
- 31. 錐𝐶 𝐿
とロヴァース拡張の値の関係
のように𝝌 𝐿(1), … , 𝝌 𝐿(𝑛)の非負結合で表されるベクトル全体と
一致。この時、ロヴァース拡張の値は以下のようになる
錐𝐶 𝐿 = 𝐶(𝑖1,… ,𝑖 𝑛)は、𝑛個の特性ベクトル𝝌 𝐿(1), … , 𝝌 𝐿(𝑛)と任
意の𝑛 個の非負実数λ1, … , λ 𝑛 ≥ 0を用いて
ロヴァ ー ス拡張の値
- 32. 具体例:𝑛 = 2
• 𝑔: 2{1,2} → ℝ
• 非負象限ℝ≥0
2
は以下の二つに分割される
• 𝐶(1,2)
= {(𝑧1, 𝑧2) ∈ ℝ2
: 𝑧1 ≥ 𝑧2 ≥ 0}
• 𝐶(2,1)
= {(𝑧1, 𝑧2) ∈ ℝ2
: 𝑧2 ≥ 𝑧1 ≥ 0}
• ロヴァ ース拡張 𝑔: ℝ≥0
2
→ ℝは次で与えられる
関数 𝑔は、確かに𝑪(𝟏,𝟐)と𝑪(𝟐,𝟏)の上
では線形関数
- 33. 具体例:𝑛 = 3
• 𝑔: 2{1,2,3} → ℝ
• 非負象限ℝ≥0
3
は3! = 6個の錐に分割
• 𝐶(1,2,3), 𝐶(1,3,2), 𝐶(2,1,3), 𝐶(2,3,1), 𝐶(3,1,2), 𝐶(3,2,1)
- 34. この後の流れ
• 2.5 劣モジュラ関数と凸性
• 2.5.1 : 集合関数のロヴァース拡張
• 劣モジュラ関数とは限らない関数と劣モジュラ関数のロヴァー
ス拡張について
• 2.5.2 : 劣モジュラ関数と凸関数
• 劣モジュラ関数と凸関数に等価性について
• 2.5.3 : 劣モジュラ関数の多重線形拡張
• 劣モジュラ関数の多重線形拡張の定義とその性質
- 36. 劣モジュラ関数のロヴァース拡張
• 𝑓: 2 𝑉 → ℝ:正規化された劣モジュラ関数につい
て、そのロヴァース拡張 𝑓: ℝ≥0
𝑛
→ ℝを考える
• ここでは、劣モジュラ関数について、そのロヴァー
ス拡張が𝑃(𝑓) ⊆ ℝ 𝑛
や𝐵(𝑓) ⊆ ℝ 𝑛
を用いて式
(2.32) とは異なる形で表現可能なことを見る
- 37. 劣モジュラ関数のロヴァース拡張
記号
𝒛 = ( 𝑧1, 𝑧2, … , 𝑧 𝑛) ∈ ℝ≥0
𝑛
:任意の𝑛次元非負ベクトル
𝐿 = (𝑖1, 𝑖2, … , 𝑖 𝑛):𝑧𝑖1
≥ 𝑧𝑖2
≥ ⋯ ≥ 𝑧𝑖 𝑛
を満たす
𝑉の線形順序
𝒙 𝐿:式(2.22)によって定義される線形順序𝐿に対応す
る基多面体𝐵(𝑓)の端点
- 50. この後の流れ
• 2.5 劣モジュラ関数と凸性
• 2.5.1 : 集合関数のロヴァース拡張
• 劣モジュラ関数とは限らない関数と劣モジュラ関数のロヴァー
ス拡張について
• 2.5.2 : 劣モジュラ関数と凸関数
• 劣モジュラ関数と凸関数に等価性について
• 2.5.3 : 劣モジュラ関数の多重線形拡張
• 劣モジュラ関数の多重線形拡張の定義とその性質
- 59. 𝑖 ∈ 𝑉について 𝑓 𝒛 の𝑧𝑖に関する偏微分が以下のように成立
さらに𝑖, 𝑗 ∈ 𝑉(𝑖 ≠ 𝑗)について以下が成立
これより、𝑓の劣モジュラ性から以下が成立
多重線形拡張の偏微分
等号成立は𝑖 ∈ 𝑉
- 60. 劣モジュラ関数の多重線形拡張 𝑓の凹性
任意の2つのベクトル𝒂 ∈ ℝ≥0
𝑛
, 𝒃 ∈ [0, 1] 𝑛から1変数関数
ℎ: ℝ → ℝをℎ(𝑡) = 𝑓(𝑡𝒂 + 𝒃)と定める。 このとき(2.40)より
であるため、hは凹関数。つまり 𝑓自体は凹関数とは限らない
が,非負方向の直線に沿って 𝑓の関数値を見れば凹関数にな
ることがわかる。
Notas del editor
- 正規化された劣モジュラ関数𝑓: 2 𝑉 → ℝについて,その多重線形拡張 𝑓 : [0, 1] 𝑛 →ℝは𝑓 の「凹関数のような」拡張です.