仮想化技術の基本の基本

技術 Trendy Seminar

仮想化技術の基本の基本

2009/04/21
エスエムジー株式会社
橋本拓也
※資料中に記載の会社名および製品名は、各社商標または登録商標です。
※本資料の無断転載・複写を禁じます。

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Hot Topic

1. OracleがSun買収でJavaとSolarisを獲得
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0904/21/news014.html
ひとまずJDK, Solaris周りは全部手元に残しておきましょう

2. JDK 6 Update 13リリース
http://java.sun.com/javase/ja/6/download.html
Ｊａｖａの最新状況は常に抑えておきましょう。

3. レッドハット、第4のハイパーバイザ「KVM」を軸
とした新仮想化戦略
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/topic/2009/03/12/15135.html

2

目次

1. 仮想化って何?
2. PCの仮想化
3. ストレージの仮想化
4. ネットワークの仮想化

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【１．仮想化ってなに？】

仮想化って何?

1. 今までのシステムは、必ず１つのサーバには１つのハ
ードウェアが必要になる。
APサーバ、DBサーバ、クライアントで3台
開発環境、バックアップ環境まで含めると・・・9台？
2. 環境を整えるだけでもコストと時間を使いすぎる！
3. これを解決するのが仮想化技術。

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今までのシステムの問題点

1. 今までのシステムは無駄が多すぎた?
2. 大量のサーバを使うけれど、それぞれのリソースは殆ど
使われていない
大量に余るHDD
滅多に100%まで使われないCPU
用途ごとに新設されるネットワーク
3. スペース、電力の無駄遣い?

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仮想化技術での解決方法
1. APサーバ、DBサーバは全部1台のPCに入れてしまえっ
[PCの仮想化]
2. 巨大なデータが必要な部分は全部ネットワークごしの
HDDで管理してしまえっ
[ストレージの仮想化]
3. 複数必要な開発用ネットワークを１つのネットワークに共
存させてしまえっ
[ネットワークの仮想化]

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【２．PCの仮想化】

PCの仮想化
1. サーバの仮想化とも言います。
2. 1台のPCを複数の仮想PCとして動かしてしまおうとい
う技術です。
仮想PCには別々のOSを入れ、自由に起動・停止すること
ができます
3. 一番イメージしやすい、試しやすい仮想化です。

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PCの仮想化の種類

1. PCの仮想化方法には、ホストOS型とハイパーバイザ
ー型があります。

AP

AP ゲストOS AP AP

仮想化ソフトゲストOS ゲストOS

ホストOS ハイパーバイザ

ハードウェアハードウェア

ホストOS型ハイパーバイザ型

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種類ごとの違い

種類ごとの特徴は以下のとおりです。

種別導入用途リソース管理
ホストOS型簡単個人利用向け細かい管理が難しい。
普通のソフトと一緒 CPU割り当てとか。

ハイパー面倒エンタープライ細かく管理できる。玄人
バイザ型既存環境との差し替ズ向け向け。
えが必要

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仮想化PCの製品

現在入手可能で開発中の製品は次のとおりです。
製品名ライセンス種類主な企業
VMWare Player/Server 無償・有償ホストOS VMware
Virtual PC 無償・有償ホストOS Microsoft
VirtualBox 無償ホストOS Sun(Innotek)
機能限定のオープンソー →Oracle?
ス版あり
QEMU 無償ホストOS OHA?
VMWare ESX/ESXi 無償・有償ハイパーバイザ VMware
Hyper-V 無償ハイパーバイザ Microsoft
管理ツールが有償
Xen 無償・有償ハイパーバイザ IBM, Redhat
オープンソース＋有償サ（ホストOS型もkXenと
ポートが多いして対応予定）
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仮想化PCの製品：VMWare

1. いち早く仮想化PCソフトウェアを提供し始め、
いち早くソフトウェアの無料配布を始めた製品群です
2. ちょっと把握するのが大変なぐらい、さまざまなエディシ
ョンが存在します。
商用利用まで可能な無償ソフトと、評価までしかできな
い無償ソフトがあるのでプロジェクトでの利用は注意が
必要！
3. 歴史あるソフトなので、ドキュメントが豊富に存在します

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仮想化PCの製品：Xen

1. VMWareに匹敵する機能を持ったオープンソース製品
です
2. 細かいリソース管理が可能である一方、導入や運用に
はノウハウが必要です
3. IBM, Redhatをはじめ多くの会社がXenを拡張した製
品を提供しています
4. ただし、Linux関連のコミュニティの一部は、KVMへ移
行しつつあります
http://www.virtualization.info/jp/2009/04/linux-
foundationxenkvm20090416-8.html

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仮想化PCの製品：VirtualBox

1. 開発していたInnotek社をSunが買収
・・・そしてさらにOracleが買収
2. 無償版と、機能が一部無いオープンソース版がある
3. 細かな設定ができない代わりに、非常に簡単に導入で
きる。そして動作も高速
4. 個人ですぐに使う製品としては最適
5. 最新版(2.2)のWindows版には問題が多いため、あま
りお勧めできません
VirtualBox 2.2：Linux版はお勧めだが、Windows版はバグだらけ
http://sourceforge.jp/magazine/09/04/17/0423207

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仮想化PCで注意すること・その１

1. グラフィック、ネットワーク、USBなどハードウェアデ
バイスの動作は確認できているか？
仮想化OSでは基本的な機能は動きますがハードウェア
周りに難があります
特にグラフィックス、ネットワーク、USBについては、部分
的にサポートされていますが、まだ課題が多いです
また、各ゲストOS用に提供されているドライバを入れない
と真価を発揮しない場合が多いので注意！
– パフォーマンスが出ない
– 使い勝手が悪い（画面解像度が800x600固定など）
etc

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仮想化PCで注意すること・その２
2. システムリソースが十分か？
実はCPUはあまり必要としません
2コアあれば快適に動きます
それよりもメモリ重要！
ゲストOSを１つでも動作させるなら、ホスト側には２GBは
載せましょう
HDDも普通にWindows/Linuxのインストールと同じくあま
り必要ない場合が多いです

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仮想化PCで注意すること・その３

3. ゲストOSに高負荷処理を求めていないか？
用途がそもそも間違っています！
仮想化PCは「あまったリソースを有効利用するため」の技術と
思ってください。現在の仮想化環境はそんな高負荷に耐えられ
ません。
某プロジェクトではちょっと負荷をかけただけでパケットロスが
頻発し問題になりました。
参考文献：日経コンピュータ３月1日号
「仮想化は甘くない高負荷は苦手、障害対応も自己責任」

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仮想化PCで注意すること・その４

4. CPUの仮想化機能に製品が対応しているか？
現在のCPUには仮想化機能が提供されています。
– Intel : VT-x, VT-c(IO仮想化), VT-d(ネットワーク仮想化)
– AMD : AMD-V
多くの製品はまだVT-x, AMD-Vにのみ対応しています。
VT-c, VT-dに対応したCPUの場合には、これに対応した製品
を選択しないと、パフォーマンスが上がりません。

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【３．ストレージの仮想化】

ストレージの仮想化

1. 高速なストレージを１PC1台持つのはコストがかかり
すぎるし、管理も大変！
2. そこでストレージ専用のネットワークを構築して、ネッ
トワーク越しのストレージを「あたかもローカルディスク
のように」使う仮想化技術が存在します。

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【３．ストレージの仮想化】

仮想化ストレージ技術：iSCSI

1. ストレージ仮想化として現在普及しつつある技術。
2. Windows XPでも標準対応。導入しやすい！
3. ネットワーク越しにつながったHDDをあたかもローカ
ルのディスクとして使える
4. データ転送に特化しているため、Windowsの「ネット
ワークの共有化」などに比べてパフォーマンスが落ち
ない！

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【４．ネットワークの仮想化】

ネットワーク仮想化

1. 複数のネットワークのために何本もケーブルを這わせ
るのは手間がかかりすぎる。
2. ルータ・ハブなどのネットワーク機器の管理も馬鹿に
ならない。
3. だったら１つの物理ネットワークを複数のネットワーク
で共存してしまえっ。

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【４．ネットワークの仮想化】

仮想化ネットワーク技術：VLAN

1.VLANの実現方法とか、VLAN+拠点間通信で広域ネ
ットワークとか、楽しい話は沢山あるんだけど、すぐに
試すのは難しいのでここでは省略します。
2.基本的な知識はITproの記事がお勧めです。
「VLAN免許皆伝」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060919/2484
19/?ST=nnwe

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まとめ

1. 仮想化技術はもはや普通に使える技術。
食わず嫌いはもったいないし時代遅れになっちゃうよ。
2. とはいっても癖があるツールなので、
利用する場合には注意が必要。
3. ・・・なんにせよホストOS型なら今日すぐに使えるから使
ってみてね。
個人での環境では超お手軽なVirtualBoxがお勧めです！

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参考文献

1. Web+DB Press vol.49
VMWare ESXベースですが仮想化技術の概要がまとまって
います。
2. 日経Linux 2009年4月号
iSCSIの記事が分かりやすい！
3. 仮想化の”真実”
http://www.computerworld.jp/topics/vt/
少し更新止まっていますが最新動向がまとまっています。

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