脳死下臓器提供と院内コーディネータの役割
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当院初の脳死下臓器提供事例の提示と院内コーディネータの役割について紹介しています。
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脳死下臓器提供と院内コーディネータの役割
- 2. 改正臓器移植法前後の経緯 2009年 11月 脳死判定委員会発足 2010年 1月 臓器移植実務委員会発足 2月 第１回シミュレーション 5月 マニュアル完成 7月 改正臓器移植法施行 12月 マニュアル改訂 2011年 3月 第2回シミュレーション 4月 マニュアル再改訂 5月 当院初の脳死下臓器提供
- 3. 症例 • 40歳代 男性 • 既往歴：特記すべきことなし • 現病歴：2011年5月◯日， 12:10 電車に乗車中卒倒し，他の乗客が車掌に通報 12:14 車掌が車内より救急要請 12:17 直近の駅に停車し，ホーム上でBystander CPR開始，AED装着． 12:23 救急隊患者接触時，CPA（Asystole） 12:38 病院到着
- 4. 来院後経過 • 12:38 当院到着時，CPA（Asystole） • 気管挿管，末梢静脈路確保，アドレナリン1mg×3回 • 12:54 心拍再開 • 心拍再開後のCT撮影にてクモ膜下出血と診断 • 13:30 救命救急センターICU入室（主科：脳外科） • 所持品を確認したところ，ドナーカード所持を確認
- 5. 来院当日 1日目 2日目 3日目 4日目 ICU 入 室 14 18 主 治 医 よ り 脳 死 ド ナ ー 候 補 発 生 の 報 告 9 主 治 医 に よ り 臨 床 的 脳 死 と 判 定 12 脳 死 判 定 委 員 会 召 集 14 ネ ッ ト ワ ー ク Co よ り 家 族 へ の 説 明 10 家 族 よ り 臓 器 提 供 の 意 思 12 脳 死 下 臓 器 提 供 同 意 書 へ の 署 名 17 第 一 回 法 的 脳 死 判 定 18 手 術 室 ミ ー テ ィ ン グ 第 二 回 法 的 脳 死 判 定 ・死 亡 確 認 4 7 警 察 に よ る 検 死 22 メ デ ィ カ ル コ ン サ ル タ ン ト ・移 植 チ ー ム 到 着 2 摘 出 前 ミ ー テ ィ ン グ 3 ド ナ ー 手 術 室 入 室 10 臓 器 摘 出 終 了
- 6. 1：45 麻酔科医、Ｎｓ、NWCo集合 2：15 摘出チーム手術室入室 2：45 摘出チームミーティング 3：36 ドナー入室 4：10 執刀 5：10 全身ヘパリン化 5：20 大動脈遮断 5：30 心臓摘出 ～6：05 肺、肝臓、膵臓、腎臓摘出 7：18 閉腹 8：13 皮膚、眼球摘出 10：13 退室 【臓器摘出経過】
- 7. 心臓 東北大学病院 30歳代 男性 拡張型心筋症 左肺 大阪大学医学部附属病院 40歳代 女性 肺リンパ脈管筋腫症 肝臓 岡山大学病院 50歳代 男性 非代償性肝硬変 膵臓・左腎臓 藤田保健衛生大学病院 50歳代 女性 糖尿病性腎症 右腎臓 成田記念病院 60歳代 男性 糸球体腎炎 ※ 右肺は肺炎のため移植が断念された レシピエント一覧
- 10. 院内移植コーディネータ（院CO）の役割 ドナー発生の際，主治医の負担を軽減する Donor Action Program ( DAP ) 主治医には臓器提供に関係する業務をできるだけさせない 日本臓器移植ネットワーク（JOT）との連絡調整を受け持つ 脳死判定委員会，臓器移植実務委員会との連絡調整を受け持つ Hospital Attitude Survey ( HAS )：医療従事者の移植に対する意識調査と分析 Medical Record Review ( MRR )：死亡患者の記録から，臓器提供に至らなかった 原因などを分析 臓器移植についての啓蒙活動
- 12. 院COメンバー • 救急科医師 1名 • 看護局看護師 1名 • 救命救急センター看護師 4名 • 手術室看護師 1名 • 臨床検査技師 1名
- 13. ドナー候補の主治医になったら・・・ • 時間内は院COキャップに連絡 • 時間外は救命ICUに連絡 • 日本臓器移植ネットワークや院内委員会（脳死判定，臓器移植実務） への直接連絡は避け，かならず院COを通す • 臓器提供の同意が得られるかどうかわからない微妙な段階でもいいの で，どうぞお気軽に！ ご連絡お待ちしております<m(__)m>